交差反応(似た構造を持つ物質に対してアレルギー反応が起こること)を起こすと懸念されているポリソルベート(不整脈の薬や糖尿病の薬、肺炎球菌のワクチンなどの他、乳化剤としてチョコレートにも含まれている)に関しても、アレルギー歴のある人は、専門家が接種の可否を判断する必要がある。ポリソルベートはアストラゼネカのワクチンに含まれている

これまで、薬や化粧品、ワクチン、食品にアレルギーのある人は、まずはかかりつけ医に相談してほしい。また、薬品の添付文書でも、ポリエチレングリコールやポリソルベートを含むかどうかは確認することができる。

インフルエンザのワクチンは卵の成分が含まれているため、卵アレルギーの人は接種できないことで有名だが、ファイザーのワクチンには卵の成分は含まれておらず、接種して問題ない

また、ワクチンを接種するからといって、飲んでいる薬をやめる必要はない。ワーファリンなど、「血液をさらさらにする薬」を飲んでいる人は、血が止まりにくく長めの止血が必要だが、自己判断で休薬するのは、もとの病気が悪くなるおそれがあるため、おすすめできない。

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モデルナ製の「心筋炎」の可能性について

アナフィラキシー以外にも留意すべき副反応がある。モデルナのワクチンでは、頻度は低いが心筋炎が起こる可能性が示唆されていて、現在CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が精査中だ。早合点しないでいただきたいのは、現在、因果関係を含めて精査中であって、因果関係が確認されているわけではないということだ。

CDCは、これまでに報告されている心筋炎の傾向として以下の点を挙げている(※3)

・思春期、若年者に多い。
・女性よりも男性に多い。
・1回目よりも2回接種後に多い。
・典型例では、接種後4日以内の発症。

厚生労働省は職場での接種はモデルナを使用すると発表している。今後、ワクチンを選べるようになる可能性もあるが、若い人は、上記を覚えていくといいかもしれない。とりあえず、心筋炎の副反応があるのかどうか、続報を待つ必要がある。