女神「勇者なんているわけないじゃん!それ全部みんなの幻想だから!」 作:うつせみ
1:名無しの軍人
世界統一軍は常に新たな人材を募集しています!
年齢不問、性別不問、職業不問、未経験者大歓迎!
さあ、勇者様に続き、共に世界を救いに行こう!
2:名無しの軍人
>>1乙であります!
今日も勇者様に「ありがとう」と感謝の言葉をいただきました!
3:名無しの軍人
迅速なスレ立て感謝であります!
勇者様を支援するには人手がいくらあっても足りませんからな!
4:名無しの軍人
このスレから来た奴を先日見かけたけど
なかなかに使える奴で勇者様も微笑んでましたね
5:名無しの軍人
勇者様は新入りに優しいですからねえ!
6:名無しの軍人
俺、新人なのに勇者様にお声掛けてもらえたよ
興味本位だったけど入隊して良かったよ
7:名無しの軍人
勇者様は噂通り素晴らしく
そんなお方の力になれるなんて
入隊する前では考えられませんでした
...
51:名無しの軍属
……テンプレ終わった?
52:名無しの軍属
……もういいだろ、休め
55:名無しの軍属
疲れてるんだよ、こいつ
57:名無しの軍属
毎度毎度、よく続けられるな
59 名無しの軍属
地味に毎回内容が違うのがおそろしい
60:名無しの軍属
一応言っておくか?
>>1-50
この大嘘つきめ!
61:名無しの軍人
嘘とは何のことでしょう?
62:名無しの軍属
自分の胸に手を当てて聞け
63:名無しの軍属
こいつ自覚無いのかよ
64:名無しの軍属
やれやれ
65:名無しの軍属
……世界統一軍なんてものは無い(ぼそっ)
66:名無しの軍人
そんなぁ……
◆
103:名無しの市民
興味あるんですが
詳しい話を聞きたいです
104:名無しの軍人
はい、何なりと!
105:名無しの軍属
シュバって来んなよ
106:名無しの軍属
張り付いてんなぁ
107:名無しの軍属
このスレ見てなんで興味湧くの?
108:名無しの軍属
魔族の支配から解放直後の難民だと思う
109:名無しの軍属
たぶん>>1とテンプレだけ見てる
110:名無しの軍属
無意味に長いからテンプレだと気付かない
111:名無しの軍属
というかまだスレ進んでないから色々と誤解してる
112:名無しの軍属
常識を知らないってこわい……
115:名無しの市民
世界統一軍って私でも入れますか?
戦闘とかはちょっと無理なんですが
116:名無しの軍人
もちろんですとも!
基本的に戦闘は勇者様にお任せで
我々は後方でサポートに徹します!
流れ弾が当たることもありません!
安全安心の職場です!
117:名無しの軍属
むっちゃ早口で言ってそう
118:名無しの軍属
実際はやいわ
119:名無しの軍属
お前そのスピード活かして魔族と戦えよ?
120:名無しの軍属
魔族も混乱すると思う
121:名無しの軍属
混乱して勇者様をサポートする魔族
122:名無しの軍属
いやさすがにそれは無いだろ……ないはず
123:名無しの市民
具体的な仕事って何がありますか?
124:名無しの軍人
はい、まず何より優先すべきは食事の支度です
戦闘を終えた勇者様に速やかに料理を提供することは我々世界統一軍の存在意義です
勇者様は大変お優しい方なので、ご自身の食べ物をすぐに市民に施されてしまいます
我々はお腹を鳴らしつつも子供にパンを差し出す勇者様を看過しません
先んじて現地の解放民へ食事を配給し、勇者様に心置きなく三食しっかり食べてもらうことを理想としています
125:名無しの軍人
そして次に行うべきは住居の修復、もしくは仮設住宅の設置です
勇者様は人間には家が必須とお考えの方です
市民の誰か一人でも野宿を強いられる場合、自ら木を切り出して大工仕事を始めるほどです
我々は勇者様の手を煩わせない為にも、快適な安眠を約束する為にも、先んじて解放民全員分の生活環境を整える必要があります
126:名無しの軍人
最後に行うべきは生活物資、特に衣類の手配です
勇者様は薄着の人を見かけると自らの服を差し出すようなお方です
その場で縫製してでも、断固として防がねばなりません
130:名無しの市民
ありがとうございます
色々やるんですね
131:名無しの軍人
他にも細々した業務は存在しますが
いずれも未経験者大歓迎であります!
132:名無しの軍属
超重要な細々した業務を端折りやがった……!
133:名無しの軍属
経験者いんのかよ(笑)
134:名無しの軍属
そこ頼むから経験者大歓迎にしてくんない?
135:名無しの市民
私は猟師なので食料調達に協力できると思います
志願はどこで行えば良いんでしょうか?
136:名無しの軍人
あ、狩人の方でしたか
ではすみませんが今回は不採用とさせていただきます
137:名無しの市民
はい?
138:名無しの軍属
どんまい(笑)
139:名無しの軍属
不採用です
狩人はクラス制限で狩りを行える地域が決まっているので使い道がありません
140:名無しの市民
え?
