2003年に自身2度目の優勝を果たし、胴上げされる広陵の中井監督
2003年に自身2度目の優勝を果たし、胴上げされる広陵の中井監督

 チーム強化に采配と、高校野球における監督の存在は大きい。選抜大会の通算勝利数の上位には、30勝超えの中村順司(大阪・PL学園)、高嶋仁(智弁和歌山など)ら名将と呼ばれた監督がずらりと並ぶ。

 春夏の甲子園で通算20勝以上の36人のうち、春の最多は中村監督の31勝。10度の出場で優勝3回、準優勝1回、ベスト4が3回とPL学園の黄金期を築いた。高嶋監督もしたたかな采配で30勝を挙げた。

 蔦文也(徳島・池田)や尾藤公(和歌山・箕島)ら往年の名物監督を抑え、23勝で3位タイに食い込むのが西谷浩一(大阪桐蔭)だ。既に3回の優勝を飾り、勝率は最高の8割2分1厘を記録。今春もどこまで白星を重ねるかが注目される。

 中国地方ゆかりの監督では、10位の中井哲之(広島・広陵)が19勝でトップ。1991年と2003年に優勝を果たし、多くのプロ野球選手を送り出す育成手腕でも知られる。11勝の三原新二郎は広陵、福井、京都西の3校での勝利が特筆される。夏の印象が強い迫田穆成(よしあき)(広島商など)は7勝、玉国光男(山口・宇部商)も5勝を挙げる。

 春夏20勝未満の監督では角田篤敏(岡山・関西など)が10勝、池田善蔵(広島・尾道商)は2度の準優勝で8勝をマーク。久保和彦(広島・崇徳)は唯一出場した76年に優勝に導き、5戦全勝の戦績を残している。

 今回出場する監督では新庄(広島)の宇多村聡が甲子園初采配で、下関国際(山口)の坂原秀尚と鳥取城北の山木博之も春は未勝利。名将への第一歩を刻めるか。(加納優)