東京都内にある在日米軍最高司令部
国外に住む稀代の投資家であり中国通の友人O氏は、今回のペロシ氏の台湾訪問は、台湾有事、つまり中国と台湾の間で何らかの紛争を誘発しかねない危険な訪問であると、かなり以前より繰り返し連絡を入れてくれていました。「これは、日本にとっても極めて大きなリスクだ」と。
また、海外のニュース番組では台湾有事の際の中国軍と台湾軍、さらには米国軍の攻撃シミュレーションを番組内で繰り返し放送しているが、一方で、日本のマスコミはどこか他人事のような報道ばかりではないかとも言っていました。
さて、話しは少しそれますが、日本における在日米軍の最高司令部はどこにあるかご存知でしょうか? 沖縄のどこかの基地内でしょうか?
また、同じく日本において一番距離の長い滑走路、つまり大型の軍事用輸送機が十分に離発着可能な米軍基地はどこにあるでしょうか? やはり沖縄でしょうか?
その答えは東京都内にある米軍横田基地です。
この米軍横田基地は福生市、瑞穂町、武蔵村山市、昭島市、立川市、羽村市の5市1町にまたがっています。この6つの自治体の総人口の合計は約50万人。日本最長の滑走路と在日米軍最高司令部のある基地周辺に、約50万人が住んでいるのです。そして、私の実家もあります。
横田基地周辺には、東京でありながら農地も広く存在しています。実際、私の友人は、横田基地に隣接する農地を耕作し様々な農作物を作っています。
その彼とこれまで何度となく話してきたのは、この横田基地が万が一、日本へ返還された場合のことです。もしそうなった場合、現在は市街化調整区域の指定を受けてなんら建物が建てられない横田基地一帯が大きく変貌し、土地の資産価値も十倍以上にはなるだろう。つまり、広大な農地が市街化区域に編入され、千葉県の成田空港周辺以上に様々な施設が建設され、そこは本当の意味での東京国際空港になり得るのではないか。
それゆえ、かつての石原都知事が横田基地の軍民共用化を訴えた時には、その「万が一」が起こるかもしれないと大いに盛り上がりました。しかし、現実はこの真逆の方向に進んでいます。