更新日:2022年8月16日
賃貸不動産経営管理士に『独学』で挑戦する場合に一番悩むのが、テキスト・参考書や問題集・過去問だと思います。
そこで、賃貸不動産経営管理士の合格者の管理人が、独学におすすめのテキスト・問題集を徹底的に比較し、ランキング形式でご紹介しますので、是非参考にしてください!
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テキストの選び方
まずはじめに、賃貸不動産経営管理士のテキストの選び方からご紹介したいと思います。
公式テキスト・その他市販テキストの違い
賃貸不動産経営管理士のテキストには、公式テキストとその他の市販テキストが存在しますので、まずは、それぞれの違いをザックリとご紹介します。
公式テキスト
公式テキストというのは、試験実施機関である「一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会」が、試験の学習用教材として出版している『賃貸不動産管理の知識と実務』(大成出版社)というテキストです。
この公式テキストは、1,000ページを超える分厚さで、独学で読み進めることは、なかなか厳しいテキストになっています。
私も購入し、手に取ってみましたが、やはり分厚くて、重い。。。
印刷は、黒と赤系の2色刷りになっているため、思ったほど読みにくくはありませんが、これだけの分量を、ただただ読み進めるというのは、かなり難しいと思います。
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。賃貸不動産管理の知識と実務(令和4(2022)年度版) 著者: 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会 出版社: 大成出版社 発売日: 2022/4/7 ページ数: 1066ページ サイズ: 14.8 x 3.9 x 21 cm 価格: 4,048円 |
その他市販テキスト
その一方で、市販テキストは、おおむね500ページ以内に収まっており、さらに、テキストだけでなく、問題集まで1冊に盛り込んだうえで500ページ以内に収めているものまで出版されています。
2019年頃までは、このような「テキスト&問題集」のタイプが賃貸不動産経営管理士のテキストの主流でしたが、国家資格化による試験の難化に伴い、「テキスト&問題集」のタイプだけでは対応がやや困難になってきました。
そこで、当ページでは、「テキスト&問題集」の1冊だけで効率的に合格できるものだけでなく、「テキストと問題集がそれぞれ独立したもの」も含めて、おすすめテキストをご紹介していきたいと思います。
なお、当初は、公式テキスト以外には市販テキストはほとんど出版されていませんでしたが、賃貸住宅管理業者登録制度の創設や国家資格化に向けた受験者数の急増に伴い、各社からテキストが相次いで出版されるようになりました。
2016年度に日建学院が、2018年度にはユーキャン、そして2019年度にはLEC・TACからも出版されるに至り、主要な出版社が出揃ってきた感があります。
公式テキストと市販テキストの関係性
こういった市販テキストというのは、基本的には、大成出版社が出版している「賃貸不動産管理の知識と実務」をベースに、受験対策の参考書として、重要ポイントに絞ってわかりやすく解説したものになっています。
例えるなら、学校の教科書と予備校の参考書のような関係ですね。
- 公式テキスト⇒ 学校の教科書
- 市販テキスト⇒ 予備校の参考書
テキスト選びのポイント
ということで、その他の市販テキストの選び方についてですが、賃貸不動産経営管理士試験に独学で合格しようとする場合、テキスト選びはとても重要です。
この試験のテキストが各社から出版されるようになってからまだ年数が浅いこともあり、各社とも様々なアプローチがとられているところです。
その中で、私がおすすめテキストをご紹介するうえで重視しているポイントは、「①適度な絞り込みと網羅性とのバランス」と「②メリハリの利いた構成」です。
ポイント①:絞り込みと網羅性のバランス
一つ目のポイント「適度な絞り込みと網羅性とのバランス」は、1,000ページを超える公式テキストの内容から、いかに試験に出題される部分に絞り込みをかけ、かつ、必要な知識の抜け漏れがないように網羅性を確保するか、という点です。
受験対策テキストというものは、可能な限りコンパクトにすることが求められます。公式テキストと同じボリュームで書かれていては、そもそも存在価値がありませんよね。
ただし、削りすぎて試験問題が解けなくなっては意味がありません。ですから、絞り込みと網羅性のバランスが取れているテキストが、優れたテキストということになります。
ポイント②:メリハリの利いた構成
そして二つ目のポイントは「メリハリの利いた構成」です。
これは、何を理解して、何を暗記すればよいのか、しっかりとメリハリをつけて記述がなされているか、という点です。
また、図表で整理したり、イラストを使うなどして理解を助ける工夫がなされているか、という点も含んでいます。
ということで、当ページでは、この2点に重点を置いて、おススメのテキストをご紹介していきたいと思います。
- 適度な絞り込みと網羅性とのバランス
- メリハリの利いた構成
賃貸不動産経営管理士の独学におすすめのテキスト・問題集
2022年度版テキストは、4月~6月にかけて発売されます。
- (公式テキスト)賃貸不動産管理の知識と実務
:4/7発売済み
- (TAC)みんなが欲しかった!
