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Conversation

今日も新人賞応募作を読んでたんですが、現代では当然のフェミニズム的価値観を、未熟な新人の作品にどのていど求めるかどうかというのは、前回から引き続き悩ましいね。
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募集要項には記載しないけれど、実態としてはそのようなレギュレーションを設けている状態、ということでしょうか?
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そういうレギュレーションはありませんが。特に、私以外の選考者の方々は、もちろん私と考えが違うでしょう。
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レギュレーションという表現は適切ではなかったですね、済みません。ただ小川さんが、面白さよりも優先(ここのさじ加減が難しいという話でしょうけれども)すべき思想があり、また流通させる表現は思想的に適切にフィルタされるべきだという考えのもと選考されているのかどうかが気になりました。
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すでに修正ツイートを入れていますが、エンタメであること、面白さは最優先だと思っています(ここについても、SFは面白さじゃないという理屈はあるでしょうが)。性的不均衡についての意識云々は、数ある検討項目の一つです。
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SFというものが多分に思想的な表現物であるということは分かりますが、特定の価値観(それがフェミニズムであることは問題ではない)が「現在では当然の」という扱いで検討項目として挙がってくること、またそれがトップクリエイターでもある人物から公言されることが衝撃でした。
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別のツリーでも書いてますけど、フェミニズムが抱えているような「これまで自分にはないと思っていた権利、ないと思っていた能力を、実は生まれつきあったのだと人が発見すること」の部分を、私はSFの重要な要素の一つだと思い、励まされる気持ちがあります。励まされません?
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そうした励まされる構造は、フェミニズムであってもいいし、フェミニズムでなくてもよさそうに思います。まして「現在では当然」とされる価値が変遷することもまたSFらしさでありましょう。私とて昭和の少女漫画を摂取して育った人間なので女性が権利や能力に目覚める物語には大いに励まされましたが。
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こちらとしては「であってもいいし、なくてもいい」というような見物的な立場ではないです……。SFの場にフェミニズムがなかったがごとき作品があまりにも無自覚無邪気に届くと、「え、人間の半分は女なんだけど……あと男女以外にもいろいろ……そういう人が読んだらどう思うか考えない……?」って。
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先のお話と合わせると、「女性(や様々な性)が自分の権利と能力に目覚める構図、ないしは自分の権利と能力に目覚めた女性(や様々な性)が表現されていなければ配慮が足りず、それは現代のSFとして瑕疵がある」ということでしょうか。これはSFに作法や道徳があるという話に思えますが、合っていますか。
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面白さ以外の作法や道徳的配慮を"暗黙のうちに"求めるということは、それにより審査しているのは「作品」というより「作家の人間性」であり、言われずともそうした作法や配慮に意識が向くだけの教養や価値観を共有できる人間、仲間として迎えるに値する人間を選別しようとする行為にも見えます。
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論点が積み重なっているので、全部はお答えできませんが、少しずつ話します。 >「女性(や様々な性)が自分の権利と能力に目覚める構図、ないしは自分の権利と能力に目覚めた女性(や様々な性)が表現されていなければ配慮が足りず、それは現代のSFとして瑕疵がある」。 いいえ。
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「女性が権利に目覚めている/いない」という点に触れていないから即座に瑕疵があるとは言いません。 しかしそういう観点のない話であっても、「男性が自らの既得権や侵犯に気づいている/いない」という形で同じ問題が胚胎されていることはあります。これは何も能動的にしていなくても起こります。
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>面白さ以外の作法や道徳的配慮を"暗黙のうちに"求めるということは 私がその種の配慮を求める味方をするというのは、前回の選考コメントでも明らかにしています。暗黙ではありません。仮に暗黙だとしても、選考者が選考基準をすべて表すことは不可能で、あり得ません。
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>面白さ以外の作法や道徳的配慮を"暗黙のうちに"求めるということは 個人的にはフェミニズムは人類が発明したハック、ツールの一種であって、「面白い」と思っています。
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>それにより審査しているのは「作品」というより「作家の人間性」であり 私は送られてきた作品本文の1文字目から最後の1文字までで作品を判定するのみで、その外の作者を判定することはしません。作者が作品内にどう自分を込めたか/込め損なっているかという点では、判定します。
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作者が作った登場人物が、明らかにその人物自身の考えではない言葉や動きを、作者の身代わりとなって示しているような時には、加点する気にはなりません(ただ、そういうものがメタな伏線やギャグである場合には別ですが)。
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賞の性格上、視点も発言者も時制も何もかもぶっとんでいる、定型を外れた作品も来たりするので、ここらへんは一般論として言いづらいですが……。
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>言われずともそうした作法や配慮に意識が向くだけの教養や価値観を共有できる人間 これを言う必要がなぜあるのかよくわからないんですが、あなたは選考者が何を基準に選考していると思われているんでしょうか。出版社が紙に書いてくるガイドラインに従っているわけではないんですよ?
