日本にも家紋は有りますし、多くの国で自らの家系を示す紋章というのは使われて来ましたが、イスラエル12支族においても、それぞれの家紋を用いたようです。
ルベン族=太陽
シメオン族=魔法瓶と剣
ユダ族=獅子
ダン族=蛇
ナフタリ族=鹿
ガド族=天幕
アシェル族=オリーブの木
イッサカル族=驢馬
ゼブルン族=帆船
ベニヤミン族=狼
マナセ族=椰子の木
エフライム族=葡萄
いかにも意味有り気な紋章の数々ですが、この由来はヤコブの遺言によるものです。
創世記49:1
ヤコブはその子らを呼んで言った、「集まりなさい。後の日に、あなたがたの上に起ることを、告げましょう、ヤコブの子らよ、集まって聞け。父イスラエルのことばを聞け。
ルベンよ、あなたはわが長子、わが勢い、わが力のはじめ、威光のすぐれた者、権力のすぐれた者。しかし、沸き立つ水のようだから、もはや、すぐれた者ではあり得ない。あなたは父の床に上って汚した。ああ、あなたはわが寝床に上った。
シメオンとレビとは兄弟。彼らのつるぎは暴虐の武器。わが魂よ、彼らの会議に臨むな。わが栄えよ、彼らのつどいに連なるな。彼らは怒りに任せて人を殺し、ほしいままに雄牛の足の筋を切った。彼らの怒りは、激しいゆえにのろわれ、彼らの憤りは、はなはだしいゆえにのろわれる。わたしは彼らをヤコブのうちに分け、イスラエルのうちに散らそう。
ユダよ、兄弟たちはあなたをほめる。あなたの手は敵のくびを押え、父の子らはあなたの前に身をかがめるであろう。ユダは、ししの子。わが子よ、あなたは獲物をもって上って来る。彼は雄じしのようにうずくまり、雌じしのように身を伏せる。だれがこれを起すことができよう。つえはユダを離れず、立法者のつえはその足の間を離れることなく、シロの来る時までに及ぶであろう。もろもろの民は彼に従う。彼はそのろばの子をぶどうの木につなぎ、その雌ろばの子を良きぶどうの木につなぐ。彼はその衣服をぶどう酒で洗い、その着物をぶどうの汁で洗うであろう。その目はぶどう酒によって赤く、その歯は乳によって白い。
ゼブルンは海べに住み、舟の泊まる港となって、その境はシドンに及ぶであろう。
イッサカルはたくましいろば、彼は羊のおりの間に伏している。彼は定住の地を見て良しとし、その国を見て楽しとした。彼はその肩を下げてにない、奴隷となって追い使われる。
ダンはおのれの民をさばくであろう、イスラエルのほかの部族のように。ダンは道のかたわらのへび、道のほとりのまむし。馬のかかとをかんで、乗る者をうしろに落すであろう。
主よ、わたしはあなたの救いを待ち望む。
ガドには略奪者が迫る。しかし彼はかえって敵のかかとに迫るであろう。
アセルはその食物がゆたかで、王の美味をいだすであろう。
ナフタリは放たれた雌じか、彼は美しい子じかを生むであろう。
ヨセフは実を結ぶ若木、泉のほとりの実を結ぶ若木。その枝は、かきねを越えるであろう。射る者は彼を激しく攻め、彼を射、彼をいたく悩ました。しかし彼の弓はなお強く、彼の腕は素早い。これはヤコブの全能者の手により、イスラエルの岩なる牧者の名により、
あなたを助ける父の神により、また上なる天の祝福、下に横たわる淵の祝福、乳ぶさと胎の祝福をもって、あなたを恵まれる全能者による。
あなたの父の祝福は永遠の山の祝福にまさり、永久の丘の賜物にまさる。これらの祝福はヨセフのかしらに帰し、その兄弟たちの君たる者の頭の頂に帰する。
ベニヤミンはかき裂くおおかみ、朝にその獲物を食らい、夕にその分捕物を分けるであろう」。
すべてこれらはイスラエルの十二の部族である。そしてこれは彼らの父が彼らに語り、彼らを祝福したもので、彼は祝福すべきところに従って、彼らおのおのを祝福した。
これらの予言めいた言葉が、聖書の中や歴史でどのように展開されたのかは、今、研究中です。
シメオンとレビが暴虐の剣としてセットになっていますが、創世記34章において、ヒビ人に妹のデナを汚された事に怒った二人は、後にヤコブの子らの要求通りに割礼も行い、正式に婚約したにも関わらず、そのヒビ人を虐殺したという経緯が書かれています。
仮にそこでヒビ人との婚約が進んでいれば、民族が一つに成り得たかも知れませんが、そのような事件のせいで、彼らは別れざるを得ませんでした。
