村上信五くんと経済クン「リサーチャー・喜多あおいさんに聞く！この夏おすすめの課題図書」

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【リサーチャー・喜多あおいさん】
喜多さんは、情報バラエティからクイズ、ドキュメンタリー、ドラマなどテレビ番組の企画・制作に必要なリサーチを行う情報収集のプロフェッショナル。これまで手掛けられた番組は「行列のできる法律相談所」「なるほど！ザ・ワールド」「ファミリーヒストリー」「THE TIME,」、ドラマでは「家売るオンナ」「悪女（わる）」など…数えきれないぐらいのヒット番組をご担当。2014年には、毎年放送界で活躍し、優れた功績をあげた女性に贈られる「放送ウーマン賞」を受賞。現在は、東京での仕事は続けながら、住まいを福岡に移し二拠点生活。珍しい辞書と辞典を紹介する「説明マニア」というYouTube番組も開設されている。
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【そもそも“リサーチャー”とは？】
芸能界の「変化し続けるアーカイブ」。少し先を読んだ情報を提供し、スタッフや演者の「クリエイティブのスイッチを押す仕事」。喜多さんはもともと調べものが好きで、それを仕事にしたいと考えた。新聞社や雑誌の編集者を経て、「世界ふしぎ発見！」のリサーチャーの方が書いた新聞の記事を通してリサーチャーの仕事を知る。その求人をずっと待ち、試験を受けて、一番最初に担当した仕事が「なるほど！ザ・ワールド」。当時まだインターネットが普及していなかったので、業界誌や専門図書館で情報を調べた。そのスタイルは今もあまり変わっていない。インターネットも使いながらではあるが、やはり紙の資料で情報に巡り合うことが大切。
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【本の選び方・見方】
まずは一番最後のページ・奥付から見る。発行者である出版社名などが書かれていて、その社名や発行元から信頼度の高さを推し量る。また発行年の確認も大切。少し前に出された本だと、今現在情報が変わっていないかの確認作業が必要になってくる。この見方は本だけではなくSNSにも通じること。回ってきた情報の出元はどこで、いつ発信されたものなのかしっかり確認することが大切。それから、執筆者や目次などを確認する。リサーチャーはニュースソースをいくつ持つかが勝負なので、参考文献も見逃せない。
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【喜多さんが選ぶ！この夏面白くなるためになる本 ベスト３！】
⓵「海を越えた日本人名事典」
→その人が何をしたかとその人の人生が書かれている。教科書に載っている有名な人だけでなく、名もない人がたくさん載っているのがこの本の面白いポイント。その人の人生が垣間見えるので、小説家や映画監督は「これで１本映画作れるんじゃないか」とイマジネーションが膨らむこともある。

⓶「情報の歴史21」
→カラーで見やすい年表になっている。喜多さんがリサーチャーになる前に前身の「情報の歴史」に出会い、“調べものを仕事にする”という目線で情報を見るきっかけになった本。喜多さんが大好きだという松岡正剛さん監修。歴史の中で大きく取り立てることではなくても文化などの視点から大切な出来事が書かれている。税込みで7480円。喜多さんいわく「一家に一冊置いてほしい」！喜多さんは、映画を観た後などにその時代に何があったかという時代背景を調べるために使ったりしているとのこと。

⓷「分子調理の日本食」「理系脳をつくる食べられる実験図鑑」
→「分子調理の日本食」は、化学で調理した料理の写真「スノードームふろふき大根」などが載っていて、見ているだけでも美しく楽しい。紹介されているメニューは、今の時点では専門の薬品などがないと作れず、家庭では再現できない。そのため「理系脳をつくる食べられる実験図鑑」とあわせて読んでほしい。こちらは、同じようなメニューが、実際に作れて食べられる料理が子どもにも分かるように分かりやすく書かれている。書店の違うジャンルの棚でこの２冊を見つけたことから、喜多さんは「食べられる化学」が今後ムーブメントとして来るのではないかと考える。
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【特別編！喜多さんが村上さんにオススメしたい本！】
「世界の戦略図鑑 歴史を動かした最強の叡智がイラストでわかる！」
→佐藤優さんが監修。古代の史実の戦略だけでなく、第７章の「WITH コロナ AFTER コロナ」の戦略、つまり未来を解き明かす戦略まで網羅している。またイラスト満載で読みやすい。
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紹介して頂いた本、どれもとても面白そうでした…！そして、喜多さんのリサーチへの愛情や熱い想いも実感する講義でした。村上さんが出演された27時間テレビのリサーチもされていたという喜多さん。その時の裏話なども伺えて楽しかったです！
坂口愛美