写真は低温調理済の牛レバー
とらじ亭ではホルモン料理が多いです。
元々先代達が肉よりホルモンのが好きだったからなんだと思いますが、たぶん他の焼肉屋で見たことも聞いたこともないメニューがたくさんあります。
牛レバーは牛一頭から5〜8kgくらいしかとれません。その中でもとらじ亭が刺身として提供いるのは端っこの薄いプリっとしたところだけです。
端っこと聞くとケチくさいな?と思われると思いますが、全然逆です。
レバーの厚いところはスジや血管だらけ、身も割れやすい。つまり食感も悪い。
和牛のレバーは1キロ2,500〜3,000円くらいが相場だと思いますが、ここからスジや血管を取り除き、こだわる店はなんのこだわりかわかりませんが表面の皮まで剥いちゃうそうですね。※表面の皮のプリこりってした食感がとらじ亭は美味いと思ってます。
さてさて、この牛レバーからとらじ亭が刺身として提供するのは端っこの300〜500g程度。
いわゆる角がピーン!レバーです。
ぼくは物心ついたときから生で食べてきてるのですが、今では生食は完全禁止です。
未だに焼きレバー、上レバー、塩レバーなどと称して生で提供してる店もあるかと思いますが、悪いこと言わないのでやめといたほうがいいですよ。
とらじ亭の先代達の時代では屠殺後そのまま生あったかいままのレバーを仕入れていましたが、現在は厳格な検査をするために、冷蔵されて入荷します。
しかし、誤解しないでください。鮮度がいいから生で食っていいわけじゃありません。
他の部位と違って、牛レバーは菌が内部にも潜んでいます。その菌も我々人間と同じく進化してるらしいので(保健所さんの言い分)ここは素直に言うこと聞いといた方がいいです。
かくいう私も、祖母や先代達から牛レバは体調悪い時に食べるな、子供やお年寄りには食べさせるなと言われてきました。
たぶん先代達ってもともと牛レバを生で食べる危険性を知ってたんでしょうね。
食とは不思議なもので、みんなが食べてるなら大丈夫だろうという認識になると、自分も大丈夫だろと食べます。
ぼくは未だに生で仕入れたレバをお客様用に調理する前に食べますが、35年間体調崩したことがありません。
それでも食品衛生法に則って、とらじ亭では低温調理をします。具体的には63°で30分以上中心部を加熱しなきゃいけないので、なるべくあの食感を消さないように低温で殺菌していきます。
低温殺菌後に刺身として提供するとらじ亭のレバ刺しは当日中のみ楽しめます。
ちなみに、豚レバー、鳥レバーなど生で提供されてることもありますが、祖母や先代達から絶対に生で食べるなと怒られたことがあります。
保健所さんによると、豚レバーにはE型肝炎ウィルスが、鳥レバーにはカンピロバクターがいます。
これらの食中毒は健康かそうじゃないかではないらしいですよ。当たらなかった人はたまたま運が良かっただけの話だそう。
ぼくは口伝を信じます。
なぜなら、昔の人達は食べてみて身をもって体験した悲劇の結果を話してくれてるからです。
理屈は後でつけられるものですから。
最後にもう一つ。
いま食中毒になって病院にいくと、保健所さんに通報義務があるそうです。
慣れ親しんだお店で未だにレバを生で食べている方、その方のせいでそのお店が潰れるかもしれません。
牛レバはよく焼いて食べるか、キチンと低温調理されたものを食べましょう。
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