誰でも簡単に、たった1分で、プロのような芸術的な絵が描けると話題のMidjourney。
Twitterにも連日多数の作品が投稿され「神絵が描ける!」「イラストレーターの仕事が無くなる!?」など大盛り上がりです。
この記事では、Midjourneyの始め方・使い方・上手く描くコツなどを徹底解説。
また、初心者には難しく感じる英語でのキーワードの書き方、気になる商用利用の規約、注意点や困ったときの解決法もわかりやすく紹介します。
自分もカッコイイ絵を描いてみたいけれどうまく使えない...とお悩みの方も、ぜひご参考ください。
このページの目次
Midjourney(ミッドジャーニー)とは、キーワードに合った画像を自動生成してくれるサービスです。
SNSでも話題を集め、人気が高まっていますが、その凄さと人気の理由は何なのでしょうか?
Midjourneyの画像生成の仕組みは、元NASAの技術者などのメンバーが作った超高機能のAIです。
単語1つでも、文章でも何でもOKなので、描いて欲しい絵のイメージやキーワードを入力すれば、それに沿った画像をAIがすぐに作成してくれます。
詳しい使い方は後述しますが、例えば「ハワイの夕暮れ」と入れただけでこんな画像が即完成!
Midjourneyが人気なのは、まず、使い方がめちゃくちゃ簡単で誰にでもできるという点です。
また、出てくる画像がハイクオリティで芸術的なのでプロ界隈でも評判が良いです。
さらに、こちらも後述しますが、1アカウント25枚までなら無料で使えるという点も嬉しいポイント。
筆者も色々試してみましたが、25枚でかなり沢山遊べたので、次章を参考に早速使ってみましょう!
Midjourneyの始め方はとても簡単です。
登録画面も日本語なので初心者の筆者も数分で完了しました! それでは手順を見ていきましょう。
Midjourneyは、「Discord」というチャットサービス上で動くツールです。
そのため、Midjourneyをはじめるには、Discordのアカウント登録が必要となります。
<Discordとは?>
Discordそのものは、世界3億人のユーザーがいるアメリカ発の有名なチャットサービスです。
音声通話の品質が良く、チャット部屋が管理しやすいことから、ゲーマーやYoutuberの間で人気のあるサービスでしたが、近年はリモートワークでの利用も増えています。
個人情報の詳細登録は必要なく、メアドの数だけいつでも作れるので、気軽に作成できます。
すでにアカウントをお持ちの場合はMidjourneyトップ画面の「Sign In」からログインしましょう。
持っていない方は、次の手順でカンタン登録しましょう!
Midjourneyのトップ画面にアクセスし、「Join the beta」ボタンを押します。
すると、「あなたに招待がきています」という画面が立ち上がるので、必要事項を入力して招待メールを受け取ります。
利用者に知り合いがいなくても、誰でも招待を受けられるので簡単ですね。
なお、生年月日の入力を求められますが、Discord内では非公開情報ですのでご安心ください。
なお、登録画面は、次のように1ページずつ出てくる場合もありますが、入力する内容は同じです。
<登録は自分で行いましょう>
2022年8月現在、Midjourneyの爆発的ブームからか、メアドを入力して登録代行してくれるようなページが何件か存在するようです。
そのページ自体は安全なものもあるようですが、上記手順のように、自分で簡単に登録できるので、必要性がない限りは正規の登録ルートを使いましょう。
入力したメールアドレスに招待メールが届くので、リンクをクリックすれば、ログイン完了です。
以下のような画面が出れば成功です。
ログインできたら、さっそく絵を描いてもらいましょう!
ログイン直後の画面からは絵の指示は出せないので、まず「初心者部屋」に入ることが必要です。
左側、ホームの文字の下「#」の後に並ぶ名称が部屋の名前なので、下にスクロールし、「NEWCOMER ROOMS ○」にあるnewbies-○○をクリックします。
○の数字は何番を選んでもできることは同じなので、どこでもOKです。
それではいよいよ、描いて欲しい絵のキーワードを入力しましょう。
画面一番下の「newbies-○○へメッセージを送信する」の枠に以下の順で入力します。
/imagine と入力し、Enterを押す
/imagine prompt と表示されるので、prompt の後ろの四角の中に英語でキーワードを入れる
キーワードを入力し終えた状態の例は、上記のとおりです。試しに、
「flower garden,tea-time,princess,sunny,fantastic」=お花畑、お茶の時間、お姫様、晴れ、幻想的
と入れてみました。複数単語を入れる場合は ” , ” で区切りましょう。
ここでEnterを押すと、画像の生成が開始されます。
画像は数十秒~1分ほどで完成。「ピコン」と音が鳴り、進捗表示が100%になれば出来上がりです!
