初恋の悪魔#06[解][字][デ]…のネタバレ解析まとめ
出典:EPGの番組情報
初恋の悪魔#06[解][字][デ]
坂元裕二脚本 林遣都×仲野太賀W主演のミステリアスコメディー!
出演者
林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、佐久間由衣、味方良介、毎熊克哉、篠井英介、伊藤英明、安田顕、田中裕子 ほか
番組内容
偶然、東京で星砂(松岡茉優)に会った鈴之介(林遣都)は、まるで別人のような星砂の態度に戸惑う。翌日、悠日(仲野太賀)は星砂を心配し、鈴之介と琉夏(柄本佑)に相談するが、鈴之介は星砂と昨夜会ったことを言えないでいた。鈴之介の家を訪れた星砂は、少しずつ自分の過去を語り始める。16歳で家出して東京に出たこと。そこで出会ったリサという女性に救われたこと。そして更に衝撃の事実が…。
監督・演出
【演出】水田伸生
原作・脚本
【脚本】坂元裕二
音楽
【テーマ曲】SOIL&"PIMP"SESSIONS【音楽】平野義久
制作
【プロデューサー】次屋 尚
池田禎子(ザ・ワークス)
【制作協力】ザ・ワークス
おしらせ
■番組HP
https://www.ntv.co.jp/hatsukoinoakuma/
■番組Twitter
@hatsukoinoakuma
■番組Instagram
@hatsukoinoakuma_ntvジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
- リサ
- 星砂
- 森園
- 摘木
- 大丈夫
- フフフ
- 友達
- 刑事
- 小鳥
- 人間
- 摘木星砂
- 鹿浜
- 東京
- 犯人
- 自分
- 雪松
- 逮捕
- スマホ
- 遠回
- 記憶
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気の配信サービスで見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
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(摘木星砂) あと1つ… あっ!
フフフ…。
ほら。
わぁ~ よいしょ。
(鹿浜鈴之介) こんなものを
見るために連れて来たのか?
お腹 痛いんですか?
こういう顔なんだ。
満月の夜って 殺人事件が
増えるって知ってます?
それは俗説だ
統計を調査した結果
関連性がないことが
証明されている。
月が大きいと興奮するでしょ?
大きく見えるのは 建造物との
比較による錯覚にすぎない。
こんなにロマンチックなのに。
ロマンチックという感情は
アドレナリン ノルエピネフリン
ドーパミンといった脳内…。
そうなんだ~。
あっ。
フフフ…。
名前 聞いてなかった。
鹿浜。
鹿浜? 何?
どうして そう
他人行儀に振る舞う?
他人じゃないですか。
違う!
違わない。
ん?
他人だけど 君は摘木星砂さん。
フフフフ…!
今の君は
摘木星砂さんらしくない。
さっき会ったばっかりの人に
私の何らしさが分かるんですか?
これは何の遊びなんだ!?
だから…。
そういうことか なるほど。
何が「なるほど」なんだ?
道理で。
初めて会ったようには思えない。
これ以上からかうなら 僕は帰る。
フフフ…。
帰るの?
(ノック)
はい。
ここが家?
そう 家。
君の家は だって…。
どうぞ。
ま… 待ってくれ。
何ですか?
足りない 距離感が足りてない。
そうなの? 私たちって何?
距離感が必要だ。
仕事仲間? 知り合い? 友達?
恋人同士? 元カレ? 元カノ?
フフフ…。
友達だ。
ただの?
た… 頼むから
距離感を保ってくれ。
ただの友達だったら 別に
距離感 近くてよくないですか?
いや
あの… イェ~イ!みたいな
友達ではないということだ。
あっ! アハハ…。
ごめ… あっ ごめんなさい。
イヤ~ フフフフ。
友達なのか~。
友達だけど
実は私があなたに
片思いしてるとかはないですか?
何を言ってるんだ?
鹿浜さんのこと 好きです。
…みたいなこと言ってなかった?
