リスク改善体制の不足指摘 富士急事故で第三者委
ジェットコースター「ド・ドドンパ」で乗客が首などを骨折した事故で、富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)が設置した安全管理体制を調べる第三者委員会が25日、「リスクの予兆を集約して改善する組織的仕組みが必要だった」とし、同社の対応の甘さを指摘する調査結果を発表した。
調査結果などによると「ド・ドドンパ」では、2020年12月に負傷者が出て、同社は上層部も含め社内で情報を共有した。その後、4人目の負傷者が出た21年8月12日まで運行を続け、県に報告したのは同17日だった。
25日に記者会見した第三者委の上山信一委員長(慶応大教授)は「社内には情報がすぐに共有されていたが、機器の異常がなかったことを根拠に運行を続けた」とし、対応に問題があったと指摘した。
再発防止に向け、リスクを把握した段階で、注意を呼び掛ける看板を設置するといった現行の対策を徹底したり、必要に応じて運行を止めて改善を図ったりすることが必要だと指摘。リスク管理のための仕組みづくりも提言した。
同社は、既に遊園地内のアトラクションを総点検するなど対策を進めていると説明している。〔共同〕