関西ニュースKANSAI

　学校法人森友学園（民事再生中）が開校予定だった小学校の建設費用が回収できなくなったとして、施工業者が、籠池泰典・前理事長夫妻に損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁は訴えを棄却しました。

　判決によりますと、施工業者の「藤原工業」は、森友学園が大阪府豊中市に開設予定だった小学校の施工を請け負い、２０１５年に契約書を締結しましたが、２年後に学園が経営破たんし、代金を回収できなくなりました。

　藤原工業は「森友学園は、代金を支払う能力も意思もないのに、支払う意思があるかのようにだましていた」として、籠池前理事長夫妻に１億円の損害賠償を求め、２０１７年に訴えを起こしていました。

　２４日の判決で大阪地裁は「森友学園が経営破たんしたのは、２０１７年に学園をめぐる報道で社会問題となったことによるもの」とした上で、「契約を締結した２０１５年の時点では、籠池氏が代金を支払わないまま学校経営を続けようとしていたとみるのは不合理で、支払う意思がなかったとまではいえない」と藤原工業の訴えを棄却しました。

　判決を受けて藤原工業の社長は、「このようなことが認められれば、業者として安心して仕事ができない。たまったもんじゃない」と、控訴を検討していることを明かしました。