さてこの漫画。あなたには意味が分かるでしょうか。これがフェミニズムらしいので、男性による女性差別について主張しているのではないかとは想像できるのですが、色々とおかしい部分があまりにも多すぎて私には内容が理解できません。
これを理解できる人はなにか特殊な電波をインターネットから受信しているのではないかと思います。
前提条件が色々とおかしい
最初の部分のセリフを見てみましょう。ここから次のことがわかります。
- 女性がアイスを食べることは禁じられている。
- その理由は女性の体質である(とされているが、本当に体質によって食べられないのかは分からない)
これがこの漫画の前提となっていますね。
では現代の日本において、女性がその体質によって何かを禁じられていることはあるでしょうか。体質というのは漫画の中での言い換えであり、言いたいことは「女性であるがために禁止されている」というものでしょうかね。
頑張って考えたのですがないと思いました。
男性であるがために禁止されていることはある
女性であるがために禁止されていることを頑張って考えたのですが、私は見つけることができませんでした。
しかし男性には典型的なものがすぐに思い浮かびます。助産師という職業です。日本では助産師は女性であることが必須条件となっています。
そしてこれは、民間組織が雇用する労働者を選ぶ自由とも異なります。助産師は国家資格です。国が定めた法制度として、男性から職業選択の自由を剥奪しているのが現代日本です。そういうのって女性にありましたでしょうか。
補足:遺族厚生年金保険の男性差別はもっと凄い
厚生年金を収めている配偶者が亡くなった際、遺族へ支給される遺族厚生年金。これの男性差別は凄まじいの一言です。
夫(男性)が死亡した際は、妻(女性)は無条件で支給されます。
妻(女性)が死亡した際は、夫(男性)は妻死亡時に自分が55歳以上でないと支給対象にならず、支給開始も60歳からとなります。
さらに夫(男性)が亡くなった妻は、妻(女性)の年齢が40歳以上65歳未満の場合、”中高齢の加算”という増額が発生します。金額は年間58万4500円ですので最大1461万2500円が女性にのみ発生するわけですね。男性にこれは1円もありません。
また労働災害で亡くなった場合、遺族には”遺族補償年金”というものが発生します。
夫(男性)が死亡した際には、妻(女性)へは無条件で支給されます。妻(女性)が死亡した際には、夫(男性)は妻死亡時に自分が55歳以上もしくは一定の障害を持っていることが条件となります。55歳未満で、一定の障害を持っていないならば男性にこれは1円もありません。
さらには遺族厚生年金とは厳密には違うのですが、寡婦年金というものもあります。寡婦という言葉自体が「夫を失って独身の女性」を指すものであり、その言葉の通り、女性にのみ与えられます。
年金を受け取る前に夫(男性)が死亡した歳は、夫の老齢基礎年金の4分の3に当たる金額が、妻が60歳から65歳になるまでの間支給されます。男性にこれは1円もありません。
こういった制度は、かつて「男性が働く」「女性が家事育児をする」と性別で役割分担して社会をまわしていた時代の名残りでしょうね。私はこれをなくせとは全く思いません。ただ、男性にも同じ権利を与えてほしいです。人から権利を奪って平等にするのではなく、権利を増やして平等にしませんか?