そ… そんなことがあったら…。
フフフフ…。
そんなことがあったら…。
(小声で) お腹 痛いですか?
フフフ…。
中学生の頃 ラブレターを
もらったことがある。
「放課後 体育館の裏で
待ってるから
私の好きな白百合の花を
持って来てね」と書いてあった。
行ってみたら クラス全員がいて
花を持った僕を見て
みんな 大笑いした。
クソだね。
い… 今
僕が思うのは その時と同じことが
起きてるのではないかと。
その時 鹿浜鈴之介さんは
どうしたの?
べ… 別に ただ引き返した。
そいつら全員 朝 起きたら
トイレの虫に変わって
生涯を終えればいいのに。
君が怒ることじゃ ない。
随分 昔の…。
昔のことだからだよ。
言い返せなかったことって
残るでしょ?
「あなたのしてることは失礼だよ
私は怒ってるんだよ」
…って言えなかったことって
何年たっても残るでしょ。
今となっては言い返せないし。
そういうのって シャツの染み
みたいに残るんだよ!
クソ!
も… もういい 大丈夫。
大丈夫じゃ ない。
君が怒ってくれたから
大丈夫。
シャツの染みは消えた。
♬~
♬~
おかえり。
リサ。
フフフ…。
(グラスが触れ合う音)
(ノック)
(店員) お客さま。
(店員) お客さま。
はい…。
延長なさいますか?
えっ… 私 いつからここに?
昨夜 12時すぎに。
お2人で。
2人…?
あっ。
よかった。
(馬淵悠日)
鹿浜さん ご存じなんですか?
(小鳥) 昨日から
摘木っつぁんがいないらしいよ。
えっ?
(渚) おはようございます。
(渚) おはようございます
おはようございます。
何で 僕が3番目で
鈴ちゃんが1番なんだ?
目に入った順じゃないですか?
その目に入った順というのが
大事なんだよ… あれ?
♬~
昨夜 そこの部屋にいた女性が
いつ出たか分かりますか?
刑事は 自分が尾行されても
気が付かないというのは本当だな。
僕を尾行していたのか!
鈴ちゃんは怪しいからな。
コトリンのほうが怪しいぞ。
鈴ちゃんは犯罪者にしか見えない。
コトリンこそ
犯罪者にしか見えない。
ほら見ろ 君が2台立てている間に
僕は3台立てた。
あぁ~!
全然立てられてないじゃ…。
(インタビュアー)もったいな~インタビュー!
Tシャツさんは
もったいないと思うこと あります?
(Tシャツ男)洗剤の話っすけど
あれ 必要以上に入れても 意味ないんすよね。
(Tシャツ女)この人 超物知りなんで。
資源も無駄だし。
この人 超意識高いんで。
さすがですね~。
でも 花王は 昔から
量ることに こだわってるらしくて
花王の洗剤だと
ちょうどいい量で 洗われてるな~って。
そういうとこ 超好き~。
俺も好き~。
私も好きで~す。
<もったいないを ほっとけない。 花王>
(ズボンの染みをたたく音)
(小鳥) 誰もいない。
当たり前だ。
鈴ちゃんが摘木っつぁんを
誘拐したのかと思った。
なぜ 僕が摘木さんを誘拐する。
口では諦めたと言っていても
一度 好きになった人のことを
ひと月足らずで
忘れられるはずがない。
参考までに聞く。
一般的に
どれくらい かかるものなんだ?
長くて 一生。
短くて 半年は泣いて暮らす。
参考までに聞く。
それを簡単に治す方法はないのか。
ある 別の人を好きになる。
別の人を好きになる もし
その人ともダメだった場合は…。
また 別の人を好きになる。
無間地獄じゃないか。
大丈夫だ すぐに慣れる。
慣れたくはない。
僕が危惧してるのは そこだ。
鈴ちゃん 摘木っつぁんに
フラれたからといって
服部 渚さんに近づこうと
しているんじゃないだろうな?
