3月に開業30周年を迎えたハウステンボスは、経営体制の変遷を繰り返してきた(長崎県佐世保市で)=中司雅信撮影

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 旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は30日、傘下の大型リゾート施設「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)の全株式を香港の投資会社「パシフィック・アライアンス・グループ(PAG)」に666億円で売却すると正式に発表した。

 HISはハウステンボスの株式の66・7%を保有しており、残る計33・3%を持つ九州電力やJR九州など地元企業5社も保有する全株式を売却すると発表した。

 株式譲渡は9月30日で、ハウステンボスはPAGの100%子会社となって営業を続ける。

 ハウステンボス株の売却でHISは2022年10月期決算で、646億円の特別利益を計上する。コロナ禍で業績が悪化しており、財務基盤を強化する。

 ハウステンボスは1992年に開業。2003年に会社更生法の適用を申請して経営破綻し、10年からはHIS傘下で経営再建を進めていた。