『ガンダム』劇場版で交代したコア・ブースターとGファイター「あれっ?」両方いるシーンも
劇場版でコア・ブースターが登場した理由
なぜGファイターに代わってコア・ブースターが登場したのでしょうか。これは、Gファイターが玩具の展開のために設定された機体であることに不満をもった富野喜幸(現:由悠季)監督が、より実用度の高い機体であるコア・ブースターと差し替えた……とされています。
コア・ブースターはコア・ファイター後部に大型ブースターユニットを装着させた戦闘機として設計されており、武装はメガ粒子砲2門にミサイル、多弾頭弾に対潜爆弾などを搭載した重戦闘機として仕上がっています。コア・ファイターの装備としては機首の25mm機関砲も使用可能ですが、翼が折りたたまれた状態でドッキングしている関係上、ペンシルミサイルは使用不可能です。
推進機関は熱核ジェットエンジンとロケットエンジンのハイブリッド形式となっているため大気圏内及び宇宙空間でも使用可能であり、汎用性も極めて高くなっているのが大きな特徴です。小型戦闘機であるコア・ファイターの弱点でもあった航続力も、搭載推進剤の増加により大幅に改善されました。
一年戦争の際には16機が生産され、うち6機が実戦に参加。セイラは5番機に、スレッガーは6番機に搭乗しています。
なお、コア・ブースターの設計の参考となったのは、Gファイターの後部Bパーツとガンダムの下半身にコア・ファイターを合体させたGスカイ及び、ガンダムの下半身を抜いたGスカイイージーです。
TVと劇場版で差し替えられたコア・ブースターとGファイターですが、劇場版『III』でスレッガーが特攻をかけるシーンとセイラがコア・ブースターを放棄するシーンでわずかではありますが両機が同時に登場しています。作画ミスの可能性が極めて高い話ではありますが、いまとなってはどちらも同じ世界線に存在している証拠となっているのが面白いところです。
バリエーション機も存在しており、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』には、運用を大気圏内に限定し、機動性能を高めたジェット・コア・ブースター(コア・イージー)が登場しています。残念ながら作中ではノリス・パッカード中佐操るドップに撃墜されるなど活躍は見られませんでしたが、コア・ブースターの世界を広げたことは大いに評価されるべきではないでしょうか。
(早川清一朗)