実感として「売り上げ」学ぶ
2月23日、東急グループで学童保育を手掛けるキッズベースキャンプ(KBC、東京・世田谷)が子供たちの手で商店街を作る「KBCタウン」を開いた。「いらっしゃいませー。玉寿司、おいしいですよー」。手作りの看板を持った峯岸耕太郎君(9)と森貞颯太君(9)が大きな声で呼びかける。大人顔負けの営業活動ぶりだ。二人が通う「KBCたまプラーザテラス」(横浜市)はカップ入りチラシ寿司の店を開いた。森貞君は「ご飯をよそう時に量が多めになってしまうのが難しい」と笑顔で話す。
「KBCタウン」は今年で5回目。年間を通じた教育プログラムの集大成的なイベントだ。KBC17店がそれぞれ模擬店を開き、会場に一日限りの街をつくる。模擬店の内容は企画立案の段階から子供たちが主体で考えた。会場内で仮想通貨を流通させ、子供たちが保護者など大人のお客さんを出迎える。島根太郎社長は「『店員の勤務シフト』や『売り上げ』などが机上より実感として学べる」と話す。「バザーと異なり、子供が企画し店舗の中でも主役だ」(島根社長)。この日は前年より1割ほど多い1650人が来場した。
2006年9月に開業したKBCは民間による学童保育の先駆者的な存在だ。4月1日に「武蔵小杉東急スクエア」など3店を開設し、計20店舗となる。入会金が2万1000円。月会費が午後1時から同7時まで週5日コース(8月除く)で4万5000~4万9900円。
島根社長が自身の子育てに苦労した経験から立ち上げた。送迎サービスや預かり時間などを長くし保護者のニーズにこたえてきた。「KBCタウン」に参加していた横浜市の母親は「小学校入学前からKBCに入った。(預けられる)時間が限られる公立に比べ、夜遅くまで預かってくれ、ご飯も出てくる。いろんなイベントが体験できて子供もとても喜んでいる」と話す。