:5/18発売済み
- (LEC)合格のトリセツ
:6/6発売済み
- (日建学院)基本テキスト
:6/22発売済み
- (U-CAN)速習テキスト
:6/24発売済み
それでは、公式テキスト以外で市販されているテキストについて、私自身も実際に購入して中身を確認したうえで、以下、おすすめ順にランキング形式でご紹介していきたいと思います。
No.1:TAC「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書(2022年)」
賃貸不動産経営管理士のテキストとして一番のおススメは、宅建や行政書士などのテキストでもベストセラーを連発しているTACの「みんなが欲しかった!」シリーズ「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書」です。
テキスト「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書」
みんなが欲しかった! 賃貸不動産経営管理士の教科書(2022年) 著者: TAC賃貸不動産経営管理士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2022/5/18 ページ数: 364ページ サイズ: 14.8 x 1.9 x 21 cm 価格: 2,640円 |
創刊された2019年は、8月という試験ギリギリの時期に市場に投入されましたが、翌年2020年は余裕をもって5月に出版されました。(2021年度は、試験制度改正に伴い、また8月にズレ込みましたが、2022年度はしっかりと5月に出版されましたね。)
このテキストは、なんとフルカラー印刷です!
このため、とても読みやすいですし、解説は端的でコンパクト、そして、図解やイラストが豊富で、図表を使った整理もとてもわかりやすいです。
出典:Amazon
また、「みんなが欲しかった!」シリーズの宅建や行政書士などのテキストでは評価が分かれていた「板書形式」が採用されていませんので、その点も私にとっては好印象ですね。(板書形式というのは、黒板にチョークで書いたようなフォントで重要事項を整理し、そこに注釈を入れていくという形式)
なお、要所要所で一問一答式で過去問が掲載されており、知識を確認しながら進められるようになっています。
ボリュームも、No.3でご紹介している日建学院のテキストと比べ、コンパクトになっていますので、途中で挫折することなく、サクサク読み進めることができると思います。なおかつ、合格に必要な知識もしっかり盛り込まれています。
とにかく、さすが「みんなが欲しかった!」シリーズ!だと思いますね。この読みやすいテキストでインプット学習をした後は、同シリーズの過去問「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の過去問題集」を使って問題演習をすれば、十分に合格知識が身につくはずです。
過去問題集「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の過去問題集」
みんなが欲しかった! 賃貸不動産経営管理士の過去問題集(2022年) 著者: TAC賃貸不動産経営管理士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2022/5/18 ページ数: 648ページ サイズ: 14.8 x 2.6 x 21 cm 価格: 2,200円 |
「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の過去問題集」は、過去7年分の本試験問題を分野別・テーマ別に収録した問題集になっています。印刷は赤系の2色刷りです。
各問題には、重要度に応じてA~Cにランク分けされているほか、「教科書」のどこに載っているかChapter・Section番号が掲載されていますので、解説を読んで疑問を生じた場合や周辺知識を確認したい場合には、すぐに教科書に戻って確認することができますね。
また、解説は、単にその解答に対する解説を記載するだけでなく、関連知識を図表で整理してくれていますので、学習効率も高まりそうです。
そして、この問題集で特に優れているところは、過去に出題されたことのない「スキマ論点」について、オリジナルの一問一答式の問題を収録してくれているという点です。
これはとても有難いですね。過去に出題された実績はないものの、重要な知識というのは山ほどありますが、その論点については問題演習ができない、つまり、テキストを読むだけで記憶しておかないといけない知識ということになってしまいます。
ところが、このオリジナルの一問一答があれば、問題演習のなかで知識を頭に入れることができるわけですから、とても効果的なものだと思います。
みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書(TAC)
- テキストと問題集は別々に出版
- フルカラー印刷で読みやすい
- コンパクトな解説
- 図解やイラストが豊富 、図表を使った整理も豊富
- 問題集は、過去7年+オリジナル一問一答も多数
- おすすめナンバーワン!
