youtubeのキュー製作動画でも
お馴染みのアメリカン・カスタム・
キュー・ビルダーのボブ・ウズリ
スキーの作るスニーキーピート・
キューがとても感じが良さげだ。
製作費は390ドル。
シッピングは米国内で25ドル。
ハギ物でも日本円で20万円台から
製作可能だ。
かつての往年のアメリカン・カス
タム・キューの適正価格を保って
いるかのようだ。
私の知り合いの日本在住のカナダ
人(母国語英語圏)が、アメリカ
の有名なカスタムキュー製作者に
スニーキーピートを作ってもらっ
たら、日本への送料含めて5万円
程だった。本ハギ2種類木材物で。
実はそれくらいのものだ。
それでいてシャフト材はAAA以上
のその作者の通常材であり、作者
のオリジナルテーパーだった。
撞き味は極上。
ファンシー物のその作者の作品
よりもややソリッドに感じたが、
非常に音も撞球性能も良い。
大手有名マスプロメーカーの
スニーキーピートが10数万円と
かするのは、かなり乗せている
のだろうと思われる。
ボブ・ウズリスキーのキューは、
その製作理論と技術において卓
越しているが、日本人や中国人
のコレクターたちにカスタム・
キューが買い漁られて市場の総体
金額が暴騰した時代以降の作者
なので、往年の「適正価格」を
保っている。
ハギやインレイ一つとっても雑
で上手ではないバリー・ザンボッ
ティのキューが1本670万円もする
という現行市場は、明らかに何か
が狂っている。
ガス・ザンボッティでさえも、
1作50万円~80万円で購入できた
のが1980年代後期だった。
それでも高かったが、リチャード・
ブラックが57万円で販売され始め
たあたりから市場価格がおかしく
なった。Jossが1本70万円とか。
TADは当時適正価格を保っていて、
ファンシー物でも1本40万円程、
プレーンにおいては10万円程だ
った。中古プレーンなどは5万円
だ。
それが、TADでさえも1本150万円
するような事に現在はなってしま
っている。TADはコレクターアイ
テムのオブジェではなくプレー
キューであるのに。
市場価格というのは、仕掛け人が
いて販売価格の総合的な操作が
為されている。どの業界でも。
現在のビリヤード界のアメリカン・
カスタムの著名どこの価格は異常
だ。
いくら芸術的作品といっても、
1本で高級車が買える金額という
のは常軌を逸している。
1本2,000万円とかのキュー。
アラブの石油王や軍事産業やIT企業
で肥えた富豪たちのためだけの
存在になってしまった個人ビルド
のキュー。一部の人だけのキュー。
作者は喜んでいるのだろうか。
基準は人それぞれだが、勤め人の
一ヶ月分の給与の額あたりまでが
道具の高級品の標準ではなかろうか。
年収の12分の1あたりまで。
その額は人によりけりだが。
国の統計である賃金センサスでは、
令和3年で25-29才の大卒平均賃金
は月収で26万7百円だ。
20年間横ばい。
物価はかなり上昇している。
アベノミクスのおかげで国民の
経済格差は開く一方だ。
一部の者が富み、庶民は苦しむ。
収入平均は変わらない。全体の
底上げなど実現できていないから。
安部ちゃんの経済政策は一部の
人間たちには歓迎されるものだ
った。国民はモリやカケを食って
のみ生きては行けない。
一般国民のどこの誰がバリー・
ザンボッティのキューを買える
というのか。
ビリヤードをやっているのは、
富裕層のみではない。
そして、中世近世貴族社会では
ない現代においては、ビリヤード
は富裕層のためのスポーツではない。