ひぐらし絆・影紡し編10:真相と殉職(前編)

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前略
「ひぐらしのく頃に絆~影紡し編」の続きです。



再び昭和58年7月6日(水)

南井巴は、公由夏美を救えなかったことを赤坂衛に話した。
かつての自分のような彼女を、なんとしても救いたい・・・
それが、南井巴の本音であった。



ここから先は、南井巴達がどのような手がかりを元に、
どのような内容に至ったのかを述べよう。

(1)公由家の現状

【祖母・公由あきの不在】
ここ数日、誰も目撃した者はいないのだ。
家に閉じこもっている、という感じでもない。
公由家の中は静まりかえっていたとのことだ。
いつもならば、公由あきの経文の詠唱を
耳にするのに、ということである。

【深夜のエンジン音】
土曜日の晩、午前2時ごろ、
公由家から車のエンジン音を聞いたとのことだ。

【山へ行った痕跡】
先月、雛見沢へ里帰りに行った後、ガソリンスタンドで
洗車を行ったとのこと。
にもかかわらず、車を調べたところ、タイヤ近くのボディ裏には
草混じりの泥がびっしりとついていたのである。
つまり、最近になって山道のあるところへ出かけたことになる。

【偽装】
父親の公由冬司に聞き込みをしたところ、
「日曜日には岐阜県の山に沢釣りに出かけていた。」
という回答を得た。
確かに、車の後部トランク内には釣り道具一式と魚の臭いが残っていた。
だが
公由冬司の職場の何人かに確認したところ、
「釣りが趣味」というのは初耳とのことだ。
また、公由冬司のルアーは海釣り用であり、沢釣り用ではない。
(ちなみに花田は釣りが趣味なため、ルアーの見る目は確かである。)
つまり偽装の可能性大である。

以上4点のことから導かれる推論がもし事実ならば、
事態は手遅れということになる。

公由冬司については、しばらく泳がせておくこととした。
下手に揺さぶりをかけても「家にいる」と言われたらそこまでであるし、
彼が共犯な場合、口封じに消される恐れがあるからだ。

代わりに、彼が沢釣りに行ったという山に捜査員を派遣することとした。
理由は、失踪の疑いがある公由あきの捜索である。

(2)ピンク色のカプセル薬

ピンク色のカプセル薬。
公由夏美が所持しており、そして畠山家にもあったものだ。
この薬は、印字の記号から各メーカーに問い合わせた結果、
どこも該当しない、とのことだ。
つまり法定外である。

公由夏美と畠山家全員の通院歴確認は、大石蔵人と赤坂衛が調査をすることとなった。
二人は入手の可能性の高い佐伯総合病院を調べた。
結果は極めて普通。薬の入手先も不明のままだった。

薬の成分解析は、岐阜県警の松岡が調査を行った。

(因みに南井巴は本日中に『鷹野三四』焼殺事件の報告書を上げなければいけなかった。)

(3)畠山一家惨殺事件

この調査は、南井巴が独断で藤田慎吾と二人で極秘捜査を行った。
理由は、彼女の得た推論が、赤坂衛と花田に安易に話していいものではない、と判断したからである。
「娘さんをもつ父親」であるところの赤坂衛と花田にはまだ・・・・!

畠山健太郎の部屋の現場写真。
まだ5歳の彼が至近距離で射殺されたとき・・・・
畠山健太郎の血痕が壁に大量に飛び散っており、銃弾も壁にあったのである。
犯行に使用された凶器はライフル。
普通、ライフルを射撃で構えるときは、肩の高さで狙いをつけるものだ。
よって、銃弾は射撃者の身長に見合ったものになる。
だから、身長の低い5歳児の畠山健太郎にライフルを向ける場合、
ほとんどの場合、「立ったまま銃口を下に向けて」発砲するのである。
その結果、
血痕が床に大量に飛び散っていなければおかしい。当然、銃弾についてもだ。
だが・・・・
射撃者がもし5歳児の畠山健太郎と殆ど同じ身長の人物ならば話は変わるのだ。

