家庭教師のトラコ#06[解][字][デ]…のネタバレ解析まとめ

出典:EPGの番組情報

家庭教師のトラコ#06[解][字][デ]

謎多き家庭教師の究極の質問「人は愛で動くのか、お金で動くのか」に、超上流家庭の後妻となった元クラブのママがだした超意外な答えとは…橋本愛主演!個別指導式ドラマ!

出演者
橋本愛、中村蒼、美村里江、細田佳央太、矢島健一、丸山智己、細田善彦、阿久津慶人、加藤柚凪、板谷由夏、鈴木保奈美
番組内容
トラコ(橋本愛)に3000万円で児童養護施設を救いたいと依頼された上原里美(鈴木保奈美)は、頭取へ昇進が決まった夫(矢島健一)なら愛ある人だから融資してくれると豪語するが、拒否されてしまう。何とか救いたいと考える里美は、トラコに上原家の3000万円のヴァイオリンとワインと絵画を偽物にすり替え、売ってしまってもばれないと提案を受け、実行に移す。偽物にすり替わった中、頭取就任パーティーが開催され……。
監督・演出
【演出】岩本仁志
原作・脚本
【脚本】 遊川和彦
音楽
【主題歌】
 「茜」森山直太朗(ユニバーサル ミュージック)
【音楽】
 平井真美子
制作
【チーフプロデューサー】 
田中宏史
石尾純
【プロデューサー】
大平太
田上リサ(AX―ON)

【制作協力】 AX―ON
【製作著作】 日本テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

テキストマイニング結果

ワードクラウド

キーワード出現数ベスト20

  1. 里美
  2. 憲一
  3. 主人
  4. 施設
  5. 自分
  6. 先生
  7. 利明
  8. ママ
  9. 子供
  10. ハァ
  11. 智代
  12. 本物
  13. 何言
  14. 結婚
  15. お金
  16. 一緒
  17. ホント
  18. 偽物
  19. 結局
  20. お前

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

   ごあんない

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

全て無料!民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから → 民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」

他にも、無料お試し期間のある配信サービスがありますので、以下バナーなどからラインナップを調べてみるのもいいかもしれませんね。



created by Rinker
¥250 (2022/08/24 18:05:01時点 Amazon調べ-詳細)

(店員) こちらの商品は
いかがでしょうか。

(上原里美) かわいい!

着けてみてもいいかしら?
はい。

(根津寅子)
あのおばさんだから 分かった?

(里美)
誰か捕まえて! 私のバッグ!

(男の子) うっ… 離せよ!

警察に連れて行きますね。

きっと ひったくりの
常習犯ですよ この子。

許してよ!

ちょっと待ってください!

ねぇ
どうして こんなことしたの?

怒らないから言ってみて。

力になってあげられるかも
しれないし。

(施設長)
本当に申し訳ありません。

私から きつく叱っておきますので
どうか警察だけは…。

大丈夫です
そんなつもりないんで。

ありがとうございます。

じゃあ これで。

(男の子) ごめんなさい。

(施設長) ひとのものを取ったら
ダメだって分かるでしょ?

でも 何で
あんなことしたのかしら?

もしかしたら…

この施設を救いたかったのかも。

どういうこと?

調べてみたら
長年抱えた負債が膨らんで

閉鎖する一歩手前みたいなんです。

実は 私も昔

ここに似たような施設で
育ったんです。

そうなんですか。

だから ひとごとに思えなくて。

何とか
助けてあげたいんですけど

いかんせん 金額が大き過ぎて。

ちなみに 幾らぐらいあれば
つぶれずに済むのかしら?

3000万です。

あ~ そんなに…。

あしながおじさんとか
タイガーマスクみたいな人が

いればいいんですけどね
どっかに。

ねぇ 先生

取りあえず
主人に相談してみます。

いいんですか?

私から頼めば きっと
力になってくれると思うんで。

あなた…。

ちょっとお話が。
(上原利明) 何だ?

(拍手)

(上原憲一)
お父さん おめでとうございます。

(上原 椿) ネットに出てたわよ
新頭取就任のニュース。

ウッソ! そうなんですか?

ママ これ。

(憲一) さすがですね お父さん。

副頭取に
初めて女性を起用するなんて。

金融庁でも話題になってますよ。

(利明)
女性登用が叫ばれてる今の時代

別に騒ぐようなことじゃ ない。

キレイな方ね 副頭取の方。

別に容姿で選んだわけじゃ ない
優秀なんだ 彼女は。

あっ すいません
それでね あなた…。

憲一 来週あたり
就任パーティーをやるんだが

上原家を代表して
司会を頼めるか?

もちろんです
お父さんの晴れ舞台ですから。

(利明) 椿には
何か1曲 演奏してもらおうかな。

じゃあ 買ってもらった
ストラディバリウス が届いたんで

お披露目しようかしら。
楽しみですね。

確か お値段は
3000万でしたっけ?