そうだったとしたら…。
(チャイム)
鈴ちゃん。
これが摘木っつぁんか
服部 渚さんだったら
僕は容赦なく
君の目を このペンでつぶす。
ごめん。
(荷物を置く音)
(森園) お2人とも
お疲れのようですね。
疲れてなかったことがありません。
無間地獄ですから。
(森園) すいません そんな時に。
なぜ 弁護士であることを
隠されていたんですか?
隠してはいません 元々
しがない国選弁護人でしたが
5年前に辞めまして
今は しがない小説家です。
そんな しがない人が
何の用ですか?
実は 鹿浜さんに
ご相談がございまして。
あっ お2人に
ご相談がございまして。
ご相談?
ええ。
5年前 2017年に起こった
ある殺人事件に関して。
(森園) 塩澤 潤君 15歳。
当時 中学3年生だった少年
彼が殺された被害者です。
(小鳥) 子供じゃないの。
(森園) 2017年8月20日
17時
塩澤君は お気に入りのアイスを
買いに行くと言って
最寄りのコンビニに
向かったまま帰らず
翌日…。
こんなメッセージが届き
その翌日…。
要川の河川敷で
遺体となって発見されました。
(森園) 遺体は全身濡れており
川に落ちた痕跡がありましたが
死因は出血によるものであり
刃物による
無数の刺し傷がありました。
県警のローラー作戦による
捜査の結果…。
(森園) ホームレスだった
矢澤栄太郎 60歳が
容疑者として逮捕されました。
(森園)
彼の衣服から被害者の血痕。
(森園)
所持していた荷物から凶器。
被害者の財布などが
発見されました。
これだけ証拠が出たら確定だね。
ということは つまり
犯人ではない。
は?
あなたが この容疑者の弁護を
請け負われた。
(森園) はい。
(小鳥) あんたの写真 いる?
すいません。
フォルダに交ざっていたようです。
(森園) 矢澤栄太郎は当初
容疑を否認していましたが
後に認め
身勝手で残酷な犯行として
懲役30年の刑が
言い渡されました。
これが私の最後の裁判であり
今も心残りとなっている
事件の顛末です。
心残り?
…ってことは
あんた 冤罪だと思ってる?
ええ。
で 鈴ちゃんも?
証拠が多過ぎる。
戻り過ぎた。
(森園) ええ。
(森園) しかし 私が会った彼は
この事件の犯人に 何というか
似合ってなかったんです。
犯罪者に 似合うも 似合わないも
ないでしょ。
(森園) もちろんです。
募金をした詐欺師にも
捨て犬のために奮闘した人殺し
にも会ったことがあります。
人を殺す人間と 殺さない人間の
間に 境界線はない。
しかし 手書きの文字や絵に
人の個性が出るように
犯罪にも 犯罪者の個性というのが
出るように思います。
(森園) 被害者が受けた刺し傷は
全身に19か所ありました。
強盗が目的のホームレスが
そんな犯行をするとは思えません。
それ 裁判で主張しなかったの?
(森園) 逆上した結果であると
されました。
彼がホームレスだった事実が
影響したはずです。
愚かしい偏見だ。
私は弁護士として
そして 今 小説家としても
考えました。
人なんて 一度 刺せば
死に至ります。
その上で 人を19回 刺せる人間
とは どんな人間なのか?
どんな食べ物が
好きなんでしょう?
食べログの点数は
気にするでしょうか?
目玉焼きはソースでしょうか?
しょうゆでしょうか?
エコバッグは持ち歩きますか?
マンションの住人に
あいさつはしますか?
SNSに人の悪口は書きますか?
どれほどの憎しみがあれば
できるんでしょう?
どうですか?
人を19回 刺せますか?
刺せますか!?
刺せないよね。
いや 目が怖いよ あんたも!
真犯人を捜したいんです。
力になってもらえませんか?
(鍵を開ける音)
♬~
ハァ…。
わっ…!
