マヨラーと化した野生動物(加藤拓也)コラム「硬面軟面」
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中学1年だった40年前、神戸の山中でイノシシを追っていた。文化祭でイノシシについて発表しようと、仲間と「研究会」を結成。最大の目標は捕獲だった。口を挟む大人はいない。思春期の一歩手前、少年たちは無邪気で怖いもの知らずだった。
市街地を見下ろす校内の雑木林は広大で、網のように獣道があった。草木をかき分けて落とし穴を掘り、拾った木の枝を檻(おり)のように組んでわなも作った。ただ、そんな子供だましに利口な獣がかかるはずもない。
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「このままでは何の成果もない」と焦って始めたのが、獣道に落ちていた糞(ふん)の分析だった。水でほぐして…
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