創業約400年という歴史ある温泉宿、自在館は、開湯8世紀と言われる栃尾又温泉の「湯治場」として温泉を守り継ぐ、歴史の面影を残す宿です。温泉に訪れた人々の口頭の伝承によってその効能が広く知られるようになったということからも、本物の温泉であるということがうかがえます。
静かな自然環境の中で心も体も芯から休息をすることができる湯治宿です。
記録のある限り400年(以上)の歴史ある湯治宿で、私は25代目になります。
「観光」ではなく、「療養」を目的として訪れるお客さまが中心で、「未病対策」や健康への意識が高いお客さまが多く訪れます。湯治自体は心や体を直接治すものではなく、自分自身で治ろうとする力をサポートするものです。体のメンテナンスをした結果、気持ちも楽になり、環境面からもリラックスに繋がっていくと考えています。
休む時間やタイミングは人それぞれ。明日への活力を養う為にも、きままに、そして胸を張ってもっとたくさん休んでほしいと思っています。
休むことが生活の一部になれるお手伝いをしていきたいですね。
若旦那のお父さまである社長が描かれたもの。
若旦那や若女将も同じように描かれているそうで、館内のいたるところに、手書きにこだわった案内板が掲示されています。
きっかけは、湯治を利用したお客さまから「久しぶりにこんなに良く寝た」と言っていただいたことでした。眠りの大切さに気付くようになり、ふとんを入れ替えようと考えました。でも、いろいろ試してもしっくりくるものがありませんでした。
ご紹介いただいたムアツは、最初イボイボ(凹凸)の見た目が気になりました。でも、実際寝てみると高反発で寝返りの打ちやすさを実感し、ちょうど良い沈み込みとフィット感がありました。今ではすっかり馴染んで、シーツを掛けるとイボイボ(凹凸)も気にならなくなりました。
また、病院で使われていたという元々の出発点に、「湯治」を提供する立場として共感できました。術後の治療などで長く滞在する方もいらっしゃるなか、「床ずれ防止」という元々の発想自体もこの宿に合っていると感じ、何よりも開発の経緯に共感が持てたことが、湯治の価値を高めてくれると確信しました。
静かな自然環境と良質な温泉で、心ゆくまでゆるりと「休む」。
あたたかな温もりは、昔も今も変わらず受け継がれていく。
自在館さんは、一人でいることが一番休める時間なのではとの考えから28部屋のうち9部屋はお一人さま専用です。また、お料理は懐石でなく、地元の食材を使い地元の女性が作ったものを提供されています。それは、おもてなし重視ではなく、家庭的でホッとするもの、お母さんが作ってくれるようなやさしさや温かさを感じてもらいたいから。
2〜4泊の静養が中心となっている宿ならではの心配りも忘れません。地元の食材を使った身体に優しい献立にも癒やされます。
400年前の創業時から、訪れた人の口頭の伝承、今でいう”口コミ”で、温泉の効能が広く認知されるようになったといいます。それとともに創業時に建てられた薬師堂には、病気が良くなったことだけではなく「子宝に恵まれた」ということで、そういった祈願やお礼参りに訪れる方も次第に増えていったそうです。
効能だけを求めるのではなく、静かな自然環境で「休む」ということに集中できるように心配りがされた空間で過ごす贅沢さが、人々に伝わっていったのだろうと感じました。
そうした中で、ムアツSleep Spaを選んでいただき、快適な空間づくりの一助になれることは何より幸せなことです。
ロビーではピアノやギターが置いてあり、滞在される人に楽しんでいただける企画として、素人限定の演奏会などが年に3回ほど行われているそうです。
飲泉許可の出ている温泉水で淹れたコーヒーは、まろやかでとても美味しく、エスプレッソは一杯ごとに豆を挽いてお出ししているそうで、こだわりを感じます。