政治・経済

松本駅前に図書館構想 利便性抜群 機能複合的に

大規模改修が予定される市中央図書館。プランでは松本駅前への新たな図書館設置の検討が盛り込まれた

 利便性の良い松本駅前に松本市の図書館を設置することは可能か―。松本市教育委員会がこのほど示した市中央図書館と分館の将来像を描く「図書館未来プラン」の素案に、「アクセスがスムーズな駅前への図書館の設置も視野に検討」との文言が盛り込まれた。プランは本年度から10年間の施策の方向性を定めており、松本駅前に複合的な機能を持たせた図書館を設置する構想案が浮上した。

 学校関係者や市民らでつくる市図書館協議会が内容を検討。その過程で外部識者から提出された市中央図書館あり方検討委員会報告書に「市民交流センター・えんぱーく(塩尻市)のような、複合的な機能を持つ図書館を松本駅前に設置できないか」との意見が寄せられた。令和2年6月に市民を対象に実施したアンケートでも、利便性に優れる駅前の図書館を求める声があったという。
 駅前の具体的な場所は決まっておらず、まずは実現が可能かどうか探る。子育て支援施設や交流スペースなど複合的な機能を持たせることも視野に検討に入る。プランは19日の市議会経済文教委員会での協議など経て、10月をめどに策定する。
 プランではこの他に、中央図書館を令和7(2025)年から3年かけて大規模改修し、長寿命化を図ることが示された。本年度に調査し、来年度に基本設計、6年度に実施設計を予定する。また、市役所や地域づくりセンターなど市民の便利な場所で本の返却や予約本の受け取りができる「サービスポイント」の設置の検討も掲げた。
 松本市の臥雲義尚市長は「図書館のあり方は今後、大きく変わってくる。先進的な自治体は従来の本の貸し借りだけでなく、幅広い世代が利用するスペースを設けている所もあり、人の行き交う場所に図書館機能があるべきという考えもある」と検討への意欲を示し、「図書館機能の松本駅前への配置については、最終的には(臥雲市長が掲げる)市役所の分散型構想と並行して結論を出したい」と述べた。