女性にそういう禁止事項はあるだろうか ないと思う
助産師の男性禁止。遺族厚生年金や寡婦年金の男性への著しい制限。こういったものは国が定めた法制度です。法制度が男性をあきらかに差別をしています。「禁止」というのはだいたいそういったものを指すと思います。
そういった差別が女性にあるかと言うと、ないんですね。昔はたくさんありました。しかし時代が男女平等となって直していった結果、女性が損をする法制度は徹底的に平等にしました。男性が損をする法制度は修正されませんでした。
もし私が知らないだけで女性が差別されている法制度があるのでしたら、ぜひコメント欄で教えてください。
会社役員に女性が少ない。
政治家に女性が少ない。
土木作業員に女性が少ない。
工学部(特に機械工学)に女性が少ない。
そういったものはあります。しかしそれらはいずれも禁止はされていません。ただ少ないだけであり禁止はされていない以上、この漫画とは状況が異なります。機会は平等に与えられているはずです。
その機会の平等を奪っていた事例としては、東京医大の女性受験者一律減点がありますね。しかしこれも発覚したら直ちに社会にボコボコに叩かれました。組織や個人の単位ではまだ差別が残っていますが、社会はそれを決して許しません。社会は女性に何かを禁止などしていません。男性へは色々と禁止しています。
個人の差別主義者だってまだまだ存在しますが、彼らは禁止をする権限を持ちませんよ。権利を侵害しようとしてくることはありますが、あくまでも個人の犯行です。
また「少ない」ではなく「ゼロ」の典型例だと、将棋の女性プロ棋士が存在しません。これも女性が勝ち上がってプロ騎士になった例がないだけであり、禁止されていません。
女流棋士という、男性を排除した専用の枠を作って優遇することで女性の競技人口を増やそうなどしているため、どちらかと言えばむしろ女性を優遇している例と言えるでしょう。
他にも女性が優遇されている例としては、レディースデーや女性専用車両などが世の中にはあります。女性専用車両の男性版を私は見たことがありませんが、メンズデーならあります。
そしてこのあたりは、あくまでも民間組織が顧客を選ぶ自由を行使しているだけと言えます。これだけで一概に差別と言えないと私は思います。レディースデーが多いからといって男性差別だとは私は思いません。
これを簡単に言ってみたらブロックされた
と引用リプしてみました。
「女性だから」を理由に何かを禁止されてることはない。その逆「男性だから」はあるけどという内容ですね。
ブロックされちゃいました。法制度によって明確に男性に禁止されている男性差別の実例を示されるのは嫌だったのでしょうか。
漫画の前提部分以外はもはや意味がわからない
上述の通り前提が狂っているため、それ以降の部分について語ったところで意味がないのですが、一応見てみましょうか。ツッコミどころ満載で面白いですよ。
文章で引用しながら読んでみましょう。
(以後、本記事内での引用形式は私による文字書き起こしとなります。手で書き起こしているため、もし誤字脱字があればご指摘ください)
女性「女だけどアイス食べてみたい。男さん羨ましいな。」
男性「何言ってんだ!女はアイス食べれる体質じゃないだろ!」
女性「そもそも食べさせてもらえたことが無いんだから、合わない体質かなんてわからないでしょ!食べてみたいから、男さんも一緒に頼んでみてくれない?」
まずここまでは先程示した前提部分ですね。
上述の通り、女性であるがために禁止されていることが思い浮かばず、何の例えなのかさっぱり不明です。
しかもよく見ると女性にはアイスを食べた前例がないようです。ますます意味不明になってしまいました。現代日本で、女性に前例がなく、そもそも禁止されていることってなんでしょうか。天皇も、女系が禁止されているだけで女性天皇の例がありますし・・・。
男性「俺だってケーキも食べたいけど、お店が遠くにあるから我慢してるんだぞ!」
女性「買いに行けばいいじゃん…」
男性「なんでお前たち女は自分が食べたいものばっかりうるさく主張するんだ!」
女性「私は男さんと同じアイスが食べたいって言ってるだけだよ…」
おかしいですね。女性が男性へ求めたのは、「食べてみたいから、男さんも一緒に頼んでみてくれない?」だったはずです。
「食べたい」というのはただの個人の希望です。殊更、ケーキ屋ではない男性へ伝える意味はありません。食べたいなら勝手に食べてください。これはただの独り言と同じです。
ここで女性が男性へ求めたのは、私へアイスを与えるようアイス屋に頼んでほしいという内容です。アイスが食べたいと言ってるだけではありません。男性に行動を要求しています。
男性「そんなに文句ばっかり言うなら。俺のためにケーキを買ってこいよ!それでフェアだろ!!」
女性「ケーキは女から頼まなくても男さん同士で売ってもらえるじゃん。私たちはアイスもケーキも売ってもらえないんだよ。」
女性は男性へ「アイス屋へ、アイスを私へ売るように頼んで」と依頼したので、ではケーキを買ってきてくれないかというのは普通にフェアなトレード条件と言えるでしょう。ケーキ屋がどの程度遠いかなどは分かりませんが、漫画内で分かる情報だと、フェアです。
しかし新しい設定が登場してフェアさをブロックします。ケーキの購入も女性には禁止?されているようでした。
男性が女性へこれをやれと要求しつつ、女性がそれをやることを禁止されているものとは何なのでしょうか。現代日本にそんなものがあるのかどうか。私には一つも思い浮かびませんでした。都合の良い設定すぎて面白いですね。
男性「そんなの知らない!!!とにかく、俺のケーキを買ってこないのならお前はアイスを買おうとする権利もないぞ!!」
女性「……。じゃあ、お金払うからそれを一口もらえない?」
男性「これは俺のアイス!あげない!!!!」
女性「……。」
女性が買う権利を持たないアイスは、男性からお金により購入することができるようです。え、買う権利あるの?
