粘り強さやリーダーシップといった「人間力」を養うには「自分軸と社会軸とのかかわりが自然に身につく6~12歳が重要」と島根社長は説く。12年度は子供たちに身近な事例を使いながら、社会や経済の仕組みについて学んだ。東急沿線を中心に展開しているが、他のエリアからの開設要望も多いという。
商社のノウハウも
「グローバルスキルを学童保育で」――。住友商事が4月に学童や幼児を対象にした保育事業に参入する。目黒区で小学校1~4年生を対象とした学童保育と3~5歳を対象とした「幼児園」、港区で1日3時間の英語プログラムを学ぶアフタースクール施設を開設する。子供たちを預かる午後2時から同7時までのうち、3時間は英語のネイティブ教師による独自カリキュラムを組むなど英語教育の充実が売り物だ。
住友商事ダイレクトマーケティング&ソーシング事業部の河野純子クロスメディアチーム長は「英語力に加え、グローバルスキルを身につけた商社ならではの人材育成に貢献できると考えた」。08年に住商に転職してきた河野さんの前職は転職雑誌の編集者。「小学校に上がると仕事を続けられない」という母親の切実な声を聞いてきた。社内の新規事業支援制度を活用し、11年度の下期から市場調査を開始。世界の有力大学が入学資格に採用する「国際バカロレア(IB)」の認定校である東京インターナショナルスクール(東京・港)と組んで参入を決めた。
東京インターナショナルスクールの運営子会社グローバル人材研究所に住商が50%出資する。同研究所が運営する。東京インターナショナルと共同で開発したプログラムで本格的な英語教育に取り組む。
学童保育の対象は小学1~4年生まで。時間の3時間を英語カリキュラムにあてる。週5日通う場合、2年通えばバイリンガル並みの英語コミュニケ―ション力の獲得に必要な時間の目安である2000時間を超えるという。3時間の英語というと大人でも長時間に感じるが、ヨガやストレッチで体を動かす、探求プログラムなど多様なメニューで子供たちを飽きさせない。