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暗渠ハンター 蓮根川① 蓮根川の湧くところ。

蓮根川に行ってレンコンが食いたい。
とこのまえ相方に言われて、しまった食べておけばよかったと思っても後の祭りだったのです。
もう2カ月ほど前になりますが、蓮根(はすね)川に行ってきました。

まずは地図から。オレンジ色のラインが蓮根川です。

より大きな地図で 出井川周辺 を表示

板橋区の若木あたりから始まって、
相生町、坂下、蓮根あたりを通っていきます。
川の名前に冠される「蓮根」の町ですが、決してレンコンが由来ではなく
大字の上蓮沼と根葉(ねっぱ)が明治33年に合併して
「蓮根(はすね)」となったそうです。
…根葉、というベジタボーな字名も気になりますね…。

暗渠を見ていく前に、もう少し地理をご紹介しておきます。
まずはこちらが地形図。
Google earthさん&東京地形地図さん、毎回引用させていただきます。
どうもありがとうございます。

Photo

図の下の方の東武線の台地から北(新河岸川方面)に向かって
がっばがばと谷がありますが、
その一つがこの蓮根川(赤い矢印)となります。
これだけでもうエキサイティング。

こんどは一部昔の名前入りでどうぞ。
以下は「いたばしの地名」(板橋区地名調査団・板橋区教育委員会)を参考にさせていただきました。

Photo_2

川の起点は明確に一つではないようです。
起点付近は非常に入り組んだ急峻な谷が複数ありまして、
どこから水が湧いてもおかしくないような状況です。

さらに少し下流に「ひなた山」と呼ばれる台地がありますが、
この裾にはいくつもの湧水があったといいます。

またひなた山との間にある「上谷津」というところ(元若葉小あたり)、
ここには湿地が広がっていて沼もあったといいますから、
おそらくこの上谷津の谷頭からも水が湧いていたのではないでしょうか。

下流の低地は「中台たんぼ」と呼ばれていたところ。
深く狭い谷を抜けて、蓮根川が流れ込む広々とした低地ですね。
もちろん蓮根川の水も流れ込んでくるのですが、
深い湿地帯でここ自体でも水が湧いていたようです。

今たどった谷を振り返って見て、谷の入口西側にあるのが「赤バッケ」。
名前の通り、崖(ハケ、パッケ)下に関東ローム層が露出していたんですと。

先ほどの上谷津あたりからこの谷の出口あたりまでの
細長い低地にも田んぼが並んでいて、
このあたりは「山崎」または「後田」と呼ばれていました。

ちなみに以上各