No.2:U-CAN「ユーキャンの賃貸不動産経営管理士 速習テキスト&問題集(2022年版)」
次にご紹介するのは、「ユーキャンの賃貸不動産経営管理士 速習テキスト&問題集」です(初版は2018年版)。
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。ユーキャンの賃貸不動産経営管理士 速習テキスト&問題集(2022年版) 著者: ユーキャン賃貸不動産経営管理士試験研究会 出版社: U-CAN 発売日: 2022/6/24 ページ数: 524ページ 価格: 3,080円 |
このテキストは、テキストと問題集が一体化した「テキスト&問題集」のタイプになります。ネット等の口コミでも評判の良いテキストで、当ページでも、2019年度まではおススメNo.1のテキストとしてご紹介していました。
しかし、この1冊だけでは、やはり問題演習量が不足することから、おススメNo.2でご紹介することに変更しました。
印刷は、黒と赤系の2色刷りで、赤シートが付属しており、重要語句を穴埋めでチェックできるようになっているほか、問題の答えも隠せるようになっています。
出典:Amazon
このテキストの特徴は、1日1レッスンで、合計35日で学習が完成するように構成されており、総ページ数は524ページですので、1日15ページずつ読み進めていけばよい計算になります。
本文の構成としては、各レッスンごとに、10問程度の一問一答形式の「〇×確認テスト」と、各章末には、2問程度の「実力チェック問題(四肢択一)」が掲載されています。
出典:Amazon
この〇×確認テストは、上の写真のとおり、1ページの中にギュッと収められていて、とてもコンパクトに、かさばらないようになっています。
収録問題数は、一問一答は約300問、実力チェック問題は約30問掲載されています。
また、巻末に予想模擬試験も1回分(50問)付いていますので、まさにオールインワンのテキスト&問題集といえますね。
なお、各ページの欄外余白には、「用語解説」や「プラスワン知識」なども記載されています。
このテキストは、正統派テキストの部類に入りますが、下記でご紹介している日建学院に比べるとコンパクトですし、上記のみんなが欲しかった!に比べると詳しい記述ですし、ちょうどその中間といった位置づけかと思います。
この1冊には、合格するために必要な内容が盛り込まれており、これ1冊をしっかりと学習すれば、十分に合格することは可能です。
ただし、別途問題集を使って問題演習するのに比べると、やはり問題演習は不足しますので、テキスト学習の知識のみで解かざるを得ない出題も出てきてしまいます。このため、勉強期間が十分確保できる場合は、上記の「みんなが欲しかった!」のシリーズで学習することをおススメしたいと思います。
ちなみに、このユーキャンのテキスト&問題集だけでも合格できることについては、下記の記事で検証済みですので、興味のある方は、ご覧ください。
ユーキャンのテキストだけで本当に合格できるか、本試験問題を使って実際に検証しました!⇒ユーキャンの賃貸不動産経営管理士テキスト【これ1冊で合格できるか徹底検証!】 |
ユーキャンの賃貸不動産経営管理士 速習テキスト&問題集(U-CAN)
- テキストと問題集の一体型
- 2色刷り(赤系)
- 35日完成をうたい、これ1冊で、テキスト+一問一答+4肢択一+模擬試験までオールインワン!