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私は、候補に挙がってきた作品の中から、これは多くの人に読まれるべきだと思ったものを第一に選んでいますが、ほかに「多くの人には届かないかもしれないが、少数のファンはつくはず」「多くの人を喜ばせ、同時に別の人を傷つける」などの評価も同時に浮かびますから、それらを勘案して決めています。
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そのようにして決めても、他の三人の選考者の方から違う意見が出ますから、そこでの討議となります。私一人の思惑で決まってしまうわけでもありません。
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お返事ありがとうございます。私が「暗黙のうちに」と書いたのは、応募者に対して条件として事前に提示し、書き手の技量でクリアできる問題になっていたかどうかが気になるからです。でなければ、書き手がある価値観を当然のものとして身に着けている人間かどうかをも事実上審査されることになる。
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「女性の権利」を描く必然性のない話では「男性の既得権」という視点からも見ているというのは、判断基準が安易なデジタルなものでないという意図とは思いますが、それは結果的に(そう、あくまで結果的にです)書き手が自主的に視点をどこに置こうとする人間なのかを見ているということにもなります。
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それこそ出版社が定めたガイドラインに従って選考しているならまだ良いのです。応募者はどの出版社に応募するかで選ぶことができる(まあ現役SF作家による審査が不満なら初めからネットで公開すれば良いわけですが…)。
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とは言え、そも長文を書き上げる時点で「知性」というハードルの設定が避けがたいわけで、選別という行為の孕む構造的な問題に対する難癖をよりによって出版社のコンテストの審査員に向かって投げつけるのは、まあ自分でもちょっとどうかとは思います。そこまで気にしていたら何も選ぶことができない。
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また小川さんが真摯に悩んで審査していることは全く疑ってはいません。「SFである以前に出版物である」という判断もあるでしょう。またフェミニズムやその他の配慮すべき事柄に対しても最大限柔軟であろうとしていることは分かります。それは今回の発言からも、書かれた本の作風からも伝わってくる。
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しかし「現代では当然の価値観」に対する、その「当然の」という非常に強く無造作な判断を、「いま、ここ」を離れてものごとを考察するはずのSF作家が行っている、それを自分の表現のみならず他人の表現に対しても適用しているというところに、強い疑義と独善性への危惧を抱いたのです。
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遅れましたがお答えします。 応募作の具体的な細部に踏み込むことはできないので、それに触れずにどう答えようかとずっと考えていたのですが、やはり、特段に高い基準は設けていないし、それを信じていただくしかないという結論になりました。
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>私が「暗黙のうちに」と書いたのは、応募者に対して条件として事前に提示し、書き手の技量でクリアできる問題になっていたかどうかが気になるからです。 ↓
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なっていると思っています。「電気にはプラスとマイナスがあることを気にしてください」とか「月面は真空であることを前提としてください」などと応募要項に書く必要がないのと同じように。というか、ほんとそのレベルのことしか求めていません。そういうレベルでおかしい場合があるから悩むんです。
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>しかし「現代では当然の価値観」に対する、その「当然の」という非常に強く無造作な判断を、「いま、ここ」を離れてものごとを考察するはずのSF作家 ↓
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「いま、ここ」にはまだフェミニズムが実現していません。ぶつかって分裂して砕けて跳ね戻って変形して、混乱しています。 ですが、それが存在していないわけではありません。存在しています。私が当然というのは、そういう次元の話です。
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ですがこの1週間で、フェミニズムは存在していないとか、存在してはならないとか、それが自分に敵対していると唱える人が無視できないというのはわかりました。そこがあなたのおっしゃる「当然ではない」あたりなのでしょう。 それに同意はしませんが、選考に当たってさらに悩むとお答えしておきます。
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ありがとうございました。しかし恐らく元の発言が様々な意見に曝されて文脈が混じりあっているからだとは思いますが、「それがフェミニズムであることは問題ではない」と申し上げたにも関わらず、このツリーがフェミニズムに対する否定と見なされ最後までそのように対応されたのは残念ではありました。
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優位にいる人間が何らかの価値観への態度の表明を求めることやその態度による選別をすることへの疑問、結果的に選良主義や社会進化論となることへの危惧について話しているつもりで、優位な人間が他者の選別に採用しているのがフェミニズムであること自体は問題の表面的な部分でしかありませんでした。
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「いま、ここ」を離れれば、そうした選別は、今では否定されたり失敗だったとされている全体主義や共産主義においてもその正しさを疑わない人々によって行われていたし、未来では現代で認められている価値観を否定する選別が行われてしまうかも知れない。SFはそうした選別装置で良いのかという話です。
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こと人権思想に対してそのような相対化をすること自体が人権に対する重大な罪と見なされるのが昨今の「当然」なのでしょう。しかしヒトの数十万年の歴史から見れば近現代の思想の歴史はあまりに短い。いかなる思想であれ、積極的な選別によって変化を加速するやり方は性急に過ぎるように思えます。
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Replying to
私は、私自身がそこに属しており、黙っていれば勝手にその恩恵を受けられる、たかだかここ数十万年前のヒトが培ったにすぎないシスヘテロ成人男性としての立場を、「いま、ここ」だと感じており、SFがなんの相対化もせずそこに縛られているのは、ちょっとどうなの、と思うのです。
Replying to
私としては、このスレッドでは「フェミニズムという思想」ではなく「思想によって人間を選別することで社会を変革しようとする姿勢」に異議を申し立ててきたつもりでしたが、小川先生からのお返事がどれも「ミソジニー寄りの反フェミニスト」を想定したような回答ばかりであることは非常に残念でした。
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そうおっしゃられましても、SFに無数にある評価点の中で、ことその話題になったときだけ思想扱いして異議を唱えて来られたら、その方面でご返事するしかないじゃありませんか……。「面白い娯楽作だけを選ぶ思想は問題では?」と来られたら、また異なるお返事もできたでしょうけども。
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