山田 コンペー
札幌出身。ポータルサイトの企画運営を行う「ポータルサイター」として株式会社WAMICOを起業。「一億総かっこいい職業」を掲げたポータルサイト「給料BANK」など、複数のポータルサイトを運営。主な出版物に、『日本の給料&職業図鑑』シリーズ、『マンガ 日本の珍しい職業大百科』がある。
『給料BANK』というサイトをご存知でしょうか?色々な職業の給料や仕事内容などを掲載している給料ポータルサイトです。
テーマは「一億総かっこいい職業」。働く大人はかっこいい!輝いてる!というテーマで職業を擬人化して、面白かっこよく紹介しています。
▲職種一つ一つにオリジナルのイラストを掲載しています。
書籍化もされ「日本の給料&職業図鑑シリーズ(宝島社)」として25万部のベストセラーになりました。多数の雑誌やメディアにも取り上げられてます。
▲『給料BANK』の内容は書籍化され、累計で25万部を突破!
そんなサイトを運営している僕は現在37歳。ようやく会社を立ち上げて「サイト運営」で飯を食えるようになりました。でも20代のときは凄くフラフラしていて、働きたくないと思っていたり、働いたとしても「これは天職なのか?」などずっと悩んでいました。
今、20代、30代で働くことに悩んでる人が大勢いると思います。ぜひ過去の僕と同じように悩んでる方に向けて「僕みたいな人もいますよ」ということを知っていただきたいと思います。
僕の職業は「ポータルサイター」
僕自身、昔からサラリーマンになることに抵抗がありました。
大学卒業と同時に企業に入り、定年までの「43年間」毎日毎日同じ時間に起きる。そんな生活が続くと思うと、大学を卒業することが怖く感じました。
できるだけ卒業したくないと考え、休学してオーストラリアに1年間ワーキングホリデーに行ったりと、可能な限りの抵抗をしたのを覚えています。
その後、仕方なく大学を卒業したあと、役者をやったり映画監督をやったりしていたのですが、どうにも芽が出ず27歳の時に初めて企業に就職をすることになりました。そのときに選んだのが、ウェブデザインの仕事です。
「ウェブデザイン」と言えば、クリエイティブでなんかかっこいい?というイメージがあったので、これならできると思いイメージ先行で仕事を始めました。ですが、やっぱり「毎日出社」というのが嫌で嫌で仕方ありませんでした!(泣)
「仕事をしたくないときに休めない、したいときに休み」というのがどうもモチベーションが上がらなかったんです。
結局、ウェブデザイナーとしては1年半で最初の職場を辞めることになり、その後も大体の仕事は1~2年以内で転々としていました。ディレクターや企画、広告代理店、レポーター、ウェブコンサルなど、ウェブデザイナー以外にも様々な職種を経験しました。
そんな転々としている生活の中でも、自分の働きたい時間に働きたいという信念は忘れておらず、自分で稼げるようになっておこうという思いのもと、サイト運営を始めることにしました。
それから、なんとか形になりポータルサイト運営で食えるようになったのがここ2年ぐらいの話です。サイトを複数運営するようになった頃からは、自分でも「ポータルサイター」という職業を名乗るようにしました。
▲『給料BANK』ポータルサイターの平均給料・給与より
そして今、こうしてサイト運営で食べれるようになったのは『給料BANK』がヒットしたおかげなんですが、この『給料BANK』を作ることになったきっかけは、実は「自分の悩み」だったんです。
「どんな職業があって、どのくらい給料がもらえるのかわからなかった」
僕の場合、27歳の時にこれで悩みました。正直、職業としてちゃんと知っているのはウェブの仕事と営業と、あとは公務員ぐらい。
でも実際はそれぞれの職業でどのくらいの給料がもらえるのかが全くわからず、高給の仕事といえば医者?でもそれ以外にはどんなものがあるんだろうと興味を持ったのが原点でした。
そこで同じように、どんな仕事があるのかわからない人のために「仕事内容と給料がわかるサイトがあれば、将来を決めるのに役立つんじゃないのか?」というのが『給料BANK』の原点にある想いです。