摘木さん?
摘木さん!
うん。
兄のスマホを持って行ったのは…。
それは私。
でも 逃げてから先の記憶がない。
あっ ごめん。
あっ。
勝手に汚されてるし…。
しかも 今度は長かった。
だんだん長くなってる気がする。
きっと 元に戻す方法
あると思うんですけど。
戻すって どっちに?
(電子レンジのアラーム)
熱っ。
何か そういう方法的なことが
あるとしてさ
それって どっちかが消える
ってことでしょ?
向こうが
消えるんじゃないんですか?
分かんないよ。
こっちが
消えたくないのと同じで
あっちだって
消えたくないだろうし。
それは…。
友達とか
好きな人だって
いるのかもしれない。
私も こいつが
どんなヤツか知りたいしな。
最初に こういうことが
あったのは?
15歳の時。
おばあちゃんが死んで
まぁ キツかったのかな。
そこにいたくなくて 家出して
1人でさ
東京に行ったことがあって。
ええ…。
お金もなくなって
住む所もなくて
ちょうど今頃 夏だったかな。
息をする方法も分かんなくて…。
(星砂の声)
海の底にいるみたいだった。
そのへんのさ
記憶が全然ないんだよ。
半袖で東京に来たはずが
気が付いたら長袖 着てた
誰の服かも分かんない。
よく生きてたなぁって思うよ。
生きてた記憶がないんだよ。
気が付いた時に交差点に立ってた。
手に 住所の書かれたメモを
持ってて。
「間庭製作所」って書いてあって。
「間庭製作所」?
うん。
怖くて
すぐに捨てちゃったけどね。
で 不思議だよね。
その後 自分もそうだったくせに
何でか 家出した子たちに
声を掛ける仕事に就こう
…なんて思ったんだからさ。
フフっ。
これ カレーの染みだな。
(ニオイを嗅ぐ音)
2夜 連続でカレーかも。
フフフ…。
東京 行ってみませんか?
えっ?
その… 間庭製作所
行けば 何か分かるかも。
じゃあ ついでに東京で
カーテン 買おうか。
(間庭信彦:鼻歌)
すいません。
(信彦) はい。
すいません
こちら様って いつ頃から…。
(信彦) あんた… 星砂ちゃんか?
えっ?
星砂ちゃんだよな?
あっ はい。
あぁ~! お母ちゃん!
星砂ちゃんだ!
星砂ちゃん 来た~!
(間庭麗子) キャ~!
(麗子) 星砂ちゃんじゃないの~!
あら 大きくなって~。
ネズミ見ただけで
腰 抜かしちゃってた
泣き虫な子がね~ もう。
あ~~!
もしかして 結婚報告か?
あぁ いえいえ…。
あの 私は…。
(信彦) ヘヘヘ…。
あっ! みおちゃ~ん!
ほら ほら! 星砂ちゃんだよ!
(澪里) 別にさ 恨んでないよ。
恨んでないけどさ。
(澪里) 今更 会いたくないでしょ。
あんたが
私たちを裏切ったわけだし。
私たち あんたを信じて
ずっと待ってたんだよ。
和香奈なんて ずっと泣いてたよ。
「星砂 まだかな?
星砂 まだかな?」って。
ごめんなさい。
「ごめんなさい」?
何が「ごめんなさい」?
覚えてないんだよ。
私 あなたに何をしたの?
リサに申し訳ないと思わないの?
リサって誰?
ハァ…。
別にいいよ! 私たちのことは。
でもさぁ でも 何でリサのこと
忘れたなんて言えんの?
リサがいなかったら
あんただって 今 生きてないよ。
リサに救われたから
息してられるんだよ。
この人…。
リサは「この人」なんかじゃ ない。
♬~
♬~
(森園) 雪松さん?
(雪松) 先生 どうも。
やぁ どうも
またお会いしましたね。
(雪松) うちは2丁目です。
先生は お近くですか?