(椿) ええ 本物の音を
お聴かせしますわ。

(憲一) お父さん
じゃあ パーティー会場に

この絵も飾っていいですか?

(利明) お~ 誰の作品なんだ?

今 ニューヨークで話題の
新進気鋭のアーティストなんです。

ちなみに
その絵は お幾らなんですか?

運よく 3000万で手に入って。

あら 偶然
それも3000万ですか。

あの あなた…。

将来 値は上がりそうなのか?

(憲一) もちろんです。
なら結構 素晴らしいじゃないか。

(上原 守) あ~ じゃあ

俺はパーティーで
新ネタ お披露目しようかな。

名付けて 「うちの父は最強伝説」。

え~ うちの父は どんな時でも
ポーカーフェースでして。

例えばね 熱湯風呂に
入れられそうになった時もね…。

お前は出なくていい。
えっ?

今は大変な時期だし
受験勉強に専念したらどうだ?

でも あなた 守も家族だし。

あ~ いいよ 母さん。

俺も そういう堅苦しいの
苦手だし。

でも…。
そうだ。

シャトーモリーの1986年を
10本ほど頼んどいたが

届いてるか?
はい こちらに。

(利明) 私が銀行に入行した年の
ものなので

就任パーティーで
振る舞ってくれないか 皆さんに。

はい。
お高いんでしょ?

お幾らするんですか? 1本。
別に それほど。

300万なので。
ってことは

10本で3000万ですか。

あなた 実は 今 経営難で困ってる
児童養護施設が近くにあって

3000万あれば
つぶれずに済むそうなんです。

だから?

あなたの力で
助けてあげてもらえませんか?

そこがなくなると

小さな子供たちが
路頭に迷うことになるんです。

確かに このタイミングで
慈善活動をなさったら

イメージアップになるかも
しれませんね 新頭取の。

お願いします。

分かった 融資部に検討させよう。

ありがとうございます!

守 入るわよ。

(守) ≪は~い≫

あんたも変わったわね。

トラコ先生の授業が終わっても
お勉強してるなんて。

この分だと
次の模試 B判定 狙えるわよ。

まあね。

何よ 成績上がってるのに
うれしくないの?

いや うれしいよ
勉強だって楽しくなって来たし。

うん じゃあ な~に?

近いうちに この家 出て
アパート借りようと思うんだ 俺。

ちょっと 何言ってんの? あんた。

だって
お笑いでビッグになった時

「実は俺
実家がお金持ちでした!」

…な~んて言ったら
レジェンドにならないでしょ?

それに俺は
この家は合わないっていうか

父さんたちといても
肩が凝るだけだからさ。

何 勝手なこと 言ってんの?

お笑いで売れる保証なんか
全然ないのに。

もちろん
母さんには迷惑掛けないよ。

実は もうバイトも始めて
アパートも探してるんだ。

絶対許しませんからね!

あんたは この家で暮らせるのが
どんなに幸せだか

分かってないのよ!
そういう母さんこそ

この家 来てから
ちっとも楽しそうじゃないけど?

何言ってんの?
私は十分 ハッピーよ!

そうかな?
いくら母さんが優しくしても

兄さんたちは
相変わらず冷たいし

父さんだって 何のフォローも
してくれないじゃん。

今 お父さんの就任パーティーで
大変なの。

だから それまでは
おとなしくしてなさい。

勝手なまねしたら
絶対 許さないからね。

♬~

何なのよ もう
いきなり変なこと言い出して。

ハァ~。
お風呂いただきました。

あ~ 先生 聞いてくださいよ
守が…。

この家を出て 1人暮らしする
って言い出しました?

えっ 知ってるんですか?

ええ 私も賛成しましたから。

何で そんなことするんですか?

あの子は高校生なんですよ まだ。

若い時の苦労は 買ってでもせよ
っていいますし

あの施設の子供たちに比べたら

守君のつらさなんて
屁でもありませんから。

そうかもしれませんけど…。

それより ご主人

3000万 本当に
融資してくださるでしょうか?

もちろんです
先生も さっき聞いてたでしょ。

でも あれは
検討するって言っただけじゃ?

主人は 一見 冷たく見えますけど
愛情深い人なんです。

前の奥さんが亡くなったら

すぐ私を
上原の籍に入れてくれて

守も一緒に暮らせるように
認知してくれたし。

じゃあ 賭けませんか?
えっ?

人は愛で動くのか
お金で動くのか。

「愛こそ全て」とか言いますけど

所詮 人は自分に利益がないと
何もしない動物だと思いますよ。

特に 銀行家であるご主人は。

あぁ… 先生は
主人のこと分かってないから

そんなこと言うんです。

私は信じてます。

あの施設を絶対救ってくれるって。

そうですか 楽しみですね。

♬~

(中村知恵) はい! 先生 質問。
な~に?