- 正統派テキスト(「日建学院」よりコンパクト、「みん欲し」より詳しい)
- ただし、問題演習は不足するため、勉強時間を確保できない場合に限りおススメ
- これ1冊で合格できるか検証した結果、合格できることを検証済み
No.3:日建学院「賃貸不動産経営管理士 基本テキスト(2022年度版)」
次にご紹介するのは、日建学院(建築資料研究社は日建学院が運営する会社です。)の「賃貸不動産経営管理士 基本テキスト」です。印刷は赤系の2色刷りです。
テキスト「賃貸不動産経営管理士 基本テキスト」
賃貸不動産経営管理士 基本テキスト(2022年度版) 著者: 賃貸不動産経営管理士資格研究会 出版社: 建築資料研究社 発売日: 2022/6/22 ページ数: 444ページ サイズ: 14.8 x 1.9 x 21 cm 価格: 3,080円 |
このテキストは、私が把握している限りでは、賃貸不動産経営管理士の市販テキストとして、一番最初に出版されたものかと思います。
おそらく平成28年版(2016年版)が初版で、当初は「賃貸不動産経営管理士 試験対策テキスト」という名称でしたが、2019年版から「賃貸不動産経営管理士 基本テキスト」に改題されました。
このテキストは、かなり詳しくて真面目な正統派のテキストです。テキストのみにもかかわらず、ページ数は500ページ近くありますので、当ページでご紹介しているどのテキストよりも詳しい解説が掲載されていることがわかります。
出典:Amazon
私自身、2019年度の賃貸不動産経営管理士試験に向けた受験勉強の際に、調べものに便利かと思い、このテキストも念のため購入していましたが、実際のところ、調べものをするのであれば、公式テキストを使った方がいいですので、特にこのテキストは使いませんでした。
やはり、これほどまでの詳しい解説書をイチから読んでいく必要性はないかと思いますので、上記でご紹介したような、独学者向けにわかりやすく解説してくれているテキストの方が効率的に学習できると思います。
ただし、念には念を入れて、確実に余裕をもって合格を目指すなら、このテキストを選択するのも、ありだと思います。
過去問題集「賃貸不動産経営管理士 過去問」
賃貸不動産経営管理士 過去問題集(2022年度版) 著者: 賃貸不動産経営管理士資格研究会 出版社: 建築資料研究社 発売日: 2022/6/8 ページ数: 536ページ サイズ: 14.8 x 2.3 x 21 cm 価格: 2,640円 |
上記テキストに対応した問題集「賃貸不動産経営管理士 過去問題集」は、過去7年分の本試験問題から厳選し、分野別に収録した過去問題集です。また、新分野の「賃貸住宅管理業法」に関しては、オリジナルの予想問題も収録されています。
各問題には、出題ランクとして4段階にランク分けされているほか、解説には、基本テキストの参照箇所(章項番号)が明記されていますので、問題を解きながら、すばやく基本テキストを確認することができます。
また、「得点源」という枠囲みで、関連知識が整理してありますので、効率よく学習することが可能になっています。
賃貸不動産経営管理士 基本テキスト(日建学院)
- テキストと問題集は別々に出版
- 2色刷り(赤系)
- 詳しくて真面目な正統派のテキスト
- 問題集は、過去7年分+オリジナル問題
- 余裕をもって合格を目指したい場合におススメ
No.4:LEC「賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答(2022年版)」
次にご紹介するのは、LECの「賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答」です。
テキスト「賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答」
賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答(2022年版) 著者: 友次 正浩 (著), 東京リーガルマインド LEC総合研究所 賃貸不動産経営管理士試験部 (著, 編集) 出版社: 東京リーガルマインド 発売日: 2022/6/6 ページ数: 362ページ サイズ: 14.8 x 2.3 x 21 cm 価格: 2,420円 |
2019年に「出る順 賃貸不動産経営管理士 完全攻略ブック」として初版が出版されましたが、2020年版から「合格のトリセツシリーズ」としてリニューアルされました。
2019年版の「出る順」では、1冊に「テキスト&一問一答&予想問題集」を盛り込んでいましたが、2020年版以降は、「テキスト&一問一答」で1冊、そして「過去問題集」を別冊で出版するという形になっています。
それでは、「テキスト&一問一答」についてレビューしたいと思います。
出典:Amazon
印刷は、黒と赤系の2色刷りになっています。(2019年版では、重要語句を付属の赤シートで目隠しできるようになっていましたが、2020年版以降は赤シートの対応はなくなっています。)
そして、イラストや図表が豊富に使用されており、わかりやすい本文になっていますね。”合格のトリセツ”らしさが出ています。