(森園) まぁ…。
仕事帰りで 散歩してました。
(雪松) 散歩には いい場所です。
(森園) もう覚えて
らっしゃらないんですね。
5年前
そこで遺体が発見されたのを。
(雪松) ありましたかね。
(森園) かなりの騒ぎだったかと。
何でもそうでしょう。
よそから来た人間は
悲劇を風化させるな
なんて言いますが
住んでる者からしたらね…。
忘れるんですよ。
そこで生活するために。
(森園) 失礼しました。
先生。
将棋 なさいましたよね?
今度 どうですか?
ちょっと引っ張りますね。
うん。
あぁ~。
あれ?
ん?
1個 足りないな。
んっ?
あっ こっち
1個 余っちゃってる!
やり直し。
はい。
ハハハ…。
よし。
いろんな人を傷つけてたのかもな。
大丈夫ですよ。
根拠ないな。
根拠のない「大丈夫」は
優しさで出来てます。
フフフ… 自分で言うかな。
フフっ。
僕は前向きな言葉が好きです。
「空を飛ぶには
滑走路が必要だ」とか。
「雨が降らなければ
虹は出ない」とか。
そういうのって キレイ事に
思われるかもしれないけど
キレイ事を口にして来た人って
泣いて来た人だと思うんですよね。
必死に生きて
なのに 転んで傷ついて。
それでも もう一度
立ち上がろうとした人たちの
言葉だと思うんです。
キレイ事は
初めはキレイじゃなかった。
たくさんの人が泥を拭いて
涙と血を拭いて
キレイになったんだと思うんです。
信じてもいいんじゃないかな
って思うんです。
思いませんか?
そう… ですね。
だから
大丈夫。
「空を飛ぶには滑走路が必要だ」。
「雨が降らなければ虹は出ない」。
今は そういう時期なんだと
思います。
よし できた。
うん。
最高!
最高。
小洗先生って 前にいた所轄の時の
監察医さんでしたよね?
今度 小洗先生には
相談してみたらどうですか?
もちろん 専門は違うけど 何か…。
摘木さん?
(チャイム)
(インターホン:星砂) こんばんは。
(インターホン:星砂) この間 東京で。
(インターホン:星砂)
ごめんなさい 急に…。
あっ これ つまらないものです。
じゃあ。
こんばんは 東京では どうも。
大丈夫です 邪魔ではありません
いただきます。
じゃあ。
よかったら どうぞ。
あっ… ご一緒に。
ウフフ…。
(阿部)<俺の 「Cook Do」!
ここは あえての鉄で挑む>
<ちぎりキャベツに 厚切り肉。 これが俺流>
<あぁ 香り立つ 熟成豆板醤
甜麺醤 豆!>
よっしゃ~!
<完成! 俺の本気の回鍋肉!>
<うまい! 濃厚な醤が
キャベツと肉を 見事にまとめあげ…>
<あぁ…>
あっ。
(息子・妻)ん~!
(息子)最高!
あっ いえ。
彼が心配していた。
彼? 摘木星砂さんの話ですよね?
そうです 摘木星砂さんの話です。
摘木星砂さんって
どんな人なんですか?
どんな… どんな人?
ぼ… 僕が
それを説明するんですか?
私には 摘木星砂さんの良さが
分からないんで。
良さはたくさんある。
だけど
鹿浜さんをフッたんでしょ?
性格 悪いですよ。
性格 悪くありません。
いや 性格の悪さは魅力です。
別にかわいくもないし。
かわいいです
かわいさが殺し屋です。
あっ いえ…。
君と話していると
ある仮説が浮かび…。
間違っていたら ごめんなさい。
間違っていても いいですよ。
僕は 普段 ひとに こんな
立ち入ったこと聞かないんですが。
はい。
いや やっぱり何でもないです。
何ですか?
君は まるで2人いるみたいだ。
2人?
