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観賞者で干渉者 作者:鷹村柚希

First world パターン:救世主補佐

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第十九話 的確な弾丸よりも鋭い弁舌のほうが強い。 作者がネ●ロや四●谷先輩みたいな、言葉で追い詰めるキャラを好む嗜好を理解してくれ

 


さて、地道に執筆活動を続けていますが、作者は八日から学校が始まります。

となりますと、更新の頻度が少なからず落ちることが予想されます。

毎度更新を楽しみにされている方、真に申し訳ありません。


ともあれ、活動の方は変わらず続けさせていただきますので、暇潰しの合間にでも覗いていただければ幸いにございます。


そしてお気に入り件数がついに500件に!

皆様ありがとうございます!



※追記

マリナさんからご指摘いただきました。

作中に水の科学式の表記があるのですが、パソコンの機種によってはきちんと表記されないかもしれません。

「H₂O」の表記が「エイチツーオー」と読めない方、「H2O」と表記されています。

マリナさん、ご指摘ありがとうございました。

 



「邪神崇拝者いるんじゃないの?この国」



私の言葉に、キンクリは何も言わない。


無表情の瞳に薄っすら怒りのような見えるが、それは私に対する怒りか、それともそれら(・・・)に対する怒りか。


「でもそれだけじゃ、ノアに言わなかった理由にはならんよな。邪神の復活を願う頭のイカレた輩がいるからついでに倒してくれ、って言や済む話なのに、あんたはあえてその事実を伏せた」


今まで飛んできた世界にも、魔王やら邪神やら破壊神を崇拝している組織はいたし、それらの討伐を頼まれたことも数多くある。


なら、この国王もそうしてよかったはずだ。


「一つ思い当たることがあるんだよな。一つの組織を潰すとなると、その組織が何を考えて、何をして、何をしようとしていたのか、知ることになるんだよ。余程の馬鹿でない限りはな」


そんなことよりお腹が空いてきました。


誰か私にNa(ナトリウム)をくれないか(by作者)。


「あの正義感溢れる救世主(ノア)のことだ。何も調べずに立ち去るような真似はせんだろ。……つまりさ、邪神崇拝……今は便宜上邪教とでも言おうか。邪教と王家って、何かしら裏で繋がりあるんじゃない?」


ナトリウムだけじゃバランス悪いから、ついでにK(カリウム)もおくれ(by作者)。


「邪教信者の貴族になんらかの形で支援受けてるとか、邪教の祭典かなんかに王家として見逃せない記述があるとか。大々的に邪教(それ)を潰せない理由があるんじゃないかなーって。で、それをノアには知られたくない、と。前者の理由なんて最悪だもんね。王家が賄賂を認めてるってことだし」


あとH₂O(水)があると嬉しい。


NaとKとH₂O(漬物と米とお茶)があれば生きて行ける気がする(by作者)。


「……何を根拠に」


キンクリが這うような低い声と共に、視線だけで人を殺せそうな眼光を向けてくる。


どうやらビンゴのようだ。


え?なんか煩悩が混じってた?ハハハナンノコトヤーラ。


「根拠?七割は経験から推測、一割は経験からの勘。残り二割は内緒だ。私にも独自の情報入手ルートがあるんでね」


実は、ノア昏睡状態につき城の中を探索中な時に、『地下の閉鎖された秘密の書庫』的ないかにもな場所を見付け、そこで邪神崇拝に関する書籍をいくつも見付けたのである。


えっなんで邪神再封印を依頼するような王家にこんな本があんの、と、私はその場に置かれていた邪神関係の本を全て読み漁った。


そして、今回の事件と国王(キンクリ)の言動が、私に邪教と王家の関係に確信を持たせたというわけだ。


まあ、教えるつもりは一ミリもありはしないが。


「……ま、私はそんなことどうでもいいんだ。この国が腐ってようが何しようがね。私は警告をするためにここで待ってたんだ」


私の言葉に、キンクリが無言で眉を跳ね上げる。


「どんなに邪教徒から支援受けてようが、祭典に無視できないような内容が書かれていようが、邪神に復活されちゃ困るのは事実なんだろ?だから再封印終わった後、大ブーイング物の邪教徒には、邪神再封印なんて勝手なことやったのは身元も知れぬ異邦人だって言って、ノアに面倒全部押し付けて、そいつら納得させるために冤罪着せて逆賊として処刑とか、」


