源実朝(柿澤勇人)と後鳥羽上皇(尾上松也)のいとことの婚姻が決まり、政子(小池栄子)の心配をよそに喜ぶりく(宮沢りえ)。一方、京では後鳥羽上皇が源仲章(生田斗真)、慈円(山寺宏一)らと鎌倉の行く末について思いを馳せていた。そんな中、北条時政(坂東彌十郎)から代々受け継ぐ惣検校職のお役目を返上するように求められた畠山重忠(中川大志)が、疑念を抱いて義時(小栗旬)に相談。その義時ものえ(菊地凛子)を……
2022年9月4日(日)
- 午後8時~
- 午後6時~
再放送
2022年9月10日(土)午後1時05分~
これまでの放送をご紹介します
放送前に出来事や背景などをかいつまんで説明する“前説”
【監修】時代考証・木下 竜馬
九条兼実と慈円
九条兼実と慈円は、摂政・関白などを歴任した摂関家の長・藤原忠通を父に、藤原仲光の娘・加賀局を母とする同母兄弟です。
兄・九条兼実は、五摂家のひとつ九条家を興したことでも知られ、後白河法皇崩御後は朝廷第一の実力者となり、源頼朝を征夷大将軍に推挙しました。公事や作法に関して高い見識を有するほか、和歌への関心も深く、藤原俊成・定家父子らの庇護者であったともいわれています。また、兼実が40年間<長寛2年(1164)から建仁3年(1203)>にわたり書きつづった日記『玉葉』は、当時の状況を知るうえで貴重な史料となっています。
一方、弟・慈円は、比叡山延暦寺の長である天台座主を4度務めた宗教界の権威です。兄・兼実と同様に和歌にも秀で、「おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖」という歌が『小倉百人一首』のひとつとして選ばれています。また、慈円が著したともいわれる歴史書『愚管抄』も『玉葉』と同じく、当時の状況を知るうえで貴重な史料となっています。