2人いるというのは つまり…。
君という1人の その中に
別々の人物が存在する。
僕が知っている摘木さんと
今 ここにいる君。
そういうことは 世の中に存在…。
そうですよ。
2人います。
いや…
やはり 聞くべきではなかった。
それは 君の個人的なことであり
僕は そういうことは
そういうこととして
ただ受け入れればよかった。
不用意な質問をしてしまいました
申し訳ありません。
でも 普通 聞いちゃいますよね
不思議なことだし。
不思議なことはありません。
人間は 人間の全てを
理解しているわけもなく
どんなことも起こり得ますし
人間には 普通も異常も
正解も不正解もありません。
2人いるなら 2人いたっていい。
フフフフ…。
何でしょう?
いえ。
鹿浜鈴之介さんは
ステキな人だなって思ったので。
し… 鹿浜鈴之介さんは
ステキな人?
うん。
とってもステキですよ。
いったん 席を立ちます。
はい。
あなたもステキだと思いますよ!
ありがとうございます。
どういたしまして。
(男性) やっぱおもろいって…。
(女性) すごかった~。
(男性) やっぱ定番だって ありゃ。
(女性) また見に行こう。
(男性) いいよ 絶対行こう また。
摘木さん?
あっ 摘木さん。
えっ 何ですか?
すいません 人違いです。
ハァ… 何だよ。
(卵を割る音)
あっ 向こうで待っててください。
これは混ぜて?
あっ いや 手が汚れるから…。
(手を洗う音)
では 冷蔵庫にひき肉があるので
一緒に。
はい。
前に住んでた家の冷蔵庫も
いつも ギチギチでした。
あっ。
これですか?
はい。
それを適量 混ぜてください。
はい。
ご実家の冷蔵庫にも たくさん…。
実家じゃありません
リサっていう子の家です。
「リサ」?
これは切って?
はい 切って混ぜてください。
はい。
(食材を切る音)
それで…。
ごめんなさい
しゃべり過ぎました。
続けてください。
いえ。
途中でやめようとした話こそ
一番 話したい話です。
(包丁を置く音)
続けてください。
はい。
(星砂の声)
リサに初めて会った時
私は16歳で。
家出して 東京に逃げて来たけど
財布見たら
もう80円しかなくて。
食べるものも何も買えなくて。
新聞とかに載るのかな?
私のこととか
家のこととか載って
かわいそうな子が死んだって
思われるのかな。
嫌だな。
そんなことを思ってた時
そこに リサが来て 言ったの。
「立ちな ついておいで」って。
(星砂の声) リサの部屋には
何にもないけど
冷蔵庫だけは いっぱいで。
こんなに食べたことない
ってくらい
お腹いっぱいにされた。
(星砂の声) 「あんた 今日から
ここにいなよ」って言われて。
「家賃とか払えないんです」って
言ったら
リサは
「バカ
ここの家賃はお金じゃ ない。
『ただいま』 『おかえり』って
言うことだよ」って。
リサは 街で私と同じような子を
見つけるたびに呼んで来て
みんなに 「ただいま」 「おかえり」
って言わせるようになった。
(星砂の声)
リサは私たちに勉強をさせて
自分は 朝から夜まで働いて…。
それでも お金が足りなくなると
ブランドのバッグや靴を
転売したり
偽物を売ったりしてた。
私たちが手伝おうとすると
「あんたたちはダメ!」って言って。
(星砂の声) 誰も
わざわざ言わなかったけど
こういうのが家族なのかなって
思ってた。
(星砂の声)
リサは風の強い夜が好きだった。
「風が気持ちいい日に
家に帰ったりしちゃダメだ。
そんな夜は 遠回りするんだよ。
人生で一番ステキなことは
遠回りすることだよ。
だから 私たちは悲しくない。
遠回りしてる今が
一番ステキな時なんだよ」って。
(星砂の声) 私たちの遠回りは