また、自分がサラリーマンになったときに、子育てしながら出社してくる上司や、社内を盛り上げようとする先輩を見て、世の中ってサラリーマンで成り立ってるんだなと思い、この人たち、本当はマジでかっこいいなと密かに思ってました。
そんなことも含め、働くこと自体がかっこいいというイメージを広めることができれば、より一層仕事が楽しくなるんじゃないかと思い「一億総かっこいい職業」というテーマを選びました。
「職業なんて腐るほどあるので、辞めたところでどうにでもなる」
▲YouTuberやプロブロガー、プロゲーマーにひよこ鑑定士まで!他のサイトには無い職業が掲載されているのも大きな特徴です。
『給料BANK』では職業ごとに色々なイラストを載せていたりするのですが、これまでいただいた反響の中でも特に嬉しかったのが、
「自分の子どもに仕事を自慢できた」
「明日から仕事に対するモチベーションが変わった」
「おれの職業のイラストも早く!」
「やりたい仕事が見つかり、今の仕事を辞める決心がつきました。」
といった声です。
この『給料BANK』で色々な職業を調べていく上で気づいたのが、「職業なんて腐るほどあるので、辞めたところでどうにでもなる」ということです。
これからは仕事には困らない時代が来ると感じています。パソコン一台あれば食べられる時代です。クラウドソーシングでライターをして自宅で年収1,000万円を稼いでる人もいます。
「YouTuber」のように新しい仕事が次々と生まれることで、個人でも簡単に食べていける時代に突入しています。
仕事で悩んでる人は給料や人間関係をはじめ、色々なことで悩んでる人が多いと思います。「毎日通勤するのがいやだ。」「上司と話をしたくない。」「給料が安い。」と思うのなら、思い切って今の仕事を辞めるというのも一つの手かもしれません。
(もちろん、色々な家庭環境があるので気軽に辞めるなんて言えない人も大勢いると思いますが…。まあ辞めれない人は辞めれない責任を負っているともいえるので、それはそれでカッコいいんですけどね!)
▲『給料BANK』のイラストでは、働いてるあなたの「想い」を面白かっこいいフレーズにしています。
「しんどくなったら、いつでも辞めてやる!」くらいでちょうどいい
僕はこれまでに色々な職を経たからこそ、今の「ポータルサイター」という仕事ができていると思っています。
自分に合わないと思ったらすぐ辞めて違う行動をしたり挑戦できたりしたのが20代でした。20代、30代のうちは「違うな?」と思ったらどんどん新しいことに挑戦してほしいです。
僕自身も今の仕事、ポータルサイターをやりながらも今後違う変化を起こそうと考えています。この『給料BANK』も実はひっそりとアニメ化の話もあったりして、今後はそういったアニメ関連の仕事をすることになるかもしれません。
「一億総かっこいい職業」というテーマを掲げ、仕事で疲れ切ったサラリーマンを勇気づけるために「あなたたちはかっこいい!」とアニメで訴えるんです。どうですか?ちょっとよくないですか?(笑)今はそんなことも考えながら動いています。
常に自分も変化しないといけないと考えながら、仕事をやりたいときにやれるような環境を作る。それが僕の今の目標です。
「好きなことが見つからない」という人へ伝えたいこと
最後に伝えたいこと。
最近、好きな事が見つからないといって悩んでる人が多い気がします。そんな人に伝えたいのが、「好きなことを仕事にする」というのは決して楽ではないということです。
YouTuberとして有名なHIKAKINさんも好きなことを仕事にしていると公言していますが、実際の労働時間は毎日12時間以上、睡眠時間は3時間ぐらいとテレビで言っていました。
好きなことを仕事にするのは難しいですし、やり続けてなお、ずっと好きでい続けることもまた難しいです。
それならば、自分の得意なことを見つけて仕事にするという方が自分にとっての“適職”に出会えて、幸せになれるのではないかと思います。
世の中、こうあるべきという声も多いですが、そういう意見に耳を傾けすぎず、大らかに、柔軟に、自分のペースで考えるというのが、人生をうまく回すための秘訣なのではないかと考えています。
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