SEらしさはデザインじゃなく、立ち位置にあるのかも。初代iPhone SEと第2世代を比較

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362SEらしさはデザインじゃなく、立ち位置にあるのかも。初代iPhone SEと第2世代を比較
Photo: ヤマダユウス型

じっくり向き合って考えてみました。

「こんなのSEじゃない」→「これが新しいSE…?」→「なるほど、SEとはそういうことか」と、この1日で価値観がぐるぐると変わっている僕です。第2世代iPhone SEのインプレッションをお届けしてから、手持ちのiPhone 8 Plus、および初代iPhone SEを触りながら色々と考えてました。

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Photo: ヤマダユウス型

これまでのiPhone SEとは、上の写真の一番左のiPhoneを指すものでした。側面が平らなアルミで覆われた4インチディスプレイ。5sの質感を継承した、ラウンドデザイン時代前のアーキテクチャです。ところが、真ん中の第2世代iPhone SEはこれを継承しませんでした

その部分において「それはもうSEじゃない!」という気持ちも、さもありなん。でも、思えばiPhone SEはまだ2代しか続いていないんですよね。家康と秀忠しか出てきてないのに「徳川らしさがない!」と言って良いものか?

この記事では初代SEと第2世代SEを比較しつつ、体験としてどこが同じでどこが変わってくるのか、結局のところ買いなのか、そのあたりを根掘り葉掘っていこうと思います。徳川の血、SEの血を見つけ出す思索の旅です。

シンプルに、サイズの違い

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Photo: ヤマダユウス型

上に挙げた3つのiPhoneを手持ちで比較してみましたが、もはやクレイアニメのようなサイズの違い。親指の位置に注目してみると、初代iPhone SEは労せずとも画面右上まで親指が届くのがわかります。初代SEを手にしてから8 Plusを持つと、もはや板です。かなり板ですこれ。

第2世代SEはiPhone 8と同じサイズ感ですから、初代SEと比べると比較的大きめ。SE=コンパクトという印象は初代だけのものといって良いでしょう。むしろ初代SEのキーボードは、今使ってみるとよくアレで入力してたなと思うほど小さい…。

初代SEは小型サイズ、第2世代SEはちょうど良いサイズ。まずこの違いがあります。スマホのトレンドから見ると第2世代の4.7インチディスプレイはコンパクトな方か、あるいは物足りないと言われる部類に入るかもしれませんね。見やすさを損なうほどでもありませんが、やはり4インチの後継機はもう出ないのかしら…。

機能による体験の違いに、SEらしさを見出せる

インカメラのポートレートモード、耐水性、Felica対応、クラウドストレージへの対応などなど。機能面においては、初代SEとの違いを挙げるとキリがありません。この点においても、初代SEと第2世代SEを同列比較するのは難しいでしょう。

ならば体験的にはどうか。すなわち、第2世代SEを選ぶことで、初代SEと同じように諦めなければならない機能にはどんなものがあるのか。結論として、これも初代と似た感じの体験差かなと感じました。

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左が初代SE、右が第2世代SE。ディスプレイのフチの黒ラインが懐かしい。
Photo: ヤマダユウス型

初代SEは、当時の6sと同じA9チップと2GBのRAMを詰みつつ、3D TouchやLTEの回線速度、画面のコントラスト比、インカメラの画素数などで差別化が図られていました。対して第2世代SEは最新モデルがもつ複数カメラやOLEDディスプレイ、Face ID、UWBなどに非対応。

このあたり、わりと我慢できる要素だと思うんですよ。最新機能は出し惜しみしてますよ、でもサクサク感は最新モデルと変わりませんよー。このコスト感こそが、廉価版とも異なるSEのイズムなんじゃないでしょうか?

ぶっちゃけ、一番SEらしかった部分は…

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Photo: ヤマダユウス型

冒頭でも述べましたが、側面が丸みのあるデザイン。これこそが、SEのらしさを難しくしてる所以だと思うのですよ。初代SEが好きな人って、結局はカクカクした側面が好きなだけなのでは? そりゃ僕も第2世代SEが平らな側面なら、プラス1億点はかたいですよ。iPad Proはあるのにさ…!

なので、デザインを基準にSEらしいらしくないを語るのは、ちょっと違うのかもしれない。むしろ、iPhone 5sのパーツを流用して初代SEが作られたように、iPhone 8のパーツを流用して第2世代SEが作られている。コストバランスにおいて、二台のSEは共通しているという認識であるべきでしょう。

メインモデルが懐古主義にならない限り、あの角ばったデザインを持つiPhoneは、もう生まれない。でも、ラウンドのデザイン、Loopを完成させたiPhoneが角張ることは、これから先あるのでしょうか。威嚇するような角は、スマホが当たり前になった現代には不要な機能なのやもしれません。

すこし、寂しいですね。

ホームボタン is Here!

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Photo: ヤマダユウス型

でも、嬉しい継承点もあります。まだ、ホームボタンはなくなりません。iPhone 11をはじめ、最新のiPhoneはすべてFace IDになってますから、ホームボタンiPhoneが欲しい人には、iPhone SE一択です! 悩みなど不要!

当然ながら、第2世代SEのホームボタンは感圧式。初代SEはゴミが入ると残念になる機械式だったため、厳密には同じボタンではありません。ここで機械式ボタンを持ってこられてもびっくりするので、特に問題なしなし。

きっと今後出てくる新しいiPhoneにも、ホームボタンは無いはず。この第2世代SEは、ホームボタンを持った正真正銘最後のiPhoneになる可能性、あると思います。第2世代SEの後継のようなサブラインが生まれればまだわかりませんが、廉価モデルのiPhone XRやiPhone 11がありますからねー。

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Photo: ヤマダユウス型

ホームボタンを持つ最新のiPhoneが欲しい人は、第2世代SEを軽率かつ真剣に検討しても良いと思います。まぁ僕なんですけどね。あるいは、ホームボタンを持たせた最新iPhoneはもうメインラインには来ないのかと見限り、未来ある顔認証に移行する覚悟を決めるよし。まぁ僕なんですけどね。

得られる体験の向上、激烈にコスパ良し

初代SEと比較してきましたが、iPhone 7や6sのような、古めのiPhoneとの比較にも通ずるところがあると思います。性能的なアップデートはもとより、下取りアリなら4万円も切る安さで手に入る体験としては、めちゃくちゃお得ってことです。

7万円や10万円のスマホに買い換えるなら、良くなって当然。でも、税別で4万4800円からの第2世代SEへの買い替えでも、ハイエンドスマホに迫る(モノによっては上回る)体験が得られる。この点においては、iPhone 11やProでも太刀打ちできません。古ユーザーにとっては使い慣れているであろうホームボタンも残っていますしね。

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皆が知るiPhone SEとしての佇まいは大きく変わりましたが、きっとそれは時代によるもの。背面デザインもえらくさっぱりとしたものです。もし数年後、また新たなSEが出てくるとしたら、きっと初代とも第2世代がとも違ったデザインになっていると思います。

時代とユーザーのニーズを反映し、丁度良い立ち位置にスっとおさまる。それこそがSEであり、そんなiPhoneを望む人は少なくないでしょう。やっぱりSEは、良いモデルなんですよ。

2020年4月27日 訂正:初出時、初代iPhone SEについて「ステンレス素材」だったと記載しておりましたが「アルミ素材」でした。謹んで訂正いたします。

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