もし買う権利がないのであれば、男性の返事は「俺のアイスだから」ではなく「女に買う権利はない」となるはずです。つまりこの漫画、、1ページ目では女性にアイスを買う権利がなかったはずが、2ページ目では買う権利が発生してます。そして男性が自分のアイスを金銭で交換することを拒否しているわけですね。拒否するのはもちろん男性の自由です。
女性「アイス家さんはあなた達の仲間でしょ?男さんの話なら聞いてくれるから、女にも売ってくれるようにルール変更を頼んでほしい。それが無理なら、せめて私が頼みに行くのを邪魔しないでくれる?」
男性「俺は今、普通にアイスを買えるから、ルール変える必要がない。そのせいで俺たちの食べれる分が減るかもしれないし、変えるのはいやだ。」
更に更に新しい設定が出てきました。アイス屋さんとこの男性は仲間だったみたいです。世の中を男性と女性に区別して敵と味方にでもしてるんですかねこの人。
また、この漫画内で男性が、女性がアイスを買おうとしているのを邪魔している姿は描かれていません。にも関わらず「邪魔しないでくれる?」という謎の言いがかりが登場しています。いつ邪魔したんだろうか、凄く面白いです。
ちなみにこの漫画、女性がアイスを購入しようとするところから始まるのではなく、男性が食べているアイスを羨ましがる姿から始まっています。買おうとして断られた姿、漫画中にはありません。本当に売ってもらえないんですかね?お金がないだけなのでは?
女性「それじゃあ私が食べれないままだよ!」
男性「でも他の物買えるでしょ?豚汁とかさ。」
女性「私はあなたと同じようにアイスを買って食べたいだけなの!」
男性「豚汁飲めるのにアイスも食べたいなんてわがままだね。だからケーキを買ってきたら考えてあげるってば。」
女性「……。」
男性「女はわがままばっかり言うね。おとなしくしておいたほうがいいよ。」
これで漫画は終了です。
結局漫画内で女性は一歩も動かず、アイスを買おうと試みず、その場でアイス屋さんではない男性に向かってアイスがほしいアイスがほしいと言い続けているだけというものでした。あとやたら泣いてました。
そりゃあ、アイス屋ではない男性にアイスがほしいアイスがほしいといっても、その男性がアイスを与えなればいけない義務はありません。優しい男性ならもしかしたらくれるかも知れませんけど、義務ではありません。あと、食べさしのアイスを渡したらセクハラ扱いだと思います。
ちなみにかつて男尊女卑と言われていた時代は、男性はそうやって女性にものを与えることがステータスだったと言えます。
私の母がちょうどバブル世代なのですが、大学生の頃は財布すら持たず街で遊べたそうです。暇そうにしていれば男性がナンパしてきて、ごはん、デザート、遊び、ショッピング、なんでも奢ってくれた時代だったそうです(肉体関係なしで夜には解散)。その分言葉では男性をヨイショしてたそうですが・・・そういう時代を欲してるんでしょうか。
補足:ら抜き言葉がすごく気に食わないのですが、原文がそうなっている以上は勝手に変更せず書き起こす必要があり、私の心が拒否反応を示しています。
書き直しておいたぞ
ブロックされてしまったので、漫画を書き直してあげました。
とは言っても勝手に画像を書き換えたら著作権法上問題があるので、フリー素材としていらすとやさんから素材をもらってきて再構築しました。
これがフェミニズムということですね。しっくりきました。
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