【速報】海底のカズワン 船体引き揚げ着手 海底で飽和潜水の作業始まる 引き揚げ費用1億4000万円
5月21日朝の「海進」船上の様子(北海道知床半島沖=2022年5月21日午前8時30分ごろ)
北海道知床半島沖で26人を乗せた観光船「KAZU1(カズワン、19トン)」が沈没した事故で5月21日朝、海底のカズワン船体の引き揚げ作業が着手されました。
20日午前6時55分、カズワンが沈没する知床半島沖で、民間作業船「海進」から潜水士を乗せた水中エレベーターが降下を始め、午前7時42分に水深102メートルに到達、午前7時57分に潜水士が飽和潜水による作業を始めました。
第一管区海上保安本部によりますと、水深115メートルの海底のカズワンは、船体が傾いているため、船内の物が流出しないよう、船内の物をロープで結ぶ作業をします(ラッシング)。
そして、帯状の物を船底にくくり付けてつり上げる(スリング)をするための取っ手をつけます。
その後、船体をつり上げて海面近くまで持っていき、浅い海域に移動。ワイヤで固定し海進に乗せます。
海進の船上には、早ければ23日にも引き揚げられる予定です。その後早ければ25日にも網走港に入港するのではないかと話しています。
船体の引き揚げ費用は約1億4000万円で、捜査上の証拠になりうるため、海上保安庁が負担するということです。
知床半島沖の沈没現場では、5月19日と20日の2日間、潜水士が水中エレベーターで海底に潜り、エレベーターから出て、飽和潜水によりカズワン船内外の捜索を行いました。
潜水士を乗せた水中エレベーター(海進、北海道知床半島沖=2022年5月20日正午ごろ)
国交省によると、船内には乗客のものとみられるカメラやバッグ、傘など計10点が見つかり回収していますが、行方不明者の発見には至りませんでした。
海底のカズワン(提供:第一管区海上保安本部 撮影:ROVはくよう)
カズワンの沈没事故では、乗客乗員26人のうち、これまで14人が見つかり死亡が確認されていますが、12人はいまだ行方不明です。
(KAZU1の「ワン」は正式にはローマ数字)