奇跡的に息を吹き返した源頼家(金子大地)。しかし後鳥羽上皇(尾上松也)のもとには頼家危篤の報が届き、後鳥羽は考えを巡らせる。鎌倉では、政子(小池栄子)のもとに義時(小栗旬)、泰時(坂口健太郎)らが集まり、新たな体制について話し合っていた。そんな中、一人で思いにふける比奈(堀田真由)。一方、先を見据えるりく(宮沢りえ)は時政(坂東彌十郎)に京との関係をより深めるように説き、愛息・政範(中川翼)も胸を高鳴らせる。そして、三浦義村(山本耕史)は……
2022年8月21日(日)
- 午後8時~
- 午後6時~
再放送
2022年8月27日(土)午後1時05分~
これまでの放送をご紹介します
放送前に出来事や背景などをかいつまんで説明する“前説”
【監修】時代考証・木下 竜馬
比企能員の乱
建仁3年(1203)9月2日、源頼家の乳母夫・比企能員が誅殺されました。源頼家が突如病に倒れて危篤となると、幕府は頼家の弟・千幡(のちの源実朝)に「関西三十八カ国の地頭職」、長男・一幡に「関東二十八カ国の地頭」と「惣守護職」を分割して譲与する配置を取りました。しかし、能員は「一幡以外に地頭職を与えると北条時政の一族に家督が奪われる」と頼家に訴えて時政追討を許可させ、対決姿勢を鮮明にしたのです。これに対し、政子から急報を受けた時政は、能員が謀反を企てようとしていると断じます。そして御家人たちを招集し、逆に能員を追討して比企家を滅亡させました。これが『吾妻鏡』の描く「比企能員の乱」です。
しかし慈円が著した『愚管抄』には、『吾妻鏡』と異なる記述がいくつも見られ、能員が時政追討を画策したという記述はありません。むしろこの事件を、幼い千幡の擁立を図った北条時政のクーデターであるかのように記されています。