全体の構成は、第1編から第5編までで構成されており、各編ごとにテキスト部分と一問一答部分とに分かれています。
①テキスト部分は、約250ページ ②一問一答部分は、約90ページという配分で、テキスト部分のページ数が格段に少ない構成になっていますので、正直なところ、さすがにこれだけで本試験に対応するのは難しいのではないか、、という気がしてしまいます。
おそらく、LECの狙いとしては、別途、過去問題集を解きながら知識を増やしていこうという戦略なのかと思います。
長年の受験指導のノウハウが蓄積されたLECが出版しているのですから、これがベストな学習方法という考えなのでしょう。しかし、、、上記でご紹介したテキストで十分に合格できることがわかっている現状では、私としては、このLECのテキストをおススメする勇気はありません。。
過去問題集「賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ 過去問題集」
賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ 過去問題集(2022年版) 著者: 東京リーガルマインド LEC総合研究所 賃貸不動産経営管理士試験部 出版社: 東京リーガルマインド 発売日: 2022/6/6 ページ数: 516ページ サイズ: 14.8 x 2.7 x 21 cm 価格: 1,980円 |
上記テキストに対応した問題集「賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ 過去問題集」は、過去7年分の本試験問題を分野別に収録した過去問題集になっています。
各問題には、重要度が3段階にランク分けされているほか、解説の重要語句と答えは赤シートで隠せるようになっています。
賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答(LEC)
- テキストと問題集の一体型だが、別途、問題集も出版
- テキスト部分は、「ユーキャン」や「みん欲し」に比べて格段に少ない
- 問題集が別途あるにしても、このテキストではさすがに対応できないのでは。
No.5:成美堂出版「1回で合格!賃貸不動産経営管理士 テキスト&問題集(2022年版)」
次にご紹介するのは、成美堂出版の「1回で合格!賃貸不動産経営管理士 テキスト&問題集」です。(初版は2019年版)
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。1回で合格!賃貸不動産経営管理士 テキスト&問題集(2022年版) 著者: コンデックス情報研究所 出版社: 成美堂出版 発売日: 2022/5/12 ページ数: 511ページ サイズ: 15 x 2.6 x 21.1 cm 価格: 2,640円 |
このテキストは、基本的には、ユーキャンのテキストと類似した構成になっています。印刷は、黒と赤系の2色刷りで、赤シートが付属しており、問題の答えや重要ポイントなどが隠せるようになっています。
そして、本文の構成としては、各節ごとに5問程度の「一問一答で確認しよう!」の〇×問題と、1~2問程度の「過去問を確認しよう!」(四肢択一)と、1問程度の「予想問題にチャレンジ」(四肢択一)が掲載されています。
その他、以下のような特徴があり、随所に工夫が散りばめられています。
- 欄外余白に「用語解説」や「プラスアルファ知識」が記載
- 図やイラストが豊富
- よく出題される箇所にアンダーラインが引かれており、欄外に「よく出る」と矢印で強調
- 各ページの下端に「キーワードでチェック」という欄が設けられており、重要なキーワードを解説
- 各節ごとに「Point」として、その節で押さえておくべきポイントが記載
- 適宜、「覚えよう!」として、暗記すべきポイントが記載
このように、構成をしっかりと考えて、見やすく、わかりやすく作られているというのが見て取れますが、全体的な完成度としては、やはりユーキャンより劣ります。
1回で合格!賃貸不動産経営管理士 テキスト&問題集(成美堂)
- テキストと問題集の一体型
- 2色刷り(赤系)
- テキスト+一問一答+過去問 or 予想問
- 編集上、様々な工夫があるが、全体的な完成度はユーキャンより劣る
No.6:実務教育出版「最速合格!賃貸不動産経営管理士試験 テキスト&重要過去問(2022年度)」
次にご紹介するのは、実務教育出版の「最速合格! 賃貸不動産経営管理士試験 テキスト&重要過去問」です。(初版は2018年版)
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。最速合格! 賃貸不動産経営管理士試験 テキスト&重要過去問(2022年度) 著者: 平柳 将人 (監修), 資格試験研究会 (編集) 出版社: 実務教育出版 発売日: 2022/6/13 ページ数: 320ページ 価格: 2,420円 |
このテキストも、黒と赤系の2色刷りになっています。そして、前半はテキスト編、後半は過去問編の2部構成になっていますが、その大部分が過去問編となっており、テキスト部分と問題演習部分との構成比が、他のテキストと大きく異なる点です。
