取材を通じて見えてきた!先進企業がこだわる新しい働き方「5つの視点」

取材を通じて見えてきた!先進企業がこだわる新しい働き方「5つの視点」

取材を通じて見えてきた!先進企業がこだわる新しい働き方「5つの視点」

2016年もあと残りわずかになってきましたが、何かと忙しいこの時期、皆さまどうお過ごしでしょうか?

今年も「仕事」「会社」「働き方」に関して様々なトピックがありましたね。このFledgeでも7月27日にサイトをオープンして以来、様々な企業、個人に取材を行ってきました。

その中で、一貫してテーマとして掲げてきたのが「新しい働き方」という言葉です。

その定義、時代背景については「働き方から考える、新しい人生の選択肢を読んでいただくとして、今回こちらの記事では「結局のところ『新しい働き方』って何だったの?」という素朴な疑問について、これまでに行ってきた取材を通じて見えてきた「5つの視点」をもとに、回答していきたいと思います!

先進企業がこだわる新しい働き方「5つの視点」

1.ワークとライフを分けない

実はこの考え方、Fledgeを運営している「えふなな」でも取り入れています。

「ワークライフバランス」という言葉がありますが、「ワークはワーク」「ライフはライフ」と分けるのではなく、あえてごちゃ混ぜにすることで新しい相乗効果を生み出せるはず!という信念のもとにポリシーを掲げています。


そんな考え方について、Fledge初の企業インタビューを行わせていただいたソウ・エクスペリエンス代表の西村さんはこうおっしゃっていました。

── 仕事を楽しむために“必要な要素”って何だと思いますか?

一つには「公私混同」という考え方があります。それこそ、子連れ出勤も僕の公私混同から生まれたものです。僕はもともと公私混同的な人間なので、会社に子どもを連れて来たって問題ないと何の疑問もなく思いましたし、需要があるのであればそういう制度があってもいいよねと思っていました。そういう考えが今の会社の形に繋がっているのだと思います。

遅延証明書は「社会の闇」自律と信頼に基づいたソウ・エクスペリエンス流の組織づくり より


同社が実践されている「子連れ出勤」は、まさにそういった考えのもとに生み出された取り組みといえますね!


また、CRAZY WEDDINGを運営されているCRAZYさんも同様で、同社のワークスタイルを「働くことと生きることを分けない」という言葉で表現されています。
 


2.複数の場に所属する・コミュニティを持つ

今年、働き方に関して特に大きな関心を集めたのが「副業解禁」というテーマです。

Fledgeが取材させていただいた企業の中では、「副業禁止」ならぬ「専業禁止」というポリシーを掲げている企業がありました。 


また、複業に関するイベントも多くの参加者で賑わっていたのが強く記憶に残っています。
 


さらに、他社に在籍中もしくは自社を経営中など、他の仕事を持ちながらも正社員として働けるユニークな制度『メンバーシップオプション』を導入されているという企業の事例もありました。

 
加えて「プロボノ」という社会との関わり方についても紹介しました。


この「複数の場に所属する・コミュニティを持つ」という方法は、リスクヘッジの意味でも、また新たな可能性を発掘する意味でも、今後の大きな可能性を秘めている働き方といえます。

3.意思を持って働く場所を選ぶ

以前にも増して、働く上での「場所」について考えさせられる機会が増えました。

2016年の1月より、リクルートホールディングスが雇用形態にかかわらず全ての従業員を対象に「リモートワーク」を導入したことが大きな注目を集めました。 

Fledgeでも、これまでにリモートワーク(テレワーク)について様々な記事を紹介してきました。その中でも特に印象的だったのが、物理的なオフィスを無くし「完全リモートワーク」という組織形態を採用しているソニックガーデンさんの事例。


同社では「メンバーの一人が海外で働いてみたいと言ったこと」がきっかけで、そこから試行錯誤の末にたどり着いた働き方ということでしたが、このリモートワークの定着によって働き方の可能性が大きく広がったことは間違いありません。

終日在宅で働かれているというChatWorkの小野澤さんや、家庭の理由から定期的にリモートを取り入れた人なんかもいましたね。

もちろん、職種によってできる・できないという問題はありますが、このリモートワークをうまく活用できれば、理論上、働く場所は「どこでもOK」ということになります。

それによって、各自が思い思い好きな場所でシゴトをするのもいいですが、せっかく訪れるのであれば、その訪れた土地の人の縁や繋がりを大切にしながら動きたい!そんな「旅する働き方」を実践されている企業さんもありました。


つまり、シゴトをする場所が会社なのか、自宅なのか、あるいはそれ以外の場所なのか。選択肢が増えたことで、自ずとそこを選んだ「意思」が生まれてきます。

そんな「意思を持って働く場所を決める」という意味では、その主戦場を「地方」に移された方の事例もありました。 


政府も地方創生に関しては積極的に施策を行っていますので、「地方を活性化させる」という流れについては、今後も間違いなく追い風が吹いてくることになりそうです。
 

4.遊び心を忘れない

Fledgeで様々な企業を取材する中で改めて感じたことは、猛烈にシゴトをしつつも決して悲壮感を感じるような企業は無く、むしろそれどころか「遊び心」を持ちながら、喜々として働いているというようなカルチャーを持った企業が多かったという点です。


もちろん、それは一度の取材だけで感じたのではなく、その後も人づてで耳にしたり、各企業のSNSを中心とした情報発信の中からも垣間見ることができました。

そういう意味では、Fledgeでも着物で対談を行ったり動画を作ってみたりアイディアを募集したりと、色々なことにチャレンジして来ましたが、今後はもっともっと遊び心を活かした情報発信を心掛けていきたいと思います!

5.自然体を追求する

最後に紹介したいのが、この「自然体」という考え方について。シゴトにせよ、働き方にせよ、会社にせよ、どこかで無理をしている限りは決して長続きすることはありません。

仮に無理をして一時的に成果を挙げられたとしても、その後にガクッと落ち込んでしまうのであれば、中長期的にはパフォーマンスがいいとは言えないですよね。

そういう意味では、これまで取材してきた企業さんの多くで、この「自然体」という言葉が当てはまる印象を受けました。

そして、そんな考えを組織に当てはめ、究極的なまでに最適化を進めた例がダイヤモンドメディアさんです。 

うちの会社はとにかく、できる人が、できることを、できるだけやる。・・できない人は無理すんなと(笑)

ホラクラシー組織の創り方。自走できる組織をつくるために必要な「社内データの蓄積」と「見える化」より


代表の武井さん自ら「ほったらかし」と称する独自の経営スタイルは、他の企業が真似したくてもそう安々とは真似できない、圧倒的な理論に基づいた奥深さがありました。
 

まとめ

さて、これまでに取材してきた記事を振り返りつつ、新しい働き方に関する「5つの視点」について見てきました。 

最近では、「新しい働き方」として紹介してきたこれらの内容も、すでに一定の認知度を持って広がりを見せていて、「もはや『新しい』働き方でもなくなってきているのではないか?」と考えることも少なくありません。

ただその一方で、どんな時代でも「その時々でまた新たに解決すべき問題が発生し続ける」という点は今後も変わりません。

今後も引き続き、ここで紹介した内容を凌ぐような、またそれよりも一層進化した働き方を見つけられることを楽しみにしながら、この辺で本記事を終わりにしたいと思います。

執筆:たくみこうたろう(@kotaro53