そこまで言って一息つくと、おっさんから取り上げた剣を軽い動作で、とん、と床に突き立てる。


再度深く息を吸い、相手がしっかり危機感を(いだ)く程度の殺気を込めた視線で、目の前の男を睨み付ける。


ちなみに殺気を込められるだけ込めてしまうと、比喩ではなく視線で人が殺せてしまうため、ちゃんと調整する。



「するつもりなら、お前らが一体何を敵に回したのか思い知らせてやる」



剣を相手の喉下に突き付けるような安い脅しはしない。


殺気を向けられた国王は、目の前に佇む女が、武器など使わずとも自分を葬り去ることなど容易いのだと、理解しているだろう。


「わざわざ封印し直した邪神を解放して、邪教と王家の関係と例の祭典とやらを世界中にバラ撒いてやんよ。できないなんて思うなよ。なんなら祭典の内容を改竄(かいざん)してから撒いてやろうか。『邪神様は王家の娘を生贄に求めている』とかな」


正直世界中ってのはハッタリだ。

さすがにそこまでしている暇はないだろう。


だが国王は自分の娘を危険に晒すような発言に気を取られ、幸いにも気付いたようすはなかった。


「ただの脅しだと思うか?こちらには自力で帰る手段がないから、そんなことをすれば自分の身も滅ぼすことになる。ならやるはずがないって?舐めんなよ」


ぐっ、と睨むために細めていた目を見開き、相手を見下すように顎を上げる。


締めのセリフを言うべく、救世主補佐(・・・・・)は口を開いた。




「神だろうが世界を隔てる壁だろうが、ノアを害する物は全て()が狩る」




『エフェクト』などではなく、ドス黒いオーラと化した殺気が一帯の空間に満ちる。


それでも、目の前の男は圧されながらも耐えていた。

冷や汗を浮かべ、蒼白な顔色を浮かべながらも、気を失うことも逃げ出すこともしなかった。


もちろん、それは調節しているからなのだが、脇にいる宰相はとうに白目を向いて気絶しているため、この男も伊達に国王をやっていないということだろう。


「…………」


潮時か。


()は場を支配していた殺気を解く。


「話は以上だよ。ま、私の話が取り越し苦労だといいんだけどね」


キンクリの返事も待たず、私はさっさと踵を返す。


さすがにちょっとやり過ぎた。

これ以上絡まれても面倒だしな。



ああ。そうだ、これだけは言っとかないとな。



「言ったでしょう?貴方じゃ、私は扱えないと」



不敵な笑みとセットで捨てゼリフはしっかり残す。


形から入りたがるのが私ですから。






***************






「はい。そんなわけで、シリアスターンは以上で終了にございます。現在、我々は王宮の地下へ来ております」


「……誰に向かって話してるんだ?」


ノアが怪訝そうに視線を向けてくるが、私がどうゆう人間か理解したのか、その表情にはやや諦めが混ざっている。


「レポーターは私、大河内ラピスラズリと、森本ノイでお送りします。見てください!地上の煌びやかな内装とは打って変わったシンプルな黒い石壁!私はこれを見た瞬間、思わずラ●ュタを連想致しました」


「何その名前!俺ほとんど変わってなくないか!?とゆうか瑠璃の名前ゴツいなおい!」


「果たして、この先で我々を待ち受けるものは!?そして、この先に伝説の剣はあるのでしょうか!?」


「いや、王様があるって言って連れて来てるんだからそりゃあるだろ!?それに待ち受けるも何も伝説の剣って言ってるわけだし!」


レポートだけなのもなんだ。ちゃんとした説明をしよう。


キンクリを散々脅してからおよそ一時間後。

ノアが使う予定の伝説(笑)の剣を取りに、キンクリに連れられてノアと共に王宮の地下に来ました。以上。


本当は国王(キンクリ)救世主(ノア)しか入っちゃいけない、結界を張った神聖な領域らしいが、キンクリを一睨みして同行を許可させた。


ふん。随分と安い神聖領域だな。神聖っつーなら死守しろよ。


ちなみに、当のキンクリは固い表情で私達の前を歩いている。


自分を脅した人間に背を向けるなんて国王にあるまじき行為だと思うが、ノアに対して下手な真似をしなければ私から手は出さないということを理解しているのだろう。


それでも得体の知れない相手を視線から外すのは充分怖いだろうに。

国王としての自負か、それとも己のプライドか。


まあ、どうだっていいけども。


それにしても、また中二めいたセリフを吐いてしまったんだぜ。


こんな現代で言えば「頭沸いてんの?」と思われてしまうようなセリフが平気で言えるのは、異世界トリップの数少ないメリットの一つだと思うんだ。うん。


中二とゆうのは一つのジャンルなんだ。エンターテイメントなんだ!