ページ数の比率は、全体のうち、テキスト編が約2割、過去問編が約8割という構成比になっています。
その他の特徴としては、各項目の最初に「キーワード解説」があり、図表や「写真」が豊富なところも、他のテキストと異なる点ですね。
このテキストは、膨大な試験範囲を学習するためには、過去問をベースに基本知識を習得していくのが最適であるという方針になっているようです。
このテキストの著者である「平柳 将人」氏は、宅建やマンション管理士などのテキストも多数執筆しており、信頼できる著者であると思います。
たしかに、超短期間で合格レベルの知識を身に付けるには、この方法は適しているかもしれませんが、私が検証した結果では、このテキスト&問題集の記載だけでは合格点には到達しませんでしたので、実務経験のある方が、本当に超短期間(数週間~1ヶ月未満程度)でギリギリの合格を目指す場合に限り、このテキストを選んでもよいかもしれません。
最速合格! 賃貸不動産経営管理士試験 テキスト&重要過去問(実務教育出版)
- テキストと問題集の一体型
- 2色刷り(赤系)
- テキストと過去問が2:8の割合で、大部分が過去問
- この1冊で合格できるか検証した結果、不可
- 実務経験のある方が、数週間しかなく、ギリギリの合格を目指す場合に限りおススメできる
人気テキスト比較ランキングまとめ
以上のとおり、賃貸不動産経営管理士のテキストについて、ランキング形式でご紹介してきました。
おススメNo.1は、「みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書」です。とてもコンパクトでわかりやすいテキストになっており、このテキストと同シリーズの問題集と組み合わせて学習すれば十分に合格することができると思います。
ただし、標準的な学習期間(2ヶ月前後)が確保できない場合には、「ユーキャンの賃貸不動産経営管理士 速習テキスト&問題集」を使って、短期間で勝負するという方法もあると思います。
テキストのポイント比較表
各テキストの特徴などを、以下のとおり一覧表で整理しましたので、比較検討する際の参考にしてください。
※画像は、Amazonへリンクしています。テキスト/著者/出版社/ページ数/価格 | 特徴、管理人の評価 |
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No.1 みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の教科書(2022年版) TAC賃貸不動産経営管理士講座/TAC出版/364ページ/2,640円 みんなが欲しかった!賃貸不動産経営管理士の過去問題集(2022年版) TAC賃貸不動産経営管理士講座/TAC出版/648ページ/2,200円 |
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No.2 ユーキャンの賃貸不動産経営管理士 速習テキスト&問題集(2022年版) ユーキャン賃貸不動産経営管理士試験研究会/ U-CAN/ 524ページ/ 3,080円 |
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No.3 賃貸不動産経営管理士 基本テキスト(2022年度) 賃貸不動産経営管理士資格研究会/建築資料研究社/ 444ページ/3,080円 賃貸不動産経営管理士 過去問題集(2022年度) 賃貸不動産経営管理士資格研究会/ 建築資料研究社/ 420ページ/2,200円 |
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No.4 賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答(2022年度) 友次 正浩/東京リーガルマインド/362ページ/2,420円 賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ 過去問題集(2022年度) 東京リーガルマインド LEC総合研究所 賃貸不動産経営管理士試験部/東京リーガルマインド/516ページ/1,980円 |
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No.5 1回で合格!賃貸不動産経営管理士 テキスト&問題集(2022年版) コンデックス情報研究所/成美堂出版/511ページ/2,640円 |
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No.6 最速合格!賃貸不動産経営管理士試験 テキスト&重要過去問(2022年度) 平柳将人 (監修), 資格試験研究会 (編集)/実務教育出版/320ページ/2,420円 |
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独学の学習が不安な方は、「賃貸不動産経営管理士のおすすめ通信講座【予備校5社比較ランキング!】」のページをご参照ください。 |
賃貸不動産経営管理士のテキスト・問題集の使い方
それでは次に、これらの賃貸不動産経営管理士のテキスト・問題集の使い方についてご紹介したいと思います。