また・・・・
畠山正雄はライフルの銃口を自分の喉元に押し当てて自殺をした、とのことであるが、
ライフルの向きを考えると別の見方もあるのだ。つまり・・・・
畠山正雄よりも身長の低い『犯人』が見上げる姿勢から発砲をした。
という見方である。

ところで、ライフルという銃器は、操作自体は子どもでも扱える代物だ。
畠山家でライフルが存在しているのは、畠山正雄がハンティングを趣味にしているからである。
彼はよくハンティングに娘の畠山あおいを連れ出していた。
そして、彼が面白がって撃ち方を娘に教えていたことも、あるいは
畠山あおい自身が見よう見真似で覚えた、というパターンは容易に想像がつくことだ。

そして、こういった大き目の銃器は発砲をしたときの反動が大きい。
子どもが撃った場合、その反動は相当なものだろう。
それゆえ、撃つときには壁を背にして、反動に気をつかったりするものだ。
それを裏付けるかのように、畠山芳子の血痕があった側と反対側の・・・
襖には、床から1mほど上に、何か固いものがめり込んだような跡が残っていたのである。

以上のことから南井巴が導き出した推論は・・・・

[クリックすると読める部分(乱暴な言葉遣い/非難を隠す為に使わないで下さい)]

(4)『鷹野三四』焼殺事件

この真相は、この「影紡し編」の時点では明かされていない。
だが、南井巴がその発想に至った経緯は下記のとおりである。
・南井巴は、歯痛に悩まされていた。
・妹との喧嘩の折、終始仏頂面だったため、妹を心配させたくらいだ。
・ここしばらくの事件でろくに歯医者に通うヒマがなかった。
・彼女が歯医者に行こうとしたときのことだ。
・保険証を家に置きっぱなしだった。
・南井まどかは、自分の保険証を貸そうとした。
・彼女にしてみれば、自分の姉は「別に悪用するわけじゃないんだから、いいじゃん」みたいなノリだ。
・生真面目な彼女は「それはやってはいけないことだ。公務員ならばそのへんをわきまえろ」
みたいな感じで怒る。

このとき!南井巴はひとつの発想にいきつく。
そして、岐阜県警の松岡に「例の事件」でカルテを回収した病院の場所を確認するのだ。

おそらくは・・・・

[クリックすると読める部分(乱暴な言葉遣い/非難を隠す為に使わないで下さい)]
と思われる。

(5)???

後述する。



だが・・・・そこに至る過程でひとつの哀しみが発生した。

昭和58年7月7日(木)

この日は、山沖薫の両親が、彼の婚約者・南井まどかに会うために
山口からはるばる垣内の町へやってくる日である。
そしてその場で、彼女は姉を紹介したかったのである。

妹とのわだかまりが残っている彼女は、正直同席したくはなかった。
だから、いつものパターンだとここで姉妹喧嘩となって終わりだったのだが・・・
南井まどかは言った。
自分は姉がいたから、今日まで生きてこられたのだと。
それにこの結婚は、昔と違って、いい加減で適当に
思いついたものではないのだということを。

この日・・・
南井巴は、南井まどかと山沖薫の結婚を認める決意をした。

南井巴「ただし、絶対条件がひとつ!あんにゃろうが私のことを『義姉さん』って呼ばないこと。これだけは絶対譲れないからね。」

たしかに山沖薫のようなオッサンが自分の『義弟』に
なってしまうことなど、年齢的におぞましい(笑)ものがある。
だが・・・・相思相愛の恋愛に年齢差は関係ないのだ。
また、山沖薫は基本的に信頼に値する人物であった。
それに、先日彼女は公由夏美に
「信じてもらえる人を待つばかりでなく、信じる努力をするべきだ」
といった感じの説得をしていたのだ。
それを通して、彼女は己自身を見つめなおした、というわけである。
南井巴は・・・自分のとったこの選択に、不思議と後悔はなかった。

南井まどかは、歓喜の涙を流した。
12年前、一瞬にして壊された、幸せな時間と
その後頑張り続けた姉の苦労。
本当は姉の力になりたかった。
だが、姉は自分を頼ろうとはしなかった。
それが辛かった。
だから・・・家出という手段にでたのである。
そうすることで、姉が自分の幸せに目をむけてくれることを願って。
だが、それにより、さまざまなわだかまりが生まれる結果となった。

