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観賞者で干渉者 作者:鷹村柚希

First world パターン:救世主補佐

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第十八話 自信は過信に陥りやすい。その驕りが油断を生む。驕り「鼻からメロン出すような感じでした」

 


感想をくださったコーラルさん、アクセルモブターンさん、そして感想と元ネタをご指摘をくださったrsk(らすく)さん、ありがとうございました!

皆様の有難いお言葉を読んでいる時は、沢庵、柴漬け、胡瓜(きゅうり)、茄子、(かぶ)、梅干しなど種々雑多な漬物に囲まれて白米を食べている時程の至福です。ムッシャムッシャ。

(※至福の度合いがわかりにくいかもしれないが、作者は塩っぽい物が大好物である。ちなみにマイフェイバリットは生タラコ)



突然ですが、作者は安●奈美恵さんの「HIDE & SEEK」とゆう曲が好きです。

数少ない、好きなメジャー歌手の曲の一つです(基本作者はボ●ロしか聴きません。例外はあれど。最近のメジャーは何故恋愛曲ばっかりなんだ。例外はあれど。作者はそもそも『恋愛』とゆうジャンルが大層不得意なんだ。例外はあれど)。

小説の作業用BGMに某動画サイトで検索しようとしたところ、安●さんの漢字を「室」しか覚えていないことに気が付きました。

これで好きと言っていいものかどうか、かなり微妙でした。まる。



 



「一つ訊きたい、(キング)・クリムゾン」



私は目の前の男に問いかける。


ちなみに、ここは応接間と国王(キンクリ)の自室を繋ぐ廊下の真ん中らへんからちょっと応接間寄りの位置にある曲がり角である。


あのあと、自分の部屋に戻ると言うノアに「便所行ってくる(お花を摘みに)」と言って別れ、某メイド長の『時を操る程度の能力』を使って、自室に戻るらしいキンクリを先回りして待ち伏せたのである。


ノアに言ったセリフの地の文章とふりがなの差が酷いことに関しては、ノータッチでよろしく。


ちなみに、キンクリの横とゆうか斜め後ろには(多分ってゆうかもう)宰相(で確定でいいよね?)のおっさんが、突然進行方向に現れた私に対して、驚愕の表情を浮かべている。


キンクリの方はというと、最初こそ驚きはしたものの、予想外のことをかましてくれる私が興味深いのか、すぐにどこか面白そうな表情に変わった。



……ああ、こいつ絶対面倒臭ぇ。



キンクリの表情を見て、反射的にそう思う。


経験則からして、基本的に私に興味を持つ人間は、私にとって厄介な人間でしかない。


人間というものは、一度興味を持つと中々諦めてはくれないものだ。

そして興味を持てば、もちろんその対象のことを知りたいと思うだろう。

その対象のことを知るために、個人差はあれどあらゆる手を尽くし、最終的には愚かにも「手に入れたい」とまで思うようになるのだ。


キンクリにも言ったが、私は干渉を受けることは嫌いなのである。


「手に入れ」られる気は毛等もないし、私を「手に入れ」ようと差し伸ばされる手を払い除けるのも、(わずら)わしいことこの上ない。


登場の仕方を変えた方がよかったかな……とも思ったが後の祭り。

後悔とは()()やむから後悔(・・)なのである。


まあ、形から入ることを好しとする私としては、最初から『普通に追いかける』って選択肢はないんだけどね!


例え私の中の『これ以上関わると面倒なことに巻き込まれる警報』がビンビンだったとしてもね!