皆さんも異世界トリップした際には試してみてくれ。

『一度は言ってみたい中二なセリフ』が堂々と言えるのは癖になるぞ。


ただ、これでノアが女で私が男だったら完璧だったのにな。

惜しいことをした。


そんなことを考えていると、私達は通路の突き当たりまでやって来た。


一見、行き止まりに見えるが、そうじゃないんだろうね。


「この先に、五百年前見事魔王を滅ぼした勇者が使用した、精霊を宿すと言う伝説の(つるぎ)が保管されている」


ちなみに今キンクリが言ったように、この世界には救世主の他にも勇者とかいたらしい。


なんでも、約五百年前に強大過ぎる程強大な魔力を持った者が現れ、魔物を率いて世界征服?とゆうか国家滅亡を企んだらしく、それを勇者が伝説の剣片手にはっ倒しに行ったらしい。


勇者は無事魔王を倒し、そして伝説へ……。


なんともテンプレな話である。

変わったところと言えば、魔王がただ魔力が高いだけのただの人間だってところだろうか。



てゆうか忙しいな、この世界。



さて、それはともかく。今は剣だ、剣。


「あの、ここって行き止まりですよね?」


「この場所は、歴代の王に伝わる特殊な魔法具によってのみ、開かれるのだ」


まあ、そんなとこだろうと思いました。


てゆうか、いよいよ持って●ピュタだろこれ。


壁に魔法具らしき青い石がはめ込まれてるのが見えるけど、どう見ても飛●石です。本当に(ry


私がそんなことを考えているとは露知らず、ノアが緊張気味に声をかけてきた。


「勇者が使った伝説の(つるぎ)か……一体どんな物なんだろう」


「エェ~~クスカァ~リバアァ~~~」


「やめろよ!声真似までするなよ!地味に似てるんだよ!想像しただろ!」


「精霊が宿ってると聞いて」


「宿ってるってゆうかそのものだろ!俺伝説の剣があんな得体の知れない見た目してたら全力で引くわ!」


得体の知れないとは失礼な。

結構人気なんだぞエクスカリバー。


そんなやり取りをしていると、キンクリがコホンと一つ咳払いをした。


「……では、この空間を開放するが……準備は良いか、救世主ノアよ」


「あっ、はい!」


慌てたようにノアが返事をすると、キンクリは頷いて左手の甲を飛●石へと向けた。


代々伝わる魔法具とやらはその指輪ですか。よくあるよくある。


どうやら開放するのに数秒かかるようなので、私は『二次元力』からどれと言うわけでもなく透視能力を引っ張り出してきて、壁の向こうを一足先に見てみることにした。


ちなみに、私にかかれば魔力で空間が捻じ曲がっていようが、ちゃんと見たいもんが見れる。


え?フライング?別に私は飛べるけど、それが何か?



……おお、見えてきた見えてきた。



そこはどこぞの森のように木々が生い茂っており、青々とした緑は(まが)い物などではなく本物のそれである。


やはり魔力で空間が捻じ曲げられているのか、地下であるにも関わらず天井からはさんさんと木漏れ日が差し込み、どこか非現実的な空間を彩る。


そして中央には石造りの台座のようなものがあり、その上には選ばれし者のみが抜くことができると言わんばかりに輝く(つるぎ)



こっ……これは――――……!!



ゼ●ダの伝説(ゼルデン)!?」


ゼ●ダの伝説(ゼルデン)!!?」


「イエス!ゼ●ダの伝説(ゼルデン)!!」


「あっ……ゼ●ダの伝説(ゼルデン)!!」



なんとゆうことだ。



想像を絶する光景に思わず声を上げると、一足遅れてその光景を目にしたノアも、木霊するように私と同じ言葉を繰り返す。


言わずともわかるだろう。そう、私達の眼前に現れたのは――






――――どこのマ●ターソードだよと言いたくなるような姿で鎮座する、伝説の剣だった。







瑠璃ちゃんが『一人称が「俺」モード』になる時は、憎悪を感じるレベルで本気で怒っている時か、特定の状況で精神が不安定になっている時だと思います。

なんとゆう厨設定(^p^)

『擬似多重人格』とか自分で決めておきながら、実は上手い設定考えてなかったんだorz


瑠璃ちゃんがキンクリにした警告は、あくまで警告です。

キンクリがノアにあんなことをするのが確実だったわけではなく、あくまで瑠璃ちゃんの張った予防線です。

果たして、キンクリの真意はいかに。



元ネタの紹介


・そして伝説へ

ド●クエ3のサブタイトルが元ネタです。


・エクスカリバー

こちらは以前の『約束された(ry』ではなく、某魂食い(英訳)のキャラクターのことです。

エクスカリバーさんです。


・マ●ターソード

ゼ●ダの伝説に出てくる伝説の勇者が使用していた退魔の剣。



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