「仕事がないから地元へ帰れない」をなくしたい。栃木県出身の私が独立するまでにやったこと ── 永井彩華

「仕事がないから地元へ帰れない」をなくしたい。栃木県出身の私が独立するまでにやったこと ── 永井彩華

「仕事がないから地元へ帰れない」をなくしたい。栃木県出身の私が独立するまでにやったこと ── 永井彩華

こんにちは。今年9月からフリーランスになりました、永井彩華です。

わたしは会社員生活を3年半送った後、現在は東京と地元の栃木県を行き来しながら働いています。学生時代には想像していなかった展開です。

なぜわたしは独立することにしたのか。地元との繋がりが何もない状態から、どんなプロセスを経てお仕事をいただくまでに至ったのかをお話ししたいと思います。

永井 彩華(あーりん)

フリーランス 栃木ゆかりのみ代表 1990年生まれ。栃木県小山市出身。大学時代は実家から早稲田大学まで片道2時間かけて通学し、5年かけてやっと卒業。会社員をしながら「栃木ゆかりのみ」というイベントを主催し、独立の準備を進める。現在はフリーランスで、栃木県に関わる仕事をいただきながら二拠点生活をしている。

地方出身者は“仕事”と“家族”、どちらかをあきめないといけないの?

栃木県出身のわたしは大学を卒業し、都内のベンチャー企業に就職するために上京しました。そこで社会人になって3日目に、早くも人生を変える気付きを得てしまうのです。それは、「地方出身者って、自分の好きな仕事をするか、地元の家族のそばに住むか。どちらかをあきらめないといけないのかな」ということです。

こう思ったとき、心の底から強烈に違和感を感じ、「わたしが何とかしないといけない!」と、思うようになりました。

やりたい仕事をするためには、地元を離れるのが当たり前。そう思って都内で就職先を決めたのですが、わたしが実家を離れるタイミングで、家族がさみしそうにしていたのが心に引っかかっていたのです。

わたしは自分の好きな仕事もしたいし、家族のそばに住みたい。どちらかを諦めるのは嫌なので、仕事が理由で地元の家族のそばで暮らすことを諦める人をなくしたいと思うようになりました。

志は高いけどノープラン。最初にやったのは「飲み会」でした

仕事がないから地元に帰れない人、そんな人をなくしたい。

そう意気込んだものの、具体的なアイディアもなければ仲間もいません。まずわたしは、栃木県に23年間住んでいたのに地元のことをよく知らないことに気が付きました。

そんな時、「ゆかりのみ」というアイディアに出会いました。それをくれたのは、地元カンパニーの児玉社長です。地元のために何かしたい、という人たちの最初のチャレンジとして、都内で同じ出身地にゆかりのある人を集めて飲み会を企画することを勧めていたのです。長野県ではすでに「信州ゆかり飲み」を何度もやっていて、栃木でやれば?とお声掛けをいただいたのでした。

1人でも来れば飲み会は成立するから、成功だ」と言われて、わたしは納得しました。もし誰も来なかったら友達1人誘って成功ということにしよう。本当に1人も来なかったら、無かったことにしよう。そんな軽い気持ちでFacebookで「栃木ゆかりのみ」のイベントページをたてました。

すると予想外なことに、既に活躍していて情報感度の高い栃木ゆかりの人たちが見つけて参加してくれたのです。結果、20人ほどの会になりました。

「こんな場がほしかった」
「同じ悩みを持っている人に出会えてうれしい」
「ぜひまたやって欲しい」


そんな声をいただいて、同じ出身地の人が集まる場が求められていることがわかりました。わたしはこの栃木ゆかりのみを継続して続けることで、本来の目的に繋げようと考えました。

▲今年8月に開催した「栃木ゆかりのみvol.12」の参加者との写真

栃木県各地に足を運び、集客。「会いに行く幹事」となる

「栃木ゆかりのみに来てください!」とSNSでただ発信しても、なかなか人は来てくれません。よく知らない人たちがやっている飲み会なんて、行きたいと思わないのが普通です。

なので、わたしは栃木ゆかりのみがご縁でできた繋がりをもとに、県内の様々な場所に足を運び、出会った人たちに、栃木ゆかり飲みの紹介や自分が将来やりたいことを話していきました。これをわたしは「会いに行く幹事作戦」と心の中で呼んでいました。

またある時には、渋谷のハチ公口の前で「栃木出身者をさがしてます」という看板を持って、イベント集客のためにビラを配りました。たくさんの人たちに素通りされるのは精神的に辛いのですが、「看板が小さすぎて見えないのかも」とか「近付きにくい理由があるのかも」など。自分たちなりに仮説をたてながら、どうしたら上手くいくかを考えて改善していくのがとても面白かったです。

その試行錯誤の過程もSNSで発信していくことによって、結果的にビラを配ったこと自体の成果よりも「楽しそうに活動している人たちがいる」という印象を持ってもらえたことがプラスに働きました


▲NHK首都圏放送で「栃木ゆかりのみ」の活動を紹介していただきました

SNSでの繋がりがキッカケで仕事をいただきました

これらの動きを会社員と並行して2年半ほど続けてきました。そして、やりたいことが多くて業務時間外だけでは足りなくなったのと、個人でお仕事をいただける見込みがある程度立ったため独立を決めました。

現在は「仕事がないから地元に帰れない」をなくすために、地元に帰りたい人を地元に帰すような仕組みづくりをしたいと考えていて、それに共感してくださる方々からお仕事をいただいています。

例えば、栃木県の移住促進事業をPRするためのライターチームの立ち上げさせていただいたり。

宇都宮大学のCOC+(Center of Community)の授業の一環で、大学生が地域でキャリアを考えるための授業のゲスト講師のお仕事をいただいたり、これまでの活動を紹介させていただくためにイベントに登壇させていただくことも増えました。

SNSを通じて、栃木ゆかりのみの活動だけではなく、今後自分がやりたいことや、できることを発信していった結果お仕事に繋がっていきました。

▲イベントに登壇し、栃木ゆかりのみの紹介をさせていただきました

地元に帰る準備として、週末に小さなアクションを起こしてみませんか?

メディアで紹介される「地元に帰った人」は独立したり、特別なスキルを持っていたりする人が多いです。でも当然ですが、全ての人がそうである必要はありません。

各地をまわっていると、地域にはいろいろなことを仕掛けようとしている人がたくさんいて、仲間を求めているということがわかりました。

「地元にいつか帰りたい」「地元に関わりたい」と思っている人は、そんな仕掛け人を見つけて、まずは週末その活動に参加するだけで開ける道があります。自分ではまだまだだと思っているスキルも、地元に帰ると希少価値が高くなるということもよくあります

わたし自身も、飲み会を企画するというアクションをきっかけに「次どうしたらいいだろう」と考えて週末に小さく積み上げてきたことで、思い描いていた状況のスタートラインに立つことができましたわたしも例にもれず、仲間を探しています。

地元に帰りたいけれど、仕事がネックになって帰れない。それを何とかしたい。そんな方は、ぜひ1つ目のアクションとして、仕掛け人を探して問合せてみたらいかがでしょうか。

また、1人集まれば成功、という究極にハードルの低い「〇〇ゆかりのみ」に挑戦してみるのもおすすめです。ぜひ試してみてください。

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