35章では不思議な事に、ヤコブが天使?との組打ちで勝利した後に与えられた「イスラエル」の名前を、もう一度与えられる行が有ります。
ヤコブは2回、イスラエルの名を与えられています。
これはシメオンとレビの罪の故に一時は勝利圏を失い、異教の神を捨てる事によって蕩減条件を立て、もう一度、勝利圏が付与された事を示すのかも知れません。(創世記35章参照)
原理講論には書かれていませんので、詳細は分かりませんが、聖書にはこのような謎が有ります。
ここまで書いておいて話は変わるのですが、私が今、別件で調査している事で、天皇家やロスチャイルドに関わる事が有るのですが、その両家の紋章が非常によく似ているという情報が見つかりました。
ロスチャイルドの紋章は本来の家名である「Rot Child」ロット・シルト(赤い盾)にちなんで、盾をモチーフにした紋章となっており、左に獅子、右に一角獣が描かれています。
彼らはドイツ系ユダヤ人であり、ユダ族の紋章である獅子と、ヨセフ族の紋章である一角獣を相続しているという見解が有るようです。
ここで言うヨセフ族の紋章の資料が私には見つけられていないのですが、ヨセフ族はマナセ族とエフライム族として紋章を持っているので、このヨセフ族の紋章の由来がどこに有るのか良く分かりません。
ところで、日本の天皇家の紋章とは菊花紋で有名ですが、そのロスチャイルドの紋章に酷似した別の紋章も有るそうです。
画像を貼り付けるのが面倒なので説明すると、大体の構図は同じで、中心に盾の様なものが有り、中には菊花紋と小さい獅子が12頭、上部にはダビデの紋章である六芒星が複数。
その盾の左に麒麟(一角獣)、右に獅子が描かれています。
これらの類似性が何を意味するのかは分かりません。
勿論、日ユ同祖論の系統を主張される方は、日本の天皇家が正統なイスラエルの継承者である事の材料の一つとしています。
ただ、今日、私が言いたいのはその事ではなく、ユニコーンだとか麒麟だとか呼ばれる一角獣についてです。
現在の聖書には恐らく一角獣という表記は有りませんが、ラテン語の公式聖書としての「ウルガータ訳」では一角獣という言葉が記載されており、現代ではその部分が「牛」に書き換えられているそうなのです。
民数記23:22
「神は彼らをエジプトから導き出された、彼らは野牛の角のようだ」
申命記33章17節
「彼の牛のういごは威厳があり、その角は野牛の角のよう」
ヨブ記39:9
「野牛は快くあなたに仕え、あなたの飼葉おけのかたわらにとどまるだろうか。あなたは野牛に手綱をつけてうねを歩かせることができるか、これはあなたに従って谷を耕すであろうか」
詩篇22:21
「わたしをししの口から、苦しむわが魂を野牛の角から救い出してください」
イザヤ34:6
「主のつるぎは血で満ち、脂肪で肥え、子羊とやぎの血、雄羊の腎臓の脂肪で肥えている。
主がズボラで犠牲の獣をほふり、エドムの地で大いに殺されたからである。
野牛は彼らと共にほふり場にくだり、子牛は力ある雄牛と共に下る。」
他にも有るかも知れませんが、以上の赤字の野牛は、ウルガータ訳では全て「一角獣」と訳されていました。
現代の聖書にも見られる一角の獣はダニエル書に出てきます。
ダニエル8:5
「わたしがこれを考え、見ていると、一匹の雄やぎが、全地のおもてを飛びわたって西からきたが、その足は土を踏まなかった。このやぎには、目の間に著しい一つの角があった」
馬ではなく山羊ですが、一角獣ではあります。
何故、一角獣が野牛に書き換えられたのかは分かりません。
一角獣の訳の方が誤りである可能性もあるのでしょうか。
一角獣は上記の表記からすると、神聖なもののようでもあり、人間を苦しめる怪物のようにも見えます。
数々の民話でも、一角獣は凶暴な側面が強いようにも思えます。
何故、一角獣が聖書から消されたのでしょうか。
野牛であれば角は二本になります。
一角獣を家紋にした一族にとって不都合だから改竄されたのでしょうか。
ヨセフ族の紋章と言われますが、ヤコブの遺言にそれらしきものは見当たりません。
この謎に迫りたいですが、何らかの資料を御存じの方は教えて下さいませ。
お読み下さりありがとうございました。