今日 保育園でね
大きくなったら 誰と結婚したい

…って話してたんだけど

断トツ1位が お金持ちだったの
どうしてかな?

ちなみに
知恵ちゃんは何て答えたの?

パパ!
どうして?

だって パパが大好きだから!

でも それだけで結婚したら

大人になって
後悔するかもしれないわよ。

えっ どうして?

(中村真希) ちょっと!
また 新しいプラモデル買ったの?

(中村朔太郎)
だって ずっと欲しかったのが

ネットオークションに
出てたからさ。

あのさ 分かってる?
今のうちの経済状況。

もちろん 俺も一生懸命 働くし

あとは
夫婦で支え合って行けばさ。

何 甘っちょろいこと言ってんの!

来月からお小遣い 1万ダウンね。
いやいやいや 勘弁してくれよ!

そっちだって
好きなもん買ってるじゃないか!

この書籍代だって 7800円!

これは仕事の資料代
必要経費でしょ 必要経費。

だったら
プラモだって必要経費だろ?

おもちゃ作る会社で
働いてんだから 俺は。

給料は いつまでたっても
上がらないけどね。

また そういう殺伐としたこと。

結婚する前は
いつまでも子供心を失わない

俺の純粋さが好きって
言ってたじゃん。

タイムマシンがあったら
その頃の自分に忠告する。

そんな甘っちょろい考えで
結婚すると

後で痛い目 見るわよって。

パパみたいな人と結婚すると
ママみたいに苦労するみたいね。

分かった
知恵もお金持ちと結婚する。

結構 切り替え早いのね
知恵ちゃん。

フフフ…。

(下山智代) はい お待ち~!
いただきます!

女将さん
具合はどうですか? あれから。

(智代) 順調 順調!

もう少しさ
元気になったらね 私

マラソンで オリンピック
目指しちゃおうかと思ってんのよ。

お~ もしかして
昔の夢をもう一度! みたいな。

そうなの~!
ハハハハ…。

高志にね デッカい夢を持て
って言うんだったら

まず自分がと思ってさ
目指すのは自由だし。

うん! 健康にもいいですしね。
そう!

(下山高志)
俺も 夢ができたんだけど。

えっ! あんた
高校か大学 入ってから

見つけるって言ってなかった?
そのつもりだったけど

母さんが ガンになったせいで
やりたいことが見つかったから。

な~に? それ。

俺 医者になりたい。

母さんが これから どんな病気に
なっても 治したいから。

ちょっと 何て 母親思いの
いい子なのよ あんた もう。

ねぇ 先生!
ええ。

でも そうなると女将さんは
もっと稼がないといけませんね。

えっ?

医学部は 他の学部より
何倍も学費が高いし

しかも 6年分 必要ですから。

ヤダ 何か また
胃が痛くなって来ちゃった。

角煮定食を
値上げしたらどうですか?

いや~ そうなんだけどさ

うちは ほら
お父ちゃんの代から

安くて うまい
っていうのがモットーだし。

角煮定食を愛してくれている
お客様のためにも

今の値段のまんまで
頑張りたいのよ。

でも大変ですよ
物価は上がる一方だし。

ん~。

愛だけは いっぱいあんだけどね
うちにはねぇ。

(ドアが閉まる音)

おかえりなさい
遅かったんですね。

あちこち 頭取就任の
挨拶回りがあったからな。

そうですか
あんまり無理しないでくださいね。

分かってる。
それでね あなた

この前の養護施設のお話ですけど。

あ~ それなら なしだ。

えっ… どうしてですか?

あそこの施設は
責任者に運営能力がないらしい。

回収できないところに融資しても
ただの捨て金だからな。

でも あそこがなくなると
困る子供が たくさんいるんです。

それは銀行じゃなくて
国が何とかする問題だろ。

そこを何とか あなたの愛で。

お前こそ 自分がやるべきことを
考えたらどうだ?

何ですか? それ。

就任パーティーの手配や準備で
やることは山ほどあるだろう。

少しは 頭取夫人の自覚を持ったら
どうなんだ?

すいません。

ハァ…。

ここで 就任披露パーティー
やるんですってね。

(里美) あぁ…。

上原家の迎賓館みたいな所
なんで

お客様を招待する時は
いつも ここで。

で?
えっ?

やっぱりダメだったみたいですね
あの施設への融資。

いや まだ決まったわけじゃ…。

もう忘れていただいて結構ですよ
誰も恨みませんから ママのこと。

でも子供たちは 次の受け入れ先も
養父母も見つからず

つらい思いをするでしょうけど。

でも せっかく知り合ったんだし
何とか助けてあげたくて。

もしかして ご自分の貯金から
助けるおつもりですか?

でも 3000万には
全然足りなくて…。

それに…。

守君の教育資金に
ためたものだから

簡単に手を付けるわけには
いきませんもんね。

ねぇ 先生
どうしたらいいかしら?