その夏に始まって
だけど
その夏に終わってしまった。
ノック
(星砂の声) 頭の良くて 正しくて
近道が好きな人たちが
「あそこの家には問題がある」って
告げ口をして。
(星砂の声) 問題のある私たちは
1人 2人って連れて行かれて。
居場所だけ奪って
その後 行く場所は
教えてくれなかった。
♬~
(星砂の声) 借金だけ残って
お金を用意しないと
いけなくなって。
ドアが開く音
(星砂の声) やっと貸してもらえる
めどが付いて
リサは 私にそれを託してくれた。
(星砂の声)
私はリサを助けるために走った。
また みんなで暮らすんだ。
また 風の吹く夜を過ごすんだ。
♬~
(星砂の声)
そこで記憶がなくなった。
次に目を覚ました時には
7年たってて
私は 何でか警察にいて
少年課の刑事になってました。
(星砂の声)
違う 違う ここじゃ ない。
私 リサを助けるために
お金を受け取りに行く
ところだったのに。
違う…。
7年後のリサは殺人の容疑で
指名手配されてた。
17歳の男の子が殺されて
その家に来てた
ハウスクリーニングの女性が
犯人だって。
それがリサだって。
同じ少年課の人から
その事件を担当している
刑事さんがいるって聞いて
その人が リサを逮捕しようと
してるって聞いて 会ったの。
(星砂の声) その刑事さんが
馬淵朝陽って人だった。
リサが昔の知り合いで
彼女が人を殺すなんて
絶対にないって訴えて
だけど 馬淵朝陽さんは
聞いてくれなかった。
「証拠は全てそろってるんですよ。
彼女には 過去に
犯罪歴もあるしね」って。
自分でやるしかないのかな
って思って
別の事件の犯人を疑ったり
怪しい人を見つけるたびに
密告みたいなことをして。
「ヘビ女」。
「お前はヘビ女だ」って言われた。
フフフ…。
(星砂の声) それでも
リサを助けなきゃいけない。
リサとの約束を
守らなきゃいけない。
ていうか
私には リサに言わなきゃいけない
ことがあったから。
ただいま
(リサ)おかえり
(星砂の声)
「ただいま」 「おかえり」。
やっと見つけた。
よかった。
やっぱり リサの言う通りだ。
ほんのちょっと
遠回りしてただけだったんだ。
(星砂の声)
私は一緒に逃げるつもりだった。
(星砂の声) 大丈夫。
私たちは絶対 大丈夫。
♬~
銃声
(星砂の声) 待って。
リサを殺さないで。
待って…。
リサ…。
(星砂の声)
追い掛けようとしたけど
また記憶がなくなった。
次に目を覚ました時には
また2年たってたんだよ。
リサは逮捕されて
刑務所にいて。
リサは 私を助けてくれたのに
私は 2回も見捨てた。
私は また
私じゃなくなるかもしれない。
次は1年後かも。
5年後かも。
もしかしたら もう
戻って来れないのかもしれない。
そしたら リサ…。
(落とした音)
ごめんなさい。
あっ…。
僕は こういう時
何て声を掛ければいいのか
分からない。
大丈夫。
全てを理解したわけでもないし
全てが信じられるわけでもない。
大丈夫…。
でも。
もし。
もし また
君がいなくなることがあったら
後は 引き継ぎます。
それで…。
少しは 怖くなくなりますか?
フフ…。
ありがとう。
フフフ…。
(キッチンペーパーを切り取る音)
(泣き声)
ハァ…。
ただ。
1つ 問題がある。
ん?
その彼女を逮捕した
馬淵朝陽という刑事。
その刑事は
摘木星砂さんの恋人の
馬淵悠日の兄だ。
困った。
彼は友達なんだ。
≪(チャーハンファンたち)チャー活アニキ~!
(柳楽)チャーハン 自由に… 作ってるかい!?
本日 俺は 肉をぶちこむ。
「香味ペースト」で
ちょろりん… ぱぁ~! ぱぁ~!!
<完成>
<実食>
うん。
う~ん!