141:名無しの軍人
獲物を追う都合で移動制限は緩いんですけどねえ
いざ現地でミッション開始したときに「ここの生き物は狩れない」とか言われても困るんですよ
143:名無しの軍属
そういうとこ厳しいよな、こいつ
144:名無しの軍属
正論ではあるけどさぁ
もっとこう言い方ってもんがあるだろうに……
145:名無しの市民
あの、狩りが出来なくても他の仕事を頑張ります!
146:名無しの軍人
我々が求めているのは勇者様のファンではありません
勇者様の僅かな苦手を補えるプロフェッショナルです
147:名無しの市民
でも未経験者でも良いって……
148:名無しの軍属
それそういう意味じゃないんだぜ?
149:名無しの軍属
もっと裏を読まなきゃ……
150:名無しの軍属
(勇者様の無茶振り)未経験者なんだよなぁ……
151:名無しの軍人
誰でも初めは未経験者です
しかしクラスの職域になければ成長をしません
どうかご理解下さい
我々は勇者様に続き、世界を救いに行くのです
そこに生半可な者を加えている余裕はないのです
156:名無しの市民
……あの、すみませんでした
157:名無しの軍属
まあ落ち込むな、むしろ幸運な方だ
158:名無しの軍属
勢いで参加してたらもう逃げられないから
159:名無しの軍属
俺もこのタイミングで「不採用です」って言われたかった
◆
556:名無しの料理人
勇者様がまた魔族の死体を持ってきた……
ちょっとお腹鳴ってた
557:名無しの軍属
がんばれ
558:名無しの軍属
それがお前の仕事だ
559:名無しの料理人
こんなの捌き方なんて知らない
触手蠢いてるし
食べられるのかすら分からない……
560:名無しの軍属
それを何とか食べられるようにするのがお前の仕事
561:名無しの軍属
味を占めさせたお前が悪い
562:名無しの軍属
言葉通りにな(笑)
563:名無しの軍属
うまいこと言うな
564:名無しの軍属
勇者様の期待を裏切るなよ?
565:名無しの料理人
誰か手伝って?
566:名無しの軍属
い や だ
567:名無しの軍属
断固として拒否する
568:名無しの軍属
味見は料理人の職分
はっきりしてる
569:名無しの料理人
一体だけなら頑張れる……
でも山みたいに積まれてる……
まったく別種の何だかよく分からない塊が……
570:名無しの軍属
だからがんばれって
571:名無しの軍属
「あの人に任せれば美味しく食べられる!」
と思い込ませたのが悪い
572:名無しの軍属
妙な有能さを発揮しやがって、ばかやろう……
573:名無しの軍属
勇者様に変なことを覚えさせやがって……
574:名無しの軍属
いや勇者様はそんな自分本位じゃない
「これでみんなお腹いっぱいだ!」
と純粋に善意で持ち込んで来るお人
575:名無しの軍属
うーんと……それ両方では?
576:名無しの軍属
どちらにしても結果は同じなんだぜ?
577:名無しの軍属
勇者様が自ら調理して振る舞ってた時代もあるんだゾ
578:名無しの軍属
原材料が何なのか知らずに炊き出し食べてた人々
579:名無しの軍属
今だって自覚して食べてる人はほとんどいないわ
580:名無しの軍属
まさか敵陣で無双中の勇者様が度々こっちに戻っては食材を置いていくとは思うまいて
581:名無しの軍属
食材=魔族の死体
582:名無しの料理人
今日も勇者様にありがとうって言われた(白目)
583:名無しの軍属
よかったじゃん
584:名無しの軍属
……いや嬉しいだろ?
585:名無しの軍属
嬉しいなあ!
586:名無しの軍属
この為に世界統一軍に参加したんだよなあ!
587:名無しの料理人
うん、うれしい
だから誰か手伝って?
588:名無しの軍属
無理です
589:名無しの軍属
あれ毒とかあるだろ絶対
590:名無しの料理人
無いよ
勇者様の持ち込みだから安全なのは確実
591:名無しの軍属
でもたまにドブを煮詰めたようなのがあるんでしょ?
592:名無しの軍属
何日経っても口の中から激臭が消えなかった事件を俺は永遠に忘れない
593:名無しの料理人
でも毒というわけじゃないから……
594:名無しの軍属
世間一般的にあれは毒に似た何かだよ
595:名無しの軍属
ダメージ負わなきゃ安全安心って軍人定義はやめてくれ
596:名無しの料理人
勇者様が「これはきっと栄養豊富!」って太鼓判押して来たから絶対に夕食に出さなきゃいけない
597:名無しの軍属
直々のご指名か
598:名無しの軍属
それダメな奴やん……
599:名無しの軍属
やめて
600:名無しの軍属
早まらないで
もっとちゃんと研究して
601:名無しの軍属
きっちり処理すれば美味くなるのは確実なんだからそこまで頑張れよ! 妥協すんなよ!
602:名無しの料理人
人手が足りないんだよ!
誰か経験者連れて来いよ!