ママ ピンチを救うヒントは

結構 すぐそばにある
っていいますよ。

えっ どういう意味ですか?

えっ?

これを偽物とすり替えて

売ったお金で施設を救うんです。

え~!?

お値段は3000万だし
ちょうどいいじゃないですか。

そんなこと
できるわけないじゃないですか。

第一 偽物は
どうやって手に入れるんですか?

今 世界の美術品の半分は
偽物だといわれるほど

本物そっくりの贋作を作るプロは
たくさんいるんです。

そうだ! ついでに

あの絵とシャトーモリーも
取り換えちゃいましょうか。

そんなの犯罪じゃないですか!

主人たちに
バレるに決まってるし。

そうでしょうか。

テレビの格付け番組でも

一流ぶって
偉そうにしてるヤツに限って

見抜けないじゃないですか
一流の品を。

(チャイム)

こんにちは ヒグマ急便です。

ご苦労さまです。

(里美) あ~ 私がやるからいいわ。

どちらへ運びましょう?

あっ えっと… あちらへ。

(福田福多)
こちらが2万円の贋作です。

それで こちらが

1万円の贋作です。

いかがです?
全然 見分けつかないでしょ。

ええ まぁ…。

そして これが中身1本980円の
偽シャトーモリーです。

ちなみに
ラベルは私が作りました。

手先が器用なもので。

はあ…。

じゃあ 早速 入れ替えましょうか。

暗証番号は ご存じですか?

多分…。

椿さんは大抵 亡くなったお母様の
誕生日にしているから。

(解錠音)
さすがママ!

♬~

じゃあ 絵とシャトーモリーも
取り換えちゃいますね。

あの やっぱり やめませんか?
絶対バレますよ!

主人たちは 昔から
目も耳も舌も肥えてるから。

だったら 一度 試してみません?

もし バレなかったら
売っちゃえばいいんだし。

ワインもらえるか?
はい。

せっかくなんで
パーティーの前に

シャトーモリーを
味見なさったらいかがですか?

(利明) どうしたんですか? 先生
その格好。

本物のワインを
飲んでいただく時は

このほうが
気分が出るかなと思いまして。

コスプレが趣味なものですから。

なるほど。

♬~

♬~ (香りを嗅ぐ音)

♬~

いかがですか? お味は。

ん~?

どうかされました?

これは…。

予想以上に いい味だ ハハっ。

そういえば
憲一さんの買われた絵も

とってもステキでしたね。

でしょう?
さっきも見てましたけど

やっぱり 僕の見る目に
間違いはないなって。

そうだ 椿さん せっかくなんで

ストラディバリウスの音を
聴かせていただけません?

えっ?
私も聴きたいな。

就任パーティーで
弾いてくれる曲を。

(椿) クライスラーの『愛の悲しみ』ね
いいわよ。

母さん 大丈夫?
何か 具合悪そうだけど。

あ~ そんなことはないけど。

♬~

♪~

♪~

(拍手)

素晴らしいじゃないか!

どうした? 何か不満なのか?

私も こんなに響きがいいと
思わなかったから。

(憲一)
やっぱり本物は違いますね。

(利明) ああ。

(守) そうかな?

何か 駅前のバイオリン教室から
聴こえて来るのと

同じような感じしたけど。
(椿) はぁ? 何言ってるの?

それに 兄さんの絵も

どこがいいのか
さっぱり分かんないし。

物の価値が分からない素人は
黙ってろ。

はいはい すいませんね。

四流芸能人は
おとなしく画面から消えますよ。

じゃあ バイトあるんで
失礼しま~す!

ちょっと 守!

結局
誰も気が付きませんでしたね。

これで
はっきりしたんじゃないですか?

本物を売っても
誰も困らないって。

早く あの子たちを
助けてあげましょ。

いい買い取り業者
紹介しますから。

じゃあ 受け取りに
サインしていただけますか。

失礼いたします。

♬~

♬~ ハァ…。

♬~

あ~ ごめんなさい。

もうちょっとだけ
考えさせてください。

どうしてですか? 早くしないと
あの施設なくなっちゃいますよ。

やっぱり できれば
こんなことしたくないんで。

誰か 助けてくれる人 探します。

慈善活動してる知り合いも
たくさんいるんで。

(インタビュアー)もったいな~インタビュー!
コップさんと ティースプーンさんは

もったいないと思うこと ありますか?
(コップ)洗剤の泡切れですね。

(ティースプーン)そう! 泡切れが悪いと
お水 たくさん使うでしょ~!?

あっ 今 ティースプーンに
泡切れ 関係ないだろと思ったでしょ。

いえ 思ってないです。
でも 花王さんは

泡切れを すごく
研究されているので…。

サ~ッと すすげますよね~!

(コップ・ティースプーン)ホホホ…。

あっ 今 ティースプーンに
洗剤いらねえだろと思ったでしょ。
いや 思ってないですって~。

<もったいないを ほっとけない。 花王>

(里美) ところで 慈善活動に
ご興味がおありでしたよね?

あ~ いえ マスコミを呼んで
アピールするとか

そういうことじゃなくて。

親のいない子供たちを
純粋に助けたいだけなんです。

あの そんなこと
おっしゃらないで…。

(通話が切れた音)
あ… もしもし?

(憲一) 混沌とした世界に
命を吹き込むような

躍動感が素晴らしいんですよ。

5年後には きっと
10倍の値が付きますよ。

(里美) 憲一さん。
何ですか?

慈善活動に興味ありません?
この前も話したけど

経営に困ってる
児童養護施設があるんです。

そういった話は
厚労省にしてください。

僕は金融庁の人間なんで。

(里美) あの 椿さん…。

(里美) 児童養護施設に
ご興味ないかしら?

何が目的なんですか? 里美さん。
どういう意味ですか?

私は寄付とか
一切信用しないんで。

お金 集めてる人が
ネコババしてるかもしれないし。

ハァ~!
(手帳をたたく音)

ハァ…。

えっ?

(守) はい。

何? これ。
いや バイト代 入ったから。

全然足りないと思うけど
その施設に寄付してあげてよ。

だって これ

1人暮らしするために
ためてたお金でしょ?

いいの いいの!

これも 将来のレジェンドのため
っていうか

俺 未来の大スターだよ!

苦しんでる子供
放っておけないじゃないですか。

つらいですね。

今月中に3000万ないと
施設がなくなってしまうなんて。

そうなの
何とかしてあげたいんだけど。

(智代) しょうがない!
私が出してあげましょう。

はい 3000万!
(里美) えっ?

(智代) ヘヘヘ… すいません
ちょっと うちも苦しくて。

(里美) いいんです。

ちょっと愚痴っただけで
そんなつもりじゃ。

私もすみません。

フリーになったばっかりなんで
これくらいしか。

あの~ ホントに結構ですから。

これじゃ
何の足しにもならないし。

(智代:真希) えっ…。

あっ ごめんなさい。

じゃあ… ありがたく。

でもね ビックリですよね 上原さんが
そんな お金に困るなんて。

この間までさ
私が息子に残すお金のことで

2人に相談してたのに。

ってことは あれ やっぱり
お友達の話じゃなかったんですね。

あ~! バレちゃいました?
フフフ…。

でも ご心配なく
今は 気分は日本晴れ!

体調も すっかりいいんで
フフフ…。

(里美) よかったですね。
はい!

ヤダ 上原さん 元気な~い。

何か他に方法ないんですか?
お金を集める。

ないことは ないんだけど…。

例えば?

トラコ先生が バイオリンをね…。

ええ。
うん。

あ~ いえ 何でもないの。

ヤダ 気になる!

結局 旦那さんに もう一回
頼むしかないんじゃないですか?

でも いろいろあって…。

回収できないものに
融資するの嫌がる

…って言ってましたもんね
ご主人ね。

銀行ってホントに薄情ですよね。

ひとが つらい思いしてようが
どうでもよくって

自分の利益にしか
興味がないんだから。

いえ 主人は そんなんじゃ…。

昔 富岡製糸場などで財を成した
実業家の原 三溪は

自分の横浜の庭を三溪園として
一般市民に開放したり

売れてない画家に
多大な援助をして

その中から横山大観など

有名な人が
たくさん出てるんですよ。

こういうのが お金持ちの正しい
お金の使い方だと思いませんか?

投資とか言って 私腹 肥やすこと
ばっかり考えたり

夢をかなえるとか言って

宇宙に行ってる場合じゃ
ないっての!

ビックリした も~う!
興奮し過ぎですよ。

最近 日本の財政支出について
取材してるもんで つい…。

こんにちは!
(智代) あ~! トラコ先生。

待ってました
高志 上で待ってますんで。

失礼します。
(里美) あの 先生!

ちょっとだけいいですか?
おっ。

(キャリーバッグを置く音)

どうしたんですか? ママ。

あっ もしかして
お金が集まったとか?

あ~ それならいいんですけど…。

結局 集まったのは

守と中村さんと下山さんが
出してくれた

6万3000円だけで。

じゃあ やっぱり
売るしかないですね。

あのストラディバリウス。

でも 泥棒みたいなことは
したくなくて。

じゃあ 見捨てるしかないですね
あの施設。

先生 何か他にありませんか?

先生なら きっと
いい方法 知ってるんじゃ?

すいません
今日は こっちの授業なんで!

高志 お待たせ!

≪OKです≫

おばちゃん。
あ~。

(男の子) この前は ごめんなさい。

もういいのよ~。

そうだ これ食べて。

甘いお赤飯で作ったおにぎりなの。

おばちゃんの田舎の名物で はい。

ありがとう!

ねぇねぇ
あの人たち 何してるの?

(男の子) ここ壊して
マンション造るとか言ってて。

えっ そうなの!?

(男の子)
ねぇ どうなっちゃうのかな?

僕たち。

あぁ…。

ねぇ あなた…。
ん?

この前 相談した
養護施設の件ですけど

もう一度
考え直していただけません?

その話は済んだんじゃないのか。

そこを何とかお願いします。

そうだ 明日にでも 一緒に
見に行っていただけません?

そしたら 絶対 助けてあげたく
なると思うんです。

あなたは優しいから。

いいかげんにしないか!

のんきに他人の子供の
心配してる暇があったら

自分の子供の教育を
ちゃんとしたらどうなんだ!

どういう意味ですか?

ここに来て 何年にもなるのに

兄や姉のように
上原家の人間として

恥ずかしくない振る舞いをする
気が一切ないじゃないか 守は。

あの子は今 頑張ってます
成績だって上がって来てるし。

二刀流を目指すとか

訳の分からんことを
言っていたが

あいつが
東大に受かるはずないだろう。

お笑い芸人になることだって
認めちゃいないからな 私は。

そんな…。

いいから お前は

あの できの悪い息子の
管理だけしてればいい。

♬~

勉強 終わりました。
(里美) あ~ お疲れさまでした。

あっ 随分 長かったんですね。

ええ 守君
今日も張り切ってましたから。

あっ そうですか。

1本 頂けます?

えっ お吸いになるんですか?

たまに…
10年前に禁煙したんですけどね。

いくつの時ですか? それ。

フゥ~。

それより
もう分かったんじゃないですか?

えっ 何が?

ご主人は 愛じゃ動かないって。

だったら さっさと あれを
売っちゃえばいいじゃないですか。

あの つまんない絵や
シャトーモリーも。

そうすれば
日本中の困ってる子供たちを

どれだけ救うことができるか。

フゥ~。

あんなものに大金使うの

ホントは ばかばかしいと
思ってるんでしょ? ママも。

私は…。

裏切りたくないんです 夫を。

私を
きちんと正妻にしてくれたし

今まで本当に
良くしてくれたから。

それに 浮気だって
今まで 一度もしたことがないし。

そうでしょうか…。

(憲一) ≪ハハハハ… 確かにな≫

(椿) ≪ちょっと飲み過ぎよ≫

あ~ 気分がいい。

いや~ でも
お父さんも露骨だよな。

愛人を副頭取にするなんて。

(椿) 週刊誌にバレて
不倫騒動にならなきゃいいけど。

(憲一) そのへん お父さんは
うまくやるだろ。

(椿) パパも 再婚なんか
しなきゃよかったのよ。

あんな田舎者と。
(憲一) 仕方ないだろ。

あの頃は
いずれ頭取を目指す人間として

身辺整理が必要だったんだから。

ケジメをつけて 結婚すれば

愛人や隠し子がいるっていう
批判を受けずに済むし。

(椿) 全ては出世のためってこと?
守を認知したのも。

(憲一) まぁ いいじゃないか。

結果 頭取にもなれたし

俺たちの財産も
ますます増えそうなんだから。

そうね。
ハハハハ…!

あぁ~。

♬~

さすが 愛のあるご主人ですね。

本当は うすうす分かってたんじゃ
ないですか? 今の話も。

ハァ…。

先生は 結婚してないから
分からないんです。

私たち夫婦には
誰にも邪魔できない

深~い絆があるんです。

私は信じてます。

愛人なんて 一時の気の迷いで
主人は誰よりも私を愛してるって。

私も どんなことがあったって
主人を愛してますから。

私は最近 嫌いな言葉が
どんどん増えてるけど…。

何より 一番嫌いなのは
「愛」ってやつだ。

どいつもこいつも そう言っちゃ
自分のことを正当化しやがって。

さっきから「愛だ 愛だ」って
お経のように唱えてるけど

結局 あんたは 並ばずに
病院の診察を受けられたり

運転手付きの車を乗り回す生活を
捨てる勇気がないだけだろ。

誰よりも金のある暮らしに
しがみついてるのは

あんたじゃん。

自分自身が証明してるだろうが!

人は愛じゃ動かない
金のために動くって‼

結局 ママが愛してるのも

ご主人じゃなくて
ご主人のお金だったりして?

(守) 母さん 何やってんの?
ボ~っとして。

別に… あんたこそ どうしたの?

いや~ 勉強し過ぎたら
肩凝っちゃって

ちょっと もんでもらえないかな~
って思ってさ。

何言ってんのよ
こっちが やってほしいくらいよ。

しょうがないな~!

じゃ ちょっと久しぶりに
もんでさしあげますよ。

う~わ お客さん 凝ってますね!

何がうれしいのよ? そんなに。

いや~ だって懐かしくて。

2人で暮らしてた時は

しょっちゅう やってあげてたな~
と思って。

何言ってんのよ そのたんびに
小遣い ねだってたくせに。

最近さ
やたら夢に出て来るんだよね

その頃の母さんが。

俺が猫舌だから

おかゆを一生懸命
フゥ~フゥ~してくれたこととか。

病気になった俺をおぶって

すごい勢いで病院まで
走ってくれたこととかさ。

そんなこともあったわね。

ねぇ 母さん。
(里美) ん?

俺さ バイト先の近くに 安くて
いいアパート見つけたから

マジで出て行こうと思うんだけど。
えっ?

母さんも この家 出て
一緒に住まないかなと思って。

何言ってんの?

もうさ 自分たちのことを

家族とも思ってくれない人たちと
一緒にいるの つらくない?

そんなこと…。

できるわけないじゃない。

毎日の生活費だって
幾らかかると思ってんの?

それは… ほら 母さんだって
少しは貯金あるでしょ?

当分は それで…。

結局は
そうやって調子のいいこと。

あんただって この家 出てったら
後悔するに決まってるんだから。

今の生活が
どれだけ幸せだか気が付いて。

俺は そんなこと…。
(里美) いいから

あんたは勉強だけしてなさい。

母さんは父さんと
離婚するつもりもないし

この家を出るつもりもないから。

(利明) よく来てくれましたね。
本日はありがとうございます。

まぁ どうぞ。
お邪魔します。

おめでとうございます。
ありがとうございます。

いらっしゃい…。

本日はおめでとうございます。

(里美) 先生… いらしたんですか。

(利明) 守 どうしたんだ? お前。

この家を出る決心をしたので
お父様にお別れに来たそうです。

えっ!?

(守) 父上だって
そのほうが都合いいでしょ?

迷惑掛けられる心配なくなるし。

何言ってんだ こんな時に。
守 ちょっと こっち来なさい。

ちょっと待って 何で 何で 何で?
(副頭取) 頭取。

本日はおめでとうございます。
(利明) ありがとう。

(副頭取) はじめまして 奥様。

ご主人が
今日の日を迎えられたのも

奥様の内助の功のおかげですね。

そんなことないと思いますけど。

♬~

♬~ (利明) まぁ… 中へ。

♬~

それでは 上原利明の

東国銀行 頭取就任パーティーを
始めさせていただきます。

私 本日司会を務めさせていただく
上原憲一です。

至らぬところも
多々あるかと思いますが

どうかよろしくお願いいたします。

(憲一)
このたびは 父が頭取に就任し

東国銀行にとっても
そして わが上原家にとっても

大きな節目となる中で…。
あなた。

何だ?

私のこと 愛してます?
えっ?

どうなんです?

何言ってるんだ こんな時に。

私は あなたを愛してますけど。

いいかげんにしろ。

時間と場所をわきまえないのは
ばかな息子と一緒だな。

(憲一) わが最愛の父である
上原利明から ご挨拶を。

…の前に

妹の椿が最近購入した

バイオリンの名器
ストラディバリウスで

頭取就任を祝う曲を演奏したいと
申しておりますので

お聴き願えますでしょうか?

(拍手)

パパ 今日はおめでとう
愛してるよ。

愛してるよ 私も。

(バイオリン)♪~

♪~

(椿) キャ~!

(憲一) ちょっと!
何やってるんですか!?

(ざわめき)

(憲一) あっ ちょっ… えっ!?

うわ~‼
(利明) おい! 気は確かか?

あぁ~!

≪キャ~!≫

(利明) おい やめろ!

(床に腰を打ち付ける音)

ハァ~ よかった。

(憲一)お父さん! 大丈夫ですか?
(椿)大丈夫?

あっ よかった。

(椿) ちょっと!
自分のしたことが分かってるの?

頭おかしいんじゃないですか!
あなた。

安心してください
全部 偽物ですから。

ストラディバリウスも その絵も

シャトー何とかも。

いいかげんなこと言うな!

お疑いなら
こちらをご覧ください。

えっ!?

これも。

(利明) あっ!
(憲一) あっ…。

じゃ 本物は?

安心してけ。

そごさあるんで。

♬~

おめぇたち 気取って…。

あ… あんたたち 気取って

自分たちが
さも一流みたいな顔してるけど

こんな偽物に
気付かないんじゃない。

まぁ いいべ
そったのは どんでも…。

私はね

あなたの愛だけは
ず~っと本物だと思おうとしてた。

だから 憲一さんや椿さんも

本当の子供のように
愛そうと思ってた。

この家を 愛が
いっぱいあふれる家にしたくて

自分の気持ち抑えて
頑張って来た。

でも もう うんざり!

本物の価値も分からないくせに

くっだらない金の使い方ばっかり
してる人たちと 一緒にいるの‼

♬~

あっ! アタタタ…。

ハァ~ あぁ…。

はい 乗って。
えっ?

いいから。

(守) よっこらしょと。

いや~! 皆さん
お騒がせして すいませんね~!

でも分かったでしょ?

うちの母は やっぱり最強だって。

♬~

(里美) あぁ~! どうしよ~う!

ビックリした! 何?
だって…。

家 出て来ちゃったのよ 私たち。

まぁ 何とかなるよ 2人なら。

そう?
うん。

それに…。
(里美) 何?

さっき カッコ良かったよ 母さん。

えっ?

俺 この人から生まれたこと
すっげぇ誇らしいと思った。

この人の息子で
すげぇ幸せだと思った。

何があっても 絶対この人を
不幸にしないぞって思った。

(はなをすする音)

あんたが生まれた時

この子は どんなことがあっても
私が守るって思って

「守」って付けたのよ。

そうなんだ。

でも 今…

あんたが守ってくれてんだね
私のこと。

(泣き声)

いいけどさ 鼻水付けないでね。

何よ! こんな時もふざけて。

ごめんごめん
だから泣くなよ もう。

だって 腰が痛いのよ!

(守) 何だ そっちかよ!
(里美) そうよ 腰よ!

(智代) はい!
うちの愛がいっぱい詰まった

豚の角煮定食です!
うわ~ うまそう!

いただきます!
どうぞ。

いただきます。

ん~!
でしょ?

これが うわさの息子さんですか!
ええ。

これから2人で アパートで
暮らすことにしたんです。

でも あの例の施設の件
どうなったんですか?

何とか
つぶれずに済んだみたいです!

じゃあ 3000万
用意できたんですか?

正確には
ママの貯金 1000万と

守君と お2人が出してくれた
6万3000円。

あと残りは ママが借金して
寄付したみたいですよ。

えっ 大丈夫なんですか?

大金持ちから
すっからかんじゃないですか!

津軽から出て来た時もそうですし。

それに お金はなくても

愛がありますから 私には。

フフフ…。

ママは すっからかんじゃ
ありませんよ。

どういうことですか?

まだ離婚届に
判を押していないから

婚姻費用と養育費を
請求できますから。

婚姻費用って?

籍さえ抜いていなければ

相手の収入に合わせて
もらえるんです ご主人から。

ママなら 月100万くらいじゃ。

な~んだ
全然 うちと違うじゃな~い!

先生は そう言ってくれたけど

私 これからは ひとのお金なんか
当てにせずに自分で稼いで

守を東大に入れてみせます。

これで よかったんですよね?

いいんじゃないですか。

(智代) はい いらっしゃい!

(里美) あら~ どうしたの?

ありがとう おばちゃん!

おかげで 僕たち
施設に残れることになったよ!

そう よかったわね。

(智代) ねぇねぇ ねぇねぇ
ボクもさ 角煮定食 食べて行く?

ごめんなさい
すぐ帰らないといけなくて。

そっか。
ちょっと送って来ます。

(里美:智代) はい。

ありがとう お姉ちゃん。

ホントに 言う通りになったね。

でしょ?

私の言うこと聞いたら
施設に ずっといられるから

今からバッグを盗んでくれる?

分かった

あのおばさんだから

今の話
誰にも言っちゃダメだからね。

分かってる ありがとう!

結構行けるね このワインも。

でもさ みんな偽物だってバレたら
どうする気だったんだよ?

その時はその時で
また違うシナリオが。

じゃ あの奥さんが
本物 売っちゃってたら?

もちろん
分け前もらうつもりだったけど。

何だよ それ。

でもさ これで母親も子供も
全部手なずけたってことは

いよいよ
次のステップに進むのか?

もちろん。

俺 思うんだけどさ
そんなことせず

このまま普通に家庭教師
やっててもいいんじゃないの?

ホントは お前だって
うれしいんだろ?

子供たちが成長したり
みんなに愛されるのが。

愛なんて何の役にも立たないし。

また そんなこと言って。

お前がホントは
あの人たちのことなんか

どうでもいいって知ったら
みんなガックリするぞ。

俺だって5年前 お前から
家庭教師やってる理由 聞いた時

こいつ 何 ばかなこと考えてんだ
って思ったもん。

(あくび)

ハァ~。

(足音)

あっ!

あ~ すいません。

えっ もしかしてトラコじゃ?

俺だよ 養護施設で一緒だった
福多。

あぁ…。

懐かしいな!
今 何してんだ? お前。

そっちこそ。

俺は そこで働いてて。

財務省?
トラコは?

家庭教師。

へぇ~ そうか!

施設の子に勉強教えるの
上手だったもんな お前。

≪おい! いたぞ!≫

ヤベェ! じゃあ 急ぐんで。
≪待て!≫

待て こら~!
えっ ちょっと待って!

待て こら~!

何で逃げんだよ?
家庭教師なのに!