<自分の好きに作りゃいい>
<これ1本で
ウマくなるから。 「Cook Do 香味ペースト」>
自慢のチャーハン 待ってるぜ!
おぉ…。
(口木) 失礼します。
総務課総務係の馬淵です。
少しよろしいでしょうか?
すいません あの
ひょっとして 摘木刑事のことを
お調べになってるんでしょうか?
私の調査によると
摘木刑事は兄の死とは関係なく…。
(雪松) お前の調査?
す… すいません でも。
さっき お前のお父さんと
電話で話したよ。
はい。
あぁ…。
お前には まだ可能性が
あるんじゃないかと思ってな。
ほら 一般企業という
選択肢もあるんじゃないかって。
ここを辞めろ
ということでしょうか?
ここの仕事は退屈だろう?
そんなこと思ってません!
確かに 目立たない仕事では
ありますが
小さな仕事の積み重ねこそが
大事だと…。
まぁ いい
あとは 課長と話してくれ。
以上だ。
はい…。
私は用済みですか。
「以上だ」と言ったろ。
はい すいません でも あの
何となく考えてたことが
あるんですが…。
下がれ。
はい すいません。
あのですね…!
下がれ。
署長の目的は 兄のスマホ
だったんじゃないでしょうか?
そうかな いや 違うかなって
何度も思ったんですが
一応 あの どうなんでしょうか?
あのスマホを手に入れるために
私を利用されていたんじゃ
ないでしょうか?
いや 違うかなって
思ったんですけど
そうですよね?
(馬淵の声)
署長の目的は兄のスマホで
それは… すいません。
兄のスマホが表に出たら
署長に何か
不都合でもあったのではないか。
あったのではない…!
(手をたたく音)
何で お前が
生きちゃったんだろうな。
フフフ…。
(ドアが開く音)
(小鳥) 8月26日の9830円の
タクシー代の これ
どちらに行かれたか教えて…。
(詠子) 覚えてない。
(小鳥) いやいや
思い出してください…。
(渚) 署長 お疲れさまです。
お疲れ。
(刑事たち) お疲れさまです。
お疲れさま。
お~ いいネクタイ…。
署長。
私は
私は馬淵朝陽の弟ではありません。
(口木) あんた 何してんだよ。
総務課総務係の
馬淵悠日です!
刑事ではないですけど
総務係の いち職員として
誠心誠意 勤めてまいりました!
私は 馬淵悠日です!
(小鳥)
やめましょう やめましょう。
笑うな
ハハハ…。
♬~
♬~
何でしょう? これは。
3年前 2019年に起こった
殺人事件です。
吉長圭人君という
吉長不動産の社長の長男が
自宅の掃除をしていた
ハウスクリーニングの女性に
殺害されました。
ええ…。
犯人の名前は 淡野リサ。
吉長さん宅の
金品を盗んでいたところを
圭人君に目撃され
追及されたことから逆上し
刺し殺したものと…。
遺体は 朧川の下流で発見され
全身は川に落ちたように
濡れており…。
21か所に及ぶ
刺し傷がありました。
そして もう1点。
靴は発見されず
川に落ちたものとされました。
♬~
同じです。
濡れた死体 無数の刺し傷
なくなった靴。
そして どちらの事件も
既に犯人は逮捕され服役中。
いや それだけで予断は…。
いや。
ありふれた一致ですが。
まだ見ぬ犯人による
連続殺人事件である
可能性があります。
もし そうなら
逮捕された2人は…。
冤罪 あるいは…。
(足音)
誰かに はめられた。
(チャイム)
すいません 夜分遅くに。
(小鳥) いいんだよ 謝らなくて
友達なんだから。
さぁ さぁ 靴 脱いで。
ちょっと遊びに来たよ。
摘木さん?
摘木さん!
えっ どうしたんですか?
えっ いつから
ここにいたんですか?
あっ もしかして鹿浜さんが?
あぁ… よかった。
よかった。
よかったです…。
(吠え声)
(吠え声)