船昌商事(株)

私たち船昌商事は、バナナやキウイフルーツ、アボカド、チェリーなど、世界各地で収穫されたフルーツや青果物を扱う専門商社です。お取引先となるのはスーパー、百貨店などの量販店さまと、本社に隣接した大田市場の仲卸さま。大正13年の創業以来、着実に実績と信頼を積み重ね、関東地区で高いシェアを誇るまでに成長してきました。

しかし、2020年から始まったコロナ禍は、私たちにとっても大きな試練の時期となりました。海運業界の混乱からくるコンテナ不足、燃料の高騰、産地である諸外国の人手不足など、さまざまな要因が絡み合い、従来のような取引が難しい状況になってしまったのです。そうした事態を招かないよう、当社ではこれまで培ってきたネットワークを使って商品の調達に努め、業務のIT化を進めることで、安定供給を続けてきました。人々の生活に欠かせない青果物を扱うという、エッセンシャルワーカーとしての役割を見直す、重要な機会になったと感じています。

その一方、この危機的な状況が、古い体質を残したままだった当社のビジネスモデルを大きく進化させたのも事実です。かねてから運営していた自社のECサイト「Wellness」に改めて注力したのはもちろん、FAXや電話が中心だったお客さまからのご注文もシステム化を推進。倉庫での作業をともなう部署を除いてはテレワークを実施したほか、これまでに取引のなかった産地の開拓も行ってきました。

コロナ禍は、私たちがグローバルなビジネスを行う商社であること、そのビジネスのフィールドでは絶えず大きな変化が起こっていることを、あらためて気付かせてくれたのです。これを機に世間の大きな注目を集めるようになったSDGsも、私たちが取り組んでいかなければならない課題のひとつ。産地と協力し、持続可能な農業を実現しなければ、フルーツの輸入販売は不可能になってしまうからです。そのため、環境に配慮した有機商材を扱うグループ会社「Fruits Net」との連携もより密にしてきました。大きく進化し、変化することを迫られた船昌商事の社内では、営業職や加工職、事務職といった従来からの業務だけでなく、ITやマーケティングなど、新たな活躍の場も広がっています。

今回のコロナ禍も、いずれは沈静化するでしょう。しかし私たちはこの先も進化を続け、フルーツと青果物の専門商社としてのあるべき姿を模索していきます。

<代表取締役社長　関野貴文>