先日、エンブレイスについて多くの症例のご経験のある海外講師と加藤先生によるzoom対談によるオンライン講習がありました。
エンブレイスはRFを使った皮膚表面や脂肪組織のタイトニング治療を狙った機器で、
加藤クリニックは約4年前から導入しております。
脂肪吸引に使用される機器にはシリンジ、ベイザー、アキーセル、サーミRFと様々な種類があり
自分がいざ手術をするとなると患者様はどれを選んだらいいのか悩むポイントでもあります。
私は他院修正を行う機会もあるのですが、その中で数年前に国内外で脂肪吸引をした方の修正にて、脂肪吸引術後に必ず訪れる「たるみ」と向き合う場面が多くあり、今までの方法だとなかなか皮膚表面を十分にタイトできる方法がない状況にありました。この問題は私以外の多くの脂肪吸引ドクターの頭を悩ませる長年の課題でもあります。
ここで新たな可能性として注目されているのがエンブレイスRFという機械になります。
使用するメリットとしては、
・皮膚表面を約30%タイトニングが期待できる。
・従来の脂肪吸引量の半分の吸引でしっかりと効果を狙える→血管や組織の損傷が少なく出血を最小限に。
・通常の脂肪吸引のダウンタイムより軽く短い
・長期に渡る(約5年)タイトニング効果の持続が狙える。
・コラーゲン生成により肌質の若返りも狙える
・既に脂肪吸引後の方にも使用できる
・切開リフトまでは踏み切れない方へ低侵襲的な方法として提案できる
が挙げられます。
私自身としては今まで行ってきた「サクションリフト」という方法も効果的であることは体験していますが、
その後の長期経過を良くするためのあと一手が欲しいとずっと思っていましたので、
今回のエンブレイスRFという治療には注目しており、出力や手技、レイヤーについてかなりこだわって執刀しています。
海外で導入が始まり、日本では約4年の経過があるこの治療ですが
まだまだこれからの治療でもありますので個人的にはエンブレイスごり推し!!!というわけでもなく
ただサクションリフト単体の経過より仕上がりが良いと感じているので
他治療とも比較をしながら、合併症を避けて治療の経過を追っていっているところです。
(実際、予算の関係でエンブレイスが難しい方や希望や適応がない方はサクションリフトを今も行っている)
さて、今回波紋を呼んでしまった記事がこちらになりますが
↓
なぜこうなってしまったのか
経緯を説明しますね。
先日の海外講師の先生の対談の中で、
「エンブレイスをした後の切開リフトは操作に問題ないか?」
という聴衆側からの質問がありまして、
その回答としてロバティ先生が
「自分がエンブレイスをかけた後の患者様を切開リフトした際には操作は問題なく行うことができ、むしろ若い人の手術をするようにやりやすかった経験がある」と
お答えになり、
「それよりも過去にある種の脂肪溶解注射後の方の切開リフトで操作が大変困難であったことがあってから、私は問診票に脂肪溶解注射の施術歴があったら切開リフトは強くお断りするようにしている。」
というお話もあり、個人的に印象に残った意見だったのでSNSに書いたところ波紋を呼んでしまいました。。。
こちらに関してはまず私の言葉不足により、一部の方(脂肪溶解注射を既に打たれた方)には不安な思いをさせてしまったと思いますので謝罪いたします。
一部の脂肪溶解注射は確かに癒着が強いと報告があります。
また溶解注射だけでなく脂肪吸引やエンブレイスの操作自体も術者が適切でないレイヤーをゴリゴリと荒い操作をすれば、強い癒着となりますのでこの点は私自身も慎重に操作をするようかなり心がけています。
結論といたしましては、
・医師によって見解は様々で、過去の経験から一部の脂肪溶解注射による強い癒着を警戒される先生もいらっしゃるというお話で、脂肪溶解注射という治療を全面否定している訳ではない。
・既に脂肪溶解注射をした方は、切開リフトを検討する際にその薬液の種類と回数を執刀医に申告の上事前に相談していただき担当医のokがあれば大丈夫。
・エンブレイスは日本では今後その効果が期待される治療機器であるため、私自身も他治療と比較中である。
となります。
もっと早くに波紋に気づけばよかったのですが、リプライにも気づいておらずこのタイミングになってしまいました。
ごめんなさい。
低侵襲的な治療として注目を集めているエンブレイスは徹底した温度管理で過剰な熱による癒着を防ぎ、
クリップで挟まれた間の部分にしか熱を通さないためその下のSMASや神経には届かないという原理です。
今後、エンブレイス施術歴がある方の切開リフトを執刀される先生方も増えると思いますので、
更に多くの意見交換があり、私も学ぶことがあると思っています。
美容医療の世界は日進月歩で、数年前に素晴らしいと絶賛されていた治療が少し経つと悪い治療だと判明したり、
期待されていた新治療の効果がそこまで大きくなくて拍子抜けすることも多くある世界ですので
なかなか最高の治療というものは存在しませんが、
ある程度データや効果実績が証明されており、症例数がありなおかつ合併症が少ない期待できる治療には注目、勉強していきたいと思います。
私は自分が受けたベイザー&アキーセル顎下脂肪吸引の術後の顎下の皮膚のたるみが気になってきたので、
エンブレイス体験して見ようと思っています。またレポートしますね。
長くなりましたが、こちらの記事を私のSNS発信の補足とさせていただきたいと思います。
加藤クリニック麻布に入職できるお話をいただいた時から、患者様一人一人と誠実に向き合い手厚くフォローするクリニックの方針をお聞きして、自分のやりたかった診療であると感じ一生懸命診療と向き合ってきました。
今後も一人一人の患者様の術前から術後まで丁寧に向き合っていきたいと思っています。
最後までご拝読いただきありがとうございました。
モニター価格(税込)
顎下脂肪吸引+フェイスタイト264,000円
vスレッド8本 137,632円
リスク:内出血、腫脹、左右差、凹み、稀に一時的に神経麻痺、火傷