31日、岸田総理が会見を開き、9月27日に行われる安倍元総理の国葬に言及した。また、記者から出た「今後国葬は客観的な基準を設けるか?」の質問には「そのときの政府が総合的に判断し、決定するのがあるべき姿だ」と、基準の策定に否定的な考えを示した。
【映像】自民党議員に配られた旧統一教会に関する「アンケート用紙」(画像あり)※17:40ごろ〜
野党などから「判断の基準が明確ではない」などと批判が出ている安倍元総理の国葬。会見では、警備費用も含めた国葬の総額について「外国要人の数など、具体的なものが確定してからでないと示すことができない」とコメント。「できるだけ早く示すよう努力する」と述べるにとどまった。
現場を取材するテレビ朝日・政治部の原慎太郎記者は「会見のポイントは大きく分けて3つあった」と話す。
「安倍元総理の国葬、新型コロナ対策、そして旧統一教会です。国葬については、根拠を説明し、国会に自ら出席することを表明。新型コロナでは、水際対策の緩和とオミクロン株対応ワクチンの接種前倒しを表明しました。また、旧統一教会に関しては自民党として『関係を絶つ』と宣言しています」(以下、原記者)
今回、安倍元総理の国葬を会見の場で説明するに至った背景について、原記者は「世論の変化が大きい」という。
「国葬を決めた当初は世論も『当然だよね』という空気感がありました。ところが、その後、自民党と旧統一教会の関係に批判があり、国葬反対への声は日に日に大きくなっているように思います。ここまで大きくなるとは岸田総理も予想していなかったようで『国葬を決めたのは自分だから、自分で丁寧に説明したい』といったことが背景にあったのでしょう。野党側からも『総理が前に出て説明すべきだ』といった声があったので、それに答えた形です」
今後、引き続き野党から開催の意義や費用に関して厳しい声が予想されるが、国民が納得できるような説明はできるのだろうか。
「実際に閉会中審査を聞かないとなんとも言えませんが、基本的にはこれまでと同じ説明を繰り返していくものとみられます。例えば、法的根拠や実施の根拠など、これらは実質的には決められていません。今日の会見でも、国葬は『そのときの政府が総合的に判断し、決定するのがあるべき姿だ』と強調していました。野党が事前に明らかにするよう警備や海外要人の接遇費用ですが『予め示すのが難しい。規定の予算で対応する』と答えています。岸田総理もこれ以上説明のしようがないことはわかっていて、その上で『何度でも説明する』といった考えを示しています。同じ説明を繰り返して乗り切る、いわば“壊れたスピーカー”作戦とも言えます。一方で『国民の理解を得られるように』という言葉もあり、閉会中審査で出る岸田総理から新しいコメントが出るかどうかにも期待したいです」
会見では最後、旧統一教会についても説明があった。「自民党として関係を絶つ」と宣言した背景はどのようなものがあったのだろうか。
「会見冒頭でお詫びをして、頭を下げるシーンがありました。これまでも過去のことを挙げればキリがありませんから、これから関係を絶つ意思表示をして、国民の理解を得たいのでしょう。自民党議員には旧統一教会との関係に関するアンケートが配られていますが、今後関係断絶をどこまでできるかが鍵になると思います」
(ABEMA NEWS)