「……何かね?」


応接間で別れたはずの私がどうやって先回りして待ち伏せしたのかということには突っ込まず、キンクリは「わっふるわっふる」とでも言わんばかりのオーラを隠さずに先を促す。


いや、普通の人の目には『どこか面白そうな含み笑いを浮かべている国王』が映るのだろうが、私にしてみりゃこんな奴「わっふる」オーラで充分だ。


するとあーら不思議。

何か企んでそうなニヒルな王様が、エロ展開待ちのネラーに早変わり。

はっはっは、ざまぁwwwwwww


「さっきの話で、あんたはノアに注意するべきことを一つ言わなかっただろう」


ノアと話す時とは違い、王族相手にしては大層尊大であろう態度で口を開く。

まあ、随分と今さらな描写dゲフンゲフン。


その場の状況や話す相手、内容によって口調が変わるのは、私の形から入りたがる性質と、トリップ先で自分を利用しようとする可能性がある人間に対していかに自分の実像をボカすか試行錯誤を重ねた結果による、ある種の副作用のようなものだ。


極力相手に自分を見誤らせるよう演技に演技を重ねた結果、ちょっとやそっとではボロを出したり、創り上げた仮面が外れるようなことがない程にまでになった。


しかしその反動か、そういった演技がいらない状況での口調や振る舞いから、一貫性が欠けてしまったのだ。


今までに見せた複数の口調や振る舞いから、「一体どれが本当の君なんだ」と問われれば、私は答えられずに首を捻るだろう。


キンクリは「究極の演技」だとかなんとか大層なことを言っていたが、その代償は『素の消失』という、結構でかいものになった。



思えば「利用されたくない」と足掻き始めた時から、『人間である大河内瑠璃』の崩壊は始まってしたのかもしれない。



……とか、それっぽいことを言ってみる。


「さて、何のことであろう」


「もしそれを本気で言っているのだとしたら、一国王としてろくな危機管理能力を持ってないな」


私を試すつもりなのか含み笑いを浮かべて白を切るキンクリを、バッサリと斬り落とす。


貴様ごときが私を試せると思うなよ。


「貴様いい加減にしろ!陛下が咎めずにいるからといい気になりおって!神聖なる王族に対しそのような口を利くなど、卑しい身の程を知れ!」


「権威やら血統やらにしがみ付いて吠え立てるしか能がないなら、ご機嫌取りに尻尾振る腐敗した貴族相手にでもふんぞり返ってろ。ちやほやされて崇められたいなら、あんたにはそれがお似合いだ」


「貴様……!どこまでも舐めた真似を!」


このままだと血管切れて漫画みたいに血が噴き出すんじゃないかと思うぐらいにこめかみに青筋を浮き上がらせたおっさんは、国王(キンクリ)の前だというにも関わらず、腰に差してした護身用の剣を抜いて私に突き付けた。


おおぅ、ちょ、この人座敷廊(違うけど)で刀(西洋剣だけど)抜いたよ。しかも殿(国王だけど)の前で。


あっ、キンクリの野郎止める気ねぇな!?

ニヨニヨしながら後ろに下がるな!


この場にいれば恐らく止めるであろうノアや白さんがいないため、せいぜい「さて、お手並み拝見と行こうかwww」とか思ってるんだろ。


ウゼェ。キンクリの株大暴落である。


ふんだ!あんたの見たがっている私の実力なんぞ、毛等も見せる気はないわ!