例のような単純な単語を入れただけでも、芸術的な絵がすぐに生成されました。
ですが、Midjourneyの真骨頂は、さらにこの先、「もっと細かく・カッコよく」する機能です。
4つの絵の下にボタンが9つ表示されるので、行いたいアクションのボタンを押しましょう。
<ボタンの意味>
U1~U4 = 指定した番号の絵を高解像度化する
V1~V4 = 指定した番号の絵と似たデザインのものを4枚生成する
更新ボタン = もう一度新しく4枚の絵を作り直す
ボタンを駆使して、イメージにあったカッコいい絵を生成してみましょう。
気に入った画像が生成されたら、右クリックで「名前を付けて保存」で保存できます。
単語1つ、2つでも、芸術的な絵を作ってくれるのがMidjourneyのすごいところです。
しかし、肝心の絵を描く指示は「英語」*なので、どうすれば良いのか迷ってしまうことも多いかと思います。
この章では、上手な絵を描くためのコツをいくつか紹介していきますので、平凡な絵しか描けない...とお悩みの方は、ぜひご参考ください。
*厳密には日本語でも指示は一応できるそうですが、精度が低くなるため英語をおすすめします
どんな単語でももちろんOKなのですが、AIが理解しやすい、Midjourney的に得意なキーワードというのがいくつか存在するようです。
そこで、SNS等で神絵を投稿している方たちが、良く使っているキーワード例をご紹介します。
カテゴリ | キーワード例 |
画像をキレイに・ハイクオリティに | ・Realistic,photorealistic(写実的に) ・8k,4k(8k,4k画質で) ・Unreal Engine(非現実的に) |
絵・画像の種類 | ・painting(絵画) ・oil painting(油絵) ・watercolor painting (水彩画) ・photograph(写真) ・pencil sketch(鉛筆画) ・sculpture(彫刻) |
絵のトーン | ・ancient(古代風の) ・futuristic(未来的な) ・realistic(リアルな) ・pop art(ポップアート風) ・manga,comic(マンガっぽく) |
画風 | ・in Studio Ghibli style(ジブリ風) ・by Vincent van Gogh(ゴッホ風) ・in ukiyo-e style(浮世絵風) |
このコツを用いて「ジブリ風の」を使って作成してみたら、それっぽい絵ができました!
「fictitious creatures,heroine,wander in the woods,hyper quality,realistic,in Studio Ghibli style」
=架空の生き物、ヒロイン、森の中をさまよう、超高品質、リアル、スタジオジブリ風
AIがより具体的に理解できるため、単語を並べるよりも(もし書けるのであれば)文章の形にしたほうが、より精度の高いものが作れるそうです。
例えば、「dog , tree , sunny」とするより、「A dog is under a tree on a sunny day」としたほうが好ましいです。
文章を作るのが難しい!という方は、Midjourney内の他のユーザーの文章を参考に単語を入れ替えるなどして作ってみましょう。
文章を用いて+キーワード例の8k(8k品質で)を使ったら、先ほどより繊細な絵ができました!
「quality8k, photo real, unreal engine,bright golden sun beams through clouds,flowering river in the far background between rolling hills and mountains, cherry blossoms and flowers on the ground in the background,angel flies」
=雲の切れ間から明るい金色の太陽の光、なだらかな丘と山々の間の遠くの背景に咲く川、背景の地面に咲く桜と花、天使が飛ぶ
ぜひ色んなパターンを試してみてください!
