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ぶりしゃぶレシピ

知ったかぶりしゃぶ1:しゃぶしゃぶから「ぶりしゃぶ」へ
しゃぶしゃぶ」は第二次大戦後の昭和20年代に、大阪で始まったといわれています。

しゃぶしゃぶという名称は、昭和30年に大阪の「スエヒロ」によって商標登録されているそうです。

しかし当時スエヒロの社長はどの店でも「しゃぶしゃぶ」という語を使えるよう、「肉のしゃぶしゃぶ」と商標登録したそうですね。

もともとは、中国の鍋料理のシェワンヤンロウ、あるいはモンゴル料理のサンヤンロウ辺りがオリジナルのようです。
どちらも羊肉を屋外で凍らせ、薄くスライスして、煮立った湯で湯振りし、タレで食するものです。

日本のしゃぶしゃぶは羊肉を牛肉にかえたものです。
湯を通して肉の脂を洗い落とすという、よりおいしく食べるための知恵でもあるのでしょう。

さらに、牛肉ではなく 脂の乗った寒ブリでのしゃぶしゃぶが「ぶりしゃぶ」となるのです。

ですから、ぶりしゃぶ はきわめて最近の料理でありルールといったものはございません。

薄くスライスした、新鮮なブリと野菜が材料。
これを煮え立った昆布の出汁の中で、すすぐようにして火を通しポン酢、ポンズ醤油、あるいは胡麻ダレなどをつけて食べる、というのが一般的ですね。
薬味は刻み葱や紅葉おろしといったところでしょうか。

鰤(ブリ)の火の通し方ですが、これはお好みでよろしいでしょう。
刺身で食べられるぶりを使うわけですから、火を通し過ぎないほうがよろしいかと思います。
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知ったかぶりしゃぶ2:天然ぶり? 養殖ぶり?
ぶりしゃぶ に使うブリのお話です。

養殖のはまちやブリでもいいのかと訊かれますと
"かまいませんが、お味は断然 天然 のものが勝ります"と、お答えしています。

寒ブリ といわれますように厳寒期の天然ブリはことのほか旨くなるものです。
脂がのった寒ブリ刺身の旨さは格別です。醤油をはじくほどの脂があってもしつこいという感じは受けません。

これが養殖物となるとそうは行きません。

ブリの照り焼きなどは寧ろ養殖のもののほうが、お若い方は好みであるようです。
さる雑誌の目隠しテストでは、ぶりの照り焼きは天然モノより養殖のほうが旨いと答えた数が多い結果となっていました。

エサの臭いが身につきやすいといわれる養殖魚ですが、ブリの場合はあまりそれを感じません。
しかし、「ぶりしゃぶ」においては天然のものの旨さは格段に違います。
金額を考えるとおいそれと手を出すわけには参りませんが。
ハレの日には天然ぶりで「ぶりしゃぶ」をお愉しみください。

天然の寒ぶりは大型のものほど旨いとされ、10kgほどのものとなりますと味も価格も跳ね上がります。
時期にもよりますが、市場での天然ブリの価格は養殖ブリの5倍以上になることさえあります。
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知ったかぶりしゃぶ3:天然ぶり? 養殖ぶり? その2
ぶりしゃぶ の主材料である ぶりに関するお話をもう少し続けましょう。

鰤はアジ科の沿岸性回遊魚で、代表的な出世魚である事はご存知ですね。
その呼び名の移りは
関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西ではモジャコ→ワカシ→ツバス→ハマチ→メジロブリ
富山ではコズクラ(ツバイソ)→フクラギ→ハマチ→ガンド→ブリ と
つづくのが一般的のようです。

本来のブリは体長70cm以上で5〜6kg以上のものを言うのですが、養殖ブリとして出荷されるされるものは40cmぐらいの大きさからです。
つまりハマチと大きさとしては大差ないのです。

それで養殖ブリをハマチと呼ぶようになり、いまやハマチとは養殖モノをさす事となったのです。
この養殖魚は魚体は小さくても、脂だけはブリ並みにこってり乗っているのです。
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知ったかぶりしゃぶ4:ぶりしゃぶ・富山湾の鰤(ブリ)
天然ぶり? 養殖ぶり? その2」の項でも書きましたが、富山での呼び名は一般的に以下のように変わってまいります。

