「地磁気反転」の謎わかる? チバニアン観察施設を整備

高室杏子
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 「チバニアン」と命名された地質時代の跡を残す地磁気逆転地層(千葉県市原市田淵)について、市は今後の整備計画を公表した。昨年開設したガイダンス施設「チバニアンビジターセンター」をより充実した施設につくり替えるほか、地層を近くで観察できるよう階段を設置する。2026年度の完成を目指す。

 市によると、整備計画の対象となるのは国の天然記念物指定範囲を含む約3万8500平方メートル。見学者が通りやすいよう、現在の見学ルートよりも傾斜が緩い沢沿いにルートをつくる。

 県道のそばには広さ約1200平方メートルの駐車場を設け、隣に985平方メートルの平屋建てのガイダンス施設を新たに建てる。ルート沿いには、ガイドの説明を聞いたり休憩したりできる広場をつくり、養老川沿いの崖には、地層を間近で観察でき、崖上部も見ることができる階段を設置する。

 総事業費約15億円を見込み、21年度から全体設計に入り、23年度からの3年間を工事期間とする。

 今年は1万2千人ほどの利用者を見込んでいるが、整備後は、年間約4万2千人の利用者を目標にする。

 小出譲治市長は「この貴重な場所を将来に残していくため、しっかりと整備をする」と話した。(高室杏子)