日本テレビが〝奇襲〟に出た。8月30日に放送された日テレ系ドキュメントバラエティー番組「ザ!世界仰天ニュース」2時間スペシャルで、予告なく世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の実態を取り上げたのだ。日テレの闘志は衰えておらず、ファイティングポーズを取り続けている。

 それは突然だった。タレントの笑福亭鶴瓶中居正広がMCを務める「仰天――」の公式ツイッターは30日の2時間スペシャル放送直前、「宗教にのめり込んだ女性に起きた悲劇… 勧誘と資金集めの真実に迫る!」などと番組内容を告知。「宗教」の団体名は明示しなかったが、いざ始まった放送で取り上げられたのは何を隠そう旧統一教会だった。17歳の女子高生が教団に入信し、家庭が崩壊したことを再現VTRで生々しく伝えた。

 日テレ系では「ミヤネ屋」が旧統一教会を厳しく批判しており、これに「仰天――」も加勢。ネットユーザーも即座に反応し「日テレの対決姿勢いいねー」と同局の姿勢を評価する意見や、「中居や鶴瓶は大丈夫なのかコレ」と人気タレントがMCのバラエティー番組で特集したことを心配する意見が相次いだ。

 日テレと旧統一教会の緊張が一気に高まったのは、8月25日。各マスコミとの関係を過去にさかのぼって調べたという旧統一教会が、日テレとの関係を発表。女性信者が過去7年間、「24時間テレビ」にボランティアスタッフとして参加し、中心的な立場だったと主張した。

 日テレは即座に対応。翌26日に「参加される方の個人的な思想・信条について確認することはいたしません」と釈明の声明を発表した。