コズクラ(ツバイソ)→フクラギ→ハマチ→ガンド→ブリ

「ぶりしゃぶ」としておいしくいただけるのはハマチ、ガンドの辺りからでしょう。
漁港や地域によっては一番小さいのが「ピンピン」。
中間に「ニマイズル」や「アオブリ」あるいは「サンカ」等という呼び名が入ることもあります。
まだまだ沢山の名があることでしょう。

こうして、調べておりますと、地域によって様々に呼び名が異なる出世魚のブリなのですが、成魚の最後の名は大体どこでも「ブリ」なのです。
(ボラの成魚はトド。諺「とどのつまり」はここから来ているというお話はこちらで。)

富山湾のブリ漁は、室町時代後期からの歴史があるそうです。
「ブリおこし」という語をお聞きになったことございましょう。

11月下旬から2月ごろにかけての富山湾沿岸は大荒れの暴風雨に見舞われることが多くなります。雷鳴が伴う大シケです。
これを「ブリおこし」と呼び、このときブリの大群が富山湾に逃げ込んでまいります。
それらのブリは定置網で捕獲され氷見港などに水揚げされるのです。
そのブリで造る ブリしゃぶ が天下一品の ぶりしゃぶとなるというわけです。 

ところで、食文化の話となりますと、味覚の境界線としていつも出てくるのがフォッサマグナ(活断層線)と一致するという説。
つまり新潟糸魚川から静岡にかけての西側では正月の祝い魚は塩ブリ。
東側では塩サケだというのです。

かつては富山湾で獲れたブリは塩ブリに加工され、 糸魚川や飛騨高山を経由して、信州の山里にまで運ばれていました。
「ブリ街道」 という語が示すように、ブリは 富山の海沿いから信州の山間の地に至るまで、 それぞれの食文化に深く根ざしていたのでしょう。

富山にはまだ 「つけ届け」 の風習は、 残っているのでしょうか。
娘が嫁入りした年の暮れには嫁の実家から嫁ぎ先にブリを贈るという慣わしです。
嫁いだ娘への思いやりと、娘婿への出世の願いを出世魚ブリにあやかり託したのでありましょう。
いまどきのお嫁さんは「ぶりしゃぶ」をレパートリーになさっているのでしょうね。
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知ったかぶりしゃぶ5:ぶりしゃぶのTVコマーシャル始まる
■「ぶりしゃぶ」のコマーシャルの情報を聞きつけてきましたので一応お知らせしておきます。
●2007年11月17日(土)から12月下旬までのTV放映
●ストーリー:
コマーシャルなのですがストーリーがあるようです。いくつかあるのかもしれませんが、「富山のぶり」篇 は以下。
佐藤浩市、扮する主人公が故郷・富山に帰省し同窓会に出席する。旧友たちと盛り上がっている最中に恩師が富山名物の「ぶりしゃぶ」とともに登場。
鍋奉行を司る恩師の掛け声「しゃぶ、しゃぶ、ポン!」で、「キリン一番搾り生ビール」ととにぶりしゃぶをたのしむという仕立て。
●このCMが放映されると、今年は全国で ぶりしゃぶ が流行ることになるのかな。
●参考:http://www.kirin.co.jp/company/news/2007/1031c_01.html

このTVコマーシャルによってぶりしゃぶの旨さが知れ渡るといいなと思っています。
といいますかぶりしゃぶを通じて鰤本来の旨さをという事です。

現在出回っています「ブリ」は養殖ものが殆どです。
それを否定するという事のではないとは、【天然ぶり? 養殖ぶり?】にも書きました。
でありますがこのままではブリ本来の味を知ることが叶わなくなってしまいます。
金額などを考えますと簡単に富山の天然ブリをお薦めするわけには参りませんが、ぶりしゃぶの流行りを通じて天然魚本来の滋味深い味わいを堪能していただきたいと思うのであります。

魚に脂が乗っているということは、決してギトギトと脂ぎったものではなく、奥深い味わいがあるものなのです。
ぶりしゃぶとて不自然な脂を落とすがために湯振りするのではなく、刺身とは違う、軽く熱を通したもうひとつの味を愉しむ調理法であるべきでありましょう。
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