世界で「脱中国」の流れが進んでいます。なぜなのか?どの銘柄に注目したらいいのか?ぜひ記事を読んで確認してみてください。
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成長の結果、製造の優位性に欠ける中国
中国は、製造業を中心とした産業でその豊富な安価労働力を生かし「世界の工場」として成長を遂げました。しかし、まだまだ地域差もある他、優位性が完全になくなったわけでは当然ないものの、既に中国では賃金上昇の波がやってきています。これはつまり、最たる魅力だった中国での生産メリット(=コストの低さ)が減退しており、相対的に競争力が弱くなっているということです。中国政府も当然ながらこの問題を重くみており、「生産性の向上」や「イノベーション」といったキーワードをしきりに叫んでいます。
世界で起こる「脱中国」の流れ
また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や足元でのロシア-ウクライナ問題などで若干影響が薄まっているような印象もありますが、中国は米国を中心とした各国と衝突しており、着々と経済及び安全保障といった分野で包囲網を敷かれています。例えば、バイデン政権が打ち出している「インド太平洋戦略」が挙げられます(中国に対抗すべく新経済圏「インド太平洋経済枠組み」として、労働者や環境を重視した貿易ルール作りのほか、デジタル流通、サプライチェーン(供給網)強化、インフラ整備の促進する方針)。実際、同戦略について「冷戦思考を復活させるもので、地域に分裂と動揺をもたらす」と中国は猛反発しています。また、国際通貨基金(IMF)が1月25日に公表した世界経済見通しでは、中国の2022年成長率(実質GDP)が前回発表から0.8ポイント減の4.8%と下方修正されました。包囲網がなくても、インドやASEAN諸国と比較してやや勢いは低下しています。
「国内回帰」か「ASEAN諸国へのさらなるシフト」か
こうした状況の中、新型コロナウイルスの感染が世界的に収束していけば、止まっていた「脱中国」の動きが進む可能性もあり、今回はこちらに注目しました。脱中国に伴う動きで最も望ましいのは、政府も促しているように「国内回帰」が見られることです。雇用創出等をはじめとした純粋な経済効果に加え、サプライチェーンの脆弱性も緩和される可能性があります。半導体受託生産の最大手であるTSMCがソニーグループ<6758>との合弁会社を通じて手掛ける新工場を熊本県に建設予定としていることもこの流れの一環です。ちなみに、デンソー<6902>もこれに加わると2月に報じられて話題になりました。また、1月の鉄鋼新聞でも東京製鐵<5423>の今村常務営業本部長が「日本企業で国内回帰の投資案件が増えている」とコメントされており、個人的にはやや期待感を持っているところです。もう1つ想定されるのは、ASEAN諸国へのさらなるシフトでしょう。少し前の話にはなりますが、筆者もベトナムに家族旅行で行った経験があります。もちろん発展(整備)途上の部分もありましたが、想像よりも綺麗な街並みと活気に驚き、将来的な成長可能性を感じたことを鮮明に覚えています。
この2つの方向性について、投資チャンスがあるのはASEAN諸国関連かもしれません。既に現地ビジネスの知見を蓄積していたり、企業の海外進出を支援するような事業を手掛けている企業も面白いかもしれません。一方、国内回帰は企業毎の話になるため、ややテーマとしては捉えにくい印象があります。ただし、ASEANシフトと国内回帰のいずれの方向に進んだとしても、ファクトリーオートメーション(FA)は必然的に進むことになると予想され、こちらも脱中国の動きに付随して投資機会がありそうです。個別の具体的な材料とは別に、時にはこうした「潮流」から投資を考えてみるのも一考でしょう。
日経平均動向をチェック
まず、2月28日~3月4日は、続伸からのスタート。西側諸国がロシアの一部銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済網から排除するなどの制裁を決めたことで、朝方に下落する場面もあったものの、前場中ごろには一転してプラス転換する方向感に乏しい展開。ロシア-ウクライナの停戦協議への期待もあって、3月1日の日経平均は大幅に3日続伸。ただし、2日は4日ぶりの大幅反落。ロシア軍による砲撃激化や対ロ制裁の一段の強化の可能性などから投資家心理が悪化。7年ぶりに高値を更新した原油価格の高騰による景気回復鈍化への懸念も強まり、1日の米株式市場でNYダウが大幅続落となった流れを引き継ぎました。しかし、警戒要因の1つでもあったパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言がハト派的な内容と受け止める向きもあったことで、3日の日経平均は反発しました。
続いて、3月7日~11日は、経済指標の発表も予定されていますが、停戦交渉の行方含めて、やはりロシア-ウクライナを巡る不安定な動向が最大の関心事でしょう。4日にはウクライナの原子力発電所がロシア軍の攻撃を受けて火災発生といったネガティブニュースも出てしまい、手を出しにくい状況に拍車がかかっています。
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FA関連の他、ASEANで事業展開をしている企業、海外進出支援を行っている企業の中からFISCOアナリストが選定した銘柄を10銘柄掲載。
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レポート作成元:株式会社フィスコ
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