よって、何が起こったのかわからないくらい即効で終わらせる。


そんなわけで再び『時を操る程度の能力』を使用。


そしておっさんの剣を奪う。


はい、終わり。



そこ、手抜きとか言うんじゃありません。



「あらあら、こんな剣で私を斬ろうとするなんて……随分舐められたものね」


こんな剣っつっても、見た感じ一級品だがな。

それでも私を倒すにはこと足りんから、まあ間違ったことは言ってない。


刃に指を這わせながら意趣返しのつもりで似たようなセリフを吐いてやると、キンクリとおっさんは私の手に剣があることに目を見張った。


「……!!?いつの間に……!?」


「たった今に決まってんだろ、他にいつやるんだよ。口でも力付くでも止められない癖に止めようとすんな、鬱陶しい。私ゃキンクリ(そっち)に話があんだよ。すっこんでろ」


てゆうかこのおっさん、さっきからセリフが月並み以下でちっとも面白味がない。


オリジナリティ出せオリジナリティ。

したらもう少しはまともに取り合ってやるというのに。


「な、き、貴様……!」


「しつけぇよ。シレンシオ」


杖がなかったので、代わりに立てた人差し指をそれっぽく向けて呪文を唱える。


するとおっさんはテレビの音声のみを消したように、口は動いたまま声のみが消え、そのことに驚愕して慌てて喉を押さえる。


やれやれ、これでしばらくは静かになるだろ。


「さて、このアホのせいで余計な時間食ったから簡潔に言う。あんた、毒殺未遂犯のことに関して、ノアに何も言わなかったろ?」


横でおっさんが「アホ!?」という形に口を動かしたが、魔法がかかっているため声にはならなかった。


キンクリは私の言ったことに対して、無言で反応する。


無言は肯定と取って話を続けるぞ。


「一々あんたの反応見るのも面倒だから、一気に言うぞ。まずな、毒殺未遂が起こった状況からしておかしいんだよ。ここは王宮だし、王族やら貴族やらに暗殺を企む輩がいること自体はおかしくない。王女である白さんが狙われたとして、全く不思議はないよ。けどな、あの場にはノアもいた(・・・・・)んだ」


あの場にいたのは、白さん、ノア、森さん、そして私。


紅茶を飲んでいたのは、森さん以外の三人。


「毒が入っていたのはシュガーポット。仮に白さんを毒殺の対象に狙って、砂糖に毒を盛ったとする。毒殺犯が白さんは紅茶に砂糖を入れる人だと知っていたとしてもおかしくない。でもな、私はともかくノアが紅茶に砂糖を入れて飲むかどうかは知りようがない。なんてったって、ここに来て二日目に寝込んじまったんだから」


ちなみに、ノアはあの時「ホーニッヒって誰だよ!」と言う叫びと共に目を覚ました。


どんな夢見てたんだよ。


「それってつまり、白さんだけじゃなくノアも毒入りの砂糖を使って死ぬ可能性があるってことだよな?毒殺なんて企むような輩が、それを考えないはずがない。で、言わずもがなノアは救世主だ。せっかく邪神の復活を止めて世界を救ってくれる救世主様が現れたのに、そいつが死んじまったらどうする?困るだろ?だがしかし、毒殺犯は救世主も殺しかねない方法で毒殺を実行した……それってつまり、救世主(ノア)が死んでも構わなかったってことになるよな?」


あの場に私がいたことが、毒殺犯にとって最大の誤算だったろうな。


服毒程度じゃ死なん上、シュガーポット粉々にして二人の服毒を阻止したわけだし。


「狙いは最初から救世主(ノア)……いや、あの場で紅茶を飲んでいた全員(・・)か。王族(白さん)、もしくは救世主(ノア)が毒殺なんてされればどうなる?そう、重要人物の損失により、邪神再封印の計画がストップされる。つまり毒殺犯は邪神の再封印をやめさせたい人物。ついでに言うと、いっそ復活してしまえと思っている」


そこまで一気に言って、私は一呼吸する。


キンクリの表情を伺うと、今までの人を食ったような含み笑いはすっかりなりを潜め、ただただ無表情だけを浮かべている。


自分を品定めするようなその笑みを奪ってやったことに、私は満足気に唇を歪める。




「邪神崇拝者いるんじゃないの?この国」







主人公の口調がコロコロ変わるのには理由があります、と書いてから苦節十六話。

ようやく理由が書けました。


とゆうか、こんな推理展開しか書けない作者でごめんなさい……。



元ネタの紹介


・時を操る程度の能力

某弾幕ゲーの某メイド長の能力。

時を止めたり遅めたり早めたりできるそうです。


・わっふるわっふる

某匿名掲示板などでエロ系の描写の続きを期待、要求する用語として使われる言葉。


・シレンシオ

ハリー・●ッターシリーズに出て来る、相手を黙らせる……とゆうか、声を出させなくする呪文。

本当は呪文の詠唱を止めたりするのに使うのに……orz



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