テキストと問題集がそれぞれ独立している場合
まず、テキストを一通り読みます。この際は、とにかくわからないことがあっても気にせずに、ドンドン読み進めることがポイントです。
細かいところは気にせず、大雑把にイメージを把握するつもりで読み進めるのがいいと思います。細かいところを気にしすぎると前に進めなくなり、挫折してしまうおそれがありますので。。
このようにして、テキストを一通り読み終わったら、次は問題演習に入るわけですが、ここですぐに問題集をやろうとしても、テキストの最初の方に書いてあったことなどテキストを読み終わった頃にはスッカリ忘れてしまっていると思いますので、すぐに問題集を解いても挫折感を味わうだけになりかねません。
このため、再度、テキストを章ごとに読み直してから、その項目に対応する問題集(過去問)を解いていく、という方法をおススメします。
この際、問題集の解説だけではわからない部分については、テキストの該当部分を読み直しながら学習を進めます。
問題を解くことによって、テキストを読むだけでは理解できなかった部分も理解できるようになってきますし、テキストには問題を解くために直接必要のない記述も含まれていますので、とにかくテキストを読む際は、余計なところで引っ掛からないように注意してください。
このようにして問題集を一通り解き終わった後は、次は、問題集だけを再度解いていくという流れで進めていけばよいと思います。
この際は、各問題についているチェック欄を使って、知識があいまいな問題や、間違えた問題などにチェックを入れておき、あとで復習できるようにしておきます。
問題集については、時間の許す限り、最低3回は解くことをおススメします。
テキストと問題集が一体化している場合
では次は、ユーキャンなどの「テキスト&問題集」についてですが、こちらは問題集と一体になっていますので、勉強方法は至ってシンプルですね。あれこれと悩む必要はありません。
とにかく、前から順に読み進めていけば、学習が進んでいきます。
インプット学習としてのテキストがあり、続いてアウトプット学習としての問題演習がありますので。
このパターンのテキスト&問題集は、まずは、最初から順にテキストを読み、問題集で知識を確認しながら最後まで進めていきます。
そして次は、問題集部分のみを最初から解いていき、知識があいまいなところはテキストを読み返しながら、最後まで問題を解いていきます。
そして最後にもう一度、問題集のみを解いていく、ということをやれば、合格ラインに達することができると思います。要するに、計3回、問題集を解くということですね。
ただし、「テキスト&問題集」の場合は問題量が少ないですので、私が、ユーキャンの「テキスト&問題集」だけで合格できるかどうか検証した記事「ユーキャンの賃貸不動産経営管理士テキスト【これ1冊で合格できるか徹底検証!】」にも記載しているとおり、問題集で出てくる知識だけでは合格ラインには到達できませんので、テキスト部分だけの知識が必ず必要になってきます。
ですので、問題を解きながらテキストに戻って確認する場合は、できるだけ周辺知識も含めて確認することが必要になってきますので、この点は注意してください。
賃貸不動産経営管理士のおすすめ予想問題集の比較
賃貸不動産経営管理士試験の受験対策としては、上記でご紹介したテキストや問題集を使ってしっかりと勉強すれば、十分に合格することができると思います。
ただし、本試験で解答する際の時間配分や、マークシートの解答形式、本試験での緊張感などに、あまり慣れていない方は、予備校などで実施されている模擬試験(模試)を受験しておいた方がいいかもしれませんね。
【関連記事】
しかし、模試を受験するにはそれなりに費用や時間もかかりますので、下記のような市販されている予想問題集や模擬試験などを購入し、本試験のシミュレーションをすることで、予備校の模試の受験に代えるという方法もあります。
- 出る順賃貸不動産経営管理士 当たる! 直前予想模試【LEC】
- 本試験をあてる TAC直前予想 賃貸不動産経営管理士【TAC】
- 賃貸不動産経営管理士 直前予想問題集【日建学院】
これらの予想問題集(予想模試)は、各受験指導校が過去の出題を分析し、その年の本試験に出題される問題を予想した問題集となりますので、直前期に解いてみて、自分の知識に穴がないか確認し、本試験に向けた最後の仕上げとして、弱点の補強をするという使い方も効果的ですね。
予想問題集の比較 No.1
出る順賃貸不動産経営管理士 当たる!直前予想模試(LEC)
まずはじめにご紹介するのは、LECの「出る順賃貸不動産経営管理士 当たる!直前予想模試」です。やはり、”模試といえばLEC”ですね!
この予想模試には、3回分の予想問題が収録されており、難易度別に、易・普・難の3段階になっています。
さらに、購入者特典として、LEC講師による無料解説講義やWeb採点サービスが用意されているのも特徴的ですね。
その他、予想模試だけでなく、巻頭特集として今年の出題テーマをLEC講師が予想した「最重要テーマ厳選5」や、袋とじ企画「ここがこう出る!大本命5選」まで付いていますので、予想問題集なら、まずはLECを購入することをおすすめします!