南井まどか「・・・ようやく、少しは取り戻してこれたかなぁ」



その後、上で述べた歯医者の話題に移り・・・・・
南井巴は、行先予定板に岐阜県警鑑識課ほか
一目散に急行したのである。



夜。
料亭で、南井まどかと山沖父母は顔を合わせていた。
だが、いつまで待っても南井巴はやってこない。
それどころか、山沖薫も姿を見せていないのだ。
やがて現れた山沖薫は、沈痛な面持ちで南井まどかに告げたのである。

南井巴が、垣内サービスエリア内で刺され、出血多量で危篤と。

この知らせは、赤坂衛と大石蔵人もまた、藤田慎吾の口から聞かされた。
全員病院へかけこむ。
だが・・・・・・・・
南井まどか、大石蔵人、赤坂衛の必死の願いも空しく・・・・

南井巴、死亡



南井巴。
あきれるほどに真っ直ぐで、責任感と誇りを胸に抱いた人だった。
過去に受けた心の傷に怯まず、逆に他者を気遣える優しさを持つ女性だった。

大石蔵人は、そんな彼女の頑張りはそれ相応に報われるべきだ、と思っていたのだ。
こんな結末・・・納得できるわけがない!!
気が付いたら彼は、拳を壁に叩きつけて、憤怒の表情で呻いていた。

赤坂衛「お、大石さん・・・」
大石蔵人「すみませんね、赤坂さんっ・・・!ちょっと黙っててくれませんか・・・?!」
赤坂衛「しかし大石さん、その手、血が・・・・」
大石蔵人「黙ってろって言っただろぉぉっっ!!!

彼の吼えるような怒号が轟き渡った。

大石蔵人「はは、はははは・・・っ!
赤坂さん・・・私、・・・雛見沢で村の連中からなんて言われてたか、ご存知ですか・・・?
『オヤシロさまの使い』・・・それが、私の通り名だったんですよ・・・はは、はははっ・・・。私が接触した相手が、みぃんな死ぬか行方不明になる、ってね・・・
といっても、それに当てはまるのは思いつく限りたった一人だけで、・・・謂れのない悪口だと、笑ってましたがね・・・っ
ですがね・・・ですがねっ!ここに来てからというもの、捜査の相手がみんな死んでいくんですよ!みんなっ!まるで私を嘲笑うように!!
・・・そしてっ、今度は南井警部だ!!
雛見沢とは何の関係もなかったはずの彼女まで死んだ!!私が協力を頼んだばっかりに!!・・・畜生!!
なぜだ!!なぜなんだぁっ!!殺すなら私を殺せばいい!!なぜ私以外の人間ばかりを殺しやがるんだぁぁっっ!!
うおおぉぉおぉっっ!!!

赤坂衛もまた、心の中では憤怒に燃え上がっていた。
できることなら、犯人をこの手で捕まえてやりたい、と思っていた。
それは、垣内署の刑事一課も同じだった。
彼らはベテラン若手を問わず、南井巴の死を悲しみ、犯人への怒りに燃えていたのである。
それは、彼女がいかに優秀な警官であったかの証左でもあったのだ。

つづく・・・(5)南井巴刺殺事件の真相へ!!

山沖薫「・・・いいか、お前ら!南井次長の葬儀への参列は全員禁止だ!・・・墓参りも自粛しろ!
彼女を刺した犯人をひっ捕まえて、法の裁きの下に引きずり出すまで、お前ら次長を弔える資格があると思うなッ!!」
刑事一課一同「『うぉぉおぉぉっっッッ!!』
藤田慎吾「畜生・・・ちくしょうッ!!殺してやる!・・・警部を殺ったやつら全員、誰に喧嘩を売ったのか思い知らせてやるッッ!!」
花田「クソ外道が、ふざけやがって・・・ッ!!あのアマども、生きて法廷に上がれると思うなよッッ!!!」

草々

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