【独自】松本―成田空港の定期路線、24年就航目指す フィールエアHD
6月に設立された新航空会社「フィールエアホールディングス(HD)」(東京)が県営松本空港(松本市)と成田空港(千葉県)を結ぶ定期路線の就航を検討していることが2日、同社への取材で分かった。採算が取りやすい小型のプロペラ旅客機を使って松本と出入国拠点の成田を結び、インバウンド(海外誘客)やビジネス関連の需要を掘り起こす構想。HD傘下に東日本をカバーする準備会社を近く設立し、早ければ2024年春の就航を目指す。実現すれば松本・成田空港を結ぶ定期路線は初となる。
フィールエアHDの井手秀樹社長が信濃毎日新聞のオンライン取材に応じた。
同社は鳥取ガス(鳥取市)社長の児嶋太一氏らが設立。欧州の航空機メーカーATRが製造する48~72人乗りの双発プロペラ機をリースし、運航は全国五つのエリアに順次設立する運航会社が担う計画だ。井手社長によると、ATRの機材は燃費が良く鉄道並みかより安い料金設定が可能で、他の航空会社が結んでいない路線の需要開拓を狙う。就航に必要な国土交通省の認可は23年秋の申請を目指す。
24年4月から成田を拠点に72人乗りの2機で花巻(岩手県)、小松(石川県)など4、5カ所の地方空港へと1日1、2往復させる計画で、井手社長は松本―成田線について「成田で入国した訪日外国人や長野県と(成田周辺の)北関東の企業間のビジネス客が期待できる。24年度の有力就航先だ」と説明。機材や路線を拡充して「遅くとも26年には飛ばしたい」とする。将来は松本と中部国際空港(愛知県)を結ぶ路線も視野に入れる。
同HDは現在、24年度の就航実現に必要な約30億円の資金調達を進める。井手社長は「長野県を含め、各就航先の地元企業にも出資をお願いしていきたい」と述べた。
松本空港は現在、フジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)が札幌(新千歳、丘珠)、神戸、福岡と定期路線で結んでいる。
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