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。出る順賃貸不動産経営管理士 当たる! 直前予想模試(2022年版) <予想問題×3回分> 著者: 東京リーガルマインド LEC総合研究所 賃貸不動産経営管理士試験部 出版社: 東京リーガルマインド 発売日: 2022/8/4 ページ数: 134ページ サイズ: 18.2 x 1.3 x 25.7 cm 価格: 1,650円 |
予想問題集の比較 No.2
本試験をあてる TAC直前予想模試 賃貸不動産経営管理士(TAC)
次は、TACの「本試験をあてる TAC直前予想模試 賃貸不動産経営管理士」です。
こちらも、3回分の予想問題が収録されています。
上述のLEC・次にご紹介する日建学院とは異なり、3回分で難易度の違いは設定されておらず、「本試験を当てる」ことに特化した3回分の予想問題集です。
その他、巻頭特集で、重要論点や法改正情報も掲載されています。
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。本試験をあてる TAC直前予想模試 賃貸不動産経営管理士(2022年度) <予想問題×3回分> 著者: TAC賃貸不動産経営管理士講座 出版社: TAC出版 発売日: 2022/7/23 ページ数: 280ページ サイズ: 18.2 x 1.2 x 25.7 cm 価格: 1,650円 |
予想問題集の比較 No.3
とことん学ぶ!賃貸不動産経営管理士 直前予想問題集(日建学院)
次にご紹介するのは、日建学院の「とことん学ぶ!賃貸不動産経営管理士 直前予想問題集」です。
こちらも同様に、3回分の予想問題が収録されていますが、難易度が、基礎問題、標準問題、難解問題の3段階に設定されています。
その他、巻頭特集として「出題分析と分野別攻略法」、「重要数字攻略ドリル」が収録されています。
※画像・書籍名は、Amazonへリンクしています。とことん学ぶ! 賃貸不動産経営管理士 直前予想問題集 2022年度版 <予想問題×3回分> 著者: 賃貸不動産経営管理士資格研究会 出版社: 建築資料研究社 発売日: 2022/7/29 ページ数: 240ページ サイズ: 18.2 x 1.2 x 25.7 cm 価格: 1,650円 |
賃貸不動産経営管理士試験に関する情報
それでは最後に、賃貸不動産経営管理士試験に関する情報をご紹介しておきます。
賃貸不動産経営管理士試験の概要
まずは、賃貸不動産経営管理士試験の試験日、受験資格、試験内容などの概要です。
なお、賃貸不動産経営管理士は、2021年度に国家資格となりました。国家資格化については、賃貸不動産経営管理士の国家資格化に関する情報のページでまとめていますので、そちらをご参照ください。
試験日
毎年1回、11月の第3日曜日に実施されます。
2022年度は、以下の試験日程で実施される予定です。
資料請求 |
令和4年8月15日(月)~9月22日(木)12:00まで |
申込期間 |
令和4年8月15日(月)~9月29日(木) |
試験日時 |
令和4年11月20日(日) |
合格発表 |
令和4年12月26日(月) |
申し込み
試験の申し込みは、インターネット又は郵送のいずれかで申し込むことができます。
インターネットで申し込む方が簡単で便利ですので、特に事情がない限りは、インターネットによる申し込みをおススメします。⇒(一社)賃貸不動産経営管理士協議会
受験料
13,200円
受験資格
年齢、性別、学歴などの制約はありませんので、どなたでも受験できます。
試験内容
四肢択一式(マークシート)50問
- 管理受託契約に関する事項
- 管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
- 家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
- 賃貸住宅の賃貸借に関する事項
- 法に関する事項
- 上記に掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項
免除講習(5問免除)
賃貸不動産経営管理士講習(試験の一部免除)を修了した場合は、その年度と翌年度の試験において、「5問」の免除を受けることができます。
つまり、免除講習を受ければ、本来50問出題されるところが45問になるということですね。
賃貸不動産経営管理士の難易度・合格率・合格点
賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、従来、50%程度で推移していましたが、国家資格化に伴い、ここ数年は30%程度まで難化が進んでいます。
とはいえ、合格率30%というと、国家資格の難易度としては易しい方の部類に入りますね。
また、合格点は、おおむね7割程度が合格ラインとなっていましたが、2021年度試験では予想を大きく上回り、8割の40点が合格ラインとなりました。
ですので、とりあえずは8割の正解を目指して、勉強する必要がありますね。
独学の学習が不安な方は、「賃貸不動産経営管理士のおすすめ通信講座【予備校5社比較ランキング!】」のページをご参照ください。 |
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