Midjourneyの操作はシンプルなので、一度慣れてしまえば簡単ですが、初めのころは使い方の疑問や注意点がわからず困ることもあるかと思います。
この章では、よくある疑問と解決策をまとめました。
前述のとおり、無料利用の場合は「1アカウントあたり約25枚」という枚数制限があります。
なぜ"約"かというと、作業時間などによって多少前後することがあるためと思われます。
良くある落とし穴・注意点としては、
上記全てのアクションで、その都度1枚とカウントされるので、無駄打ちに注意しましょう。
なお、残りが何枚かを知りたい場合は、「/info」と入力しEnterを2回押すとわかります。
Midjourneyには、有料プランがありますが、無料との主な違いは次のとおりです。
無料プラン | 有料プラン | |
料金 | 無料 | 月額10ドル:200枚/月 月額30ドル:枚数無制限 ※他に月額600ドルのコーポレートプランも有 |
商用利用 | 非商用利用のみ可 | 商用利用可 |
作った画像の公開範囲 | Midjourney内の全員に公開 | 非公開の個人部屋内で作業可 ※月額利用料+月20ドルの追加料金 |
随時情報がアップデートされるので、詳細は公式ページもご確認ください。
なお、非公開の個人部屋で作業された画像については、「プライベートモード下でお客様が作成したアセットを公開しないよう最善の努力をします」という書かれ方をしており、Midjourneyが100%それを活用・公開しないとは言い切れない点には注意です。
いずれにしても、商用利用を想定している方は、有料プランを選びましょう。
スマホからでもMidjourneyの招待登録・作業は可能ですが、Discordアプリのダウンロードが必須となります。
アプリの使い方はスマホ画面幅の都合上、メニューの表示が少し違って見えますが、操作はweb版とほぼ同じですので、この記事を参考に使い進めて問題ありません。
アプリのダウンロードが面倒だという方は、PCからwebブラウザ版を利用するようにしましょう。
せっかくログインできたのに、初心者部屋「NEWCOMER ROOMS 」「newbies-○○」が表示されないエラーが起きることがあるそうです。
これは、人気の高まりによるアクセス集中によって起こっているそうなので、再読み込みを行えば解決するようです。
それでも解決しない場合は、時間を置いてしばらく待ってから試してみましょう。
初心者部屋の中には、常に、1分間で数十件程の画像のリクエストが流れています。
そのため、自分がお願いした絵がどこに表示されているか、スレッドをスクロールしながら探すのは難しいです。
自分の絵がどこにあるかを探すには、右上の検索ボックスの横にある四角のアイコンをクリックし、「言及」タブを見てください。
自分宛のメッセージだけが表示されるので、そこから確認することができます。
膨大なスレッドの中に紛れていくので、自分の作った画像が「これ嫌だ」と思っても、誰かに注意深く見られる可能性は低いと思われます。
ですが、どうしてもMidjourney内から削除したい!という方は、リアクションボタンから「×」を選択すれば、管理者に削除要求を送ることができます。
Midjourney上にはSNS用シェアボタンなどはありません。
そのため、自分の作った絵をTwitterなどでシェアしたい時は「名前をつけて保存」した画像をアップロードして使いましょう。
なお、SNSでのシェアそのものはMidjourneyに許容されていますので問題ありません。
ただし、「please consider how others might view your content」と、他人への配慮への注意喚起はしていますので、見る人が不快になるような投稿は避けましょう。
Midjourneyで作成した絵は、"作成者本人の創作だけ"で作られたものではなく、作成者+MidjourneyのAIの作品なので、自作の絵を公開する際の権利関係とは少し異なります。
また、無料プランの場合は、非商用なら自由に公開できますが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに準じた取り扱いをすれば、改変・配布、他の作品への利用が可能と言及されています。
爆発的ブームの中で実際に明記している方は稀ですが、もし心配な方は「Copyright 2022 Midjourney. All rights reserved.」と書いておけば安心でしょう。
前述のとおり、商用利用したい場合は、必ず有料プランに加入する必要があります。
また、年間総収入100万ドル以上の企業の場合は、エンタープライズプランに加入する必要がありますので注意しましょう。
ベータ版ということもあり、規約は随時更新されているので最新情報は公式ページもご確認下さい。
神絵の投稿をきっかけにバズっているMidjourneyですが、先駆者や絵の上手な方々は、すでに「AIに絵を描いてもらう」段階を超え、Midjourneyを活用して新たな作品を制作し始めています。
話題となっている利用例をいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
なお、活用例が商用利用にあたる場合は、有料プランへの加入を行いましょう。
Midjourneyの画像と自身のオリジナルの絵を組み合わせた作品を作る方もいるようです。
背景に使うと映画の一場面のような素敵な作品ができますね。
背景や登場人物などにMidjourneyの画像を使い、物語と組み合わせて、漫画や小説を作り始めている方もいます。
この方たちの作品とは別ですが、物語を作成するAIも昨今登場しはじめているので、完全にAIだけで創作作品が出来てしまう日も近いのかもしれません。
他ツールと組み合わせて、立体表現に活用する方もいました。
奥行が出てくると、アニメーションや映画のような雰囲気がさらに増すようです。
商用利用等の条件さえ満たせば、企業のPR制作物などにも活用できるMidjourney。
今後、ビジネス利用を行う企業も増えてくるかもしれません。
なお、Midjourneyではないのですが、類似ソフトである日本マイクロソフトが制作した会話ボットAI「りんな」に、テキストから描かせた画像を、人気アーティストYOASOBIが主題歌アニメの背景として利用した例が既にあるそうです。
今後も様々な分野での活用が楽しみですね。
この記事では、話題の「Midjourney」について、使い方やコツをご紹介しました。
初心者でも手軽に芸術的な絵が描けて、SNSでシェアしたくなるため、今後もブームは続いていくことが予想されます。
二次活用法もどんどん生まれているので、今後の動向にも注目していきましょう!