603:名無しの軍属
魔族の調理の経験者(笑)
604:名無しの軍属
いるといいな(白目)
610:名無しの職人
……俺料理人じゃなくて良かった
611:名無しの軍属
ほんとに?
612:名無しの職人
ごめん、職人もつらい
さっき勇者様が「これ使って」って置いてったけど
どう使えばいいのかほんとにわかんない
613:名無しの軍属
家直すのがお仕事なんだから家に使うのでは?
614:名無しの軍属
家具かも知れない
615:名無しの職人
ぱっと見は冷たい氷なのに鋸が通らない
これ何なの? どう加工するの?
616:名無しの軍属
知らねえよ
617:名無しの軍属
それを探るのがお前の仕事
618:名無しの職人
誰か手伝える奴いない?
619:名無しの軍属
いやです^^;
620:名無しの軍属
自爆に巻き込まないで?
621:名無しの職人
自爆はしねえよ!
勇者様の持ち込みはそこんとこ絶対安全だ!
622:名無しの軍属
でもくしゃみ止まらなくなったりするじゃん?
623:名無しの軍属
服だけ溶ける謎の液体はたしかに安全だったよ?
624:名無しの軍属
安心なところがないんだよなぁ……
625:名無しの軍属
あー、よかった
悲惨な状況なのに
怪我ひとつないぞ
これは安心だ(勇者様が)
626:名無しの軍属
(俺らは)絶対安全
(勇者様は)絶対安心
軍人「安全安心な職場です!」
630:名無しの職人
で、これ何なの?
ノミが入ったと思ったら表面でくっ付いただけだし
火を近付けても溶けねえ
631:名無しの軍属
魔族の死体だろ?
632:名無しの軍属
アイスゴーレム(女神命名)
633:名無しの軍属
大きくて頑丈で溶けない氷の塊
635:名無しの職人
そんなことは分かってんだよ!
一種類なら職人をフル動員すれば何とかなるんだよ!
でも何十種類も積まれてるんだよ!
全部平行して加工法を探ってなおかつ家も建てなきゃいけねえんだよ!
誰か人手をくれよ!
636:名無しの軍属
あ、無理です^^;
637:名無しの軍属
お前らの仕事を俺らが手伝えると思うな
638:名無しの軍属
クラスの成長を信じろ
640:名無しの軍属
いつだったか「建材が足りない」ってぼやいたのが悪いんだよ
641:名無しの軍属
それを陰で聞いてた勇者様は悪くない
642:名無しの軍属
むしろそれから素材を届けるようになったから良いことしてる
643:名無しの軍属
ただ届く素材に喜んでしまったのが何よりの悪手
644:名無しの軍属
建材=魔族の死体
645:名無しの軍属
あいつらの汎用性なんなん?
646:名無しの軍属
本当に使えないならまだ良いんだよな
勇者様が破壊するだけだから
でも変に使えるところが質悪いんだよ
勇者様が持って来ちゃうから……
646:名無しの軍属
大半は調理すれば食材になるし
大半は加工すれば建材になる
欠点は金にならないことくらいか
647:名無しの軍属
人類最前線のトップ層でも四苦八苦してるから
流通しても困るだけだろっていうのが商人さんの公式見解
648:名無しの軍属
結果的に地産地消するしかない
649:名無しの軍属
勇者様が地産した膨大な量を
俺らの滞在中に何とか消費しなきゃいけない
650:名無しの軍属
死体のまま残しては行けないしな
651:名無しの軍属
正直くたばったら塵も残さず消滅してほしい
652:名無しの軍属
そう言うなよ
倒すと消える系の敵は勇者様すっげー残念な顔するから
653:名無しの軍属
勇者様「……え、食べられないの? え?」
654:名無しの軍属
二度見しないでください
655:名無しの軍属
いやでも完全消滅したとき何か落ちてないかちょっと探しますし
656:名無しの軍属
消える敵だけで構成された軍団はやばかったな
勇者様が見るからに一手ずつ立ち止まってたし
明らかに弱点だと勘違いされてた
658:名無しの軍属
素材を届けにこっちに度々戻ってくるよりも殲滅速度落ちるってどういうことなんだろう……
【細々した業務】
魔族の亡骸は溶けない氷や燃え続ける岩などがあり、そのままでは自然を破壊するので何とかして無害化する必要がある。
以前は勇者様が一人で頑張ってやっていたが、あるとき「俺たちにも任せてくれ!」と誰かが放言した結果、危険のないものを渡されるようになった。
それからは総力を投じて魔族の研究に当たって加工法を探っている。毎日がデスマーチである。
【魔族】
魔界という蠱毒環境で生き延びている超生物。
無意味なので魔人や魔物などという区別はしない。
多種多様な生態をしながらも適者生存の法則によってある程度の統一感はある。
概してアビリティシステムによる様々な耐性を獲得しており、属性の概念が無い人類には亡骸であっても太刀打ちできない。
しかし特定の魔族の亡骸を使用し、別の魔族の亡骸を加工する方法が見付かってからは難しいながらも有用な素材として活用されるようになった。