『Zガンダム』アムロが乗った衝撃のMS「ディジェ」 初登場時はメカデザイナーも驚いた?
スゴ腕パイロットの象徴? 高性能とピーキーな操作
そんなディジェですが、機体の性能自体は良好です。全環境対応型であるリック・ディアスを地上戦用へと設計変更しており、機体の軽量化や廃部バインダーに放熱用大型フィンを備え冷却機能の強化が行われ、スラスターの一部には空気燃焼型の熱核ジェットエンジンを採用するなど地上用へ調整されています。
開発には旧ジオン系の技術者が参加しているため、フォルムはゲルググに近いものとなっていますが、ドム同様に脚部の熱核ジェットを用いたホバー走行も可能となっています。射撃武装としては地球連邦軍製の頭部60mmバルカン砲に百式と同型のBR-M-87 ビーム・ライフル、口径300mmのクレイ・バズーカを装備し、十分な火力を備えています。
近接武装としてはゲルググのようなビーム・ナギナタを装備。盾は右肩に固定式となっており、連邦系の色も見えますが、やはりかなりジオン寄りの構成となっているのが見て取れます。アムロが搭乗した試作1号機以外にも量産されていますが、操作性がピーキーであり、熟練パイロット以外には扱えないため生産数は少数にとどまりました。
『Zガンダム』から10年が経過した設定の『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』では、かつてエゥーゴやカラバのスポンサーを務めたルオ商会が運用しており、最新鋭量産機であるグスタフカールを圧倒する活躍を見せ、基礎性能の高さを証明しています。
マンガ『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、宇宙用の改装を受けた試験機が登場してネオ・ジオン軍の指導者となったシャア・アズナブルが運用し、ディジェはリック・ディアスと同様に、アムロとシャアの両者が使用した機体となりました。
このとき使用された機体は資金力がない新生ネオ・ジオンにスポンサーから寄付された機体であり、開発されたばかりのサイコフレームを実装、名だたるエースパイロットたちをただ1機で翻弄し、シャアとサイコフレーム、そしてディジェの潜在能力を見せつける結果となりました。
初登場こそ唐突ではありましたが評価は高く、ガンダム世界のなかでもトップ中のトップたるパイロットたちが使用したディジェは、さまざまな媒体で新たな改装型が登場し続けており、これからも新たなディジェを見かける機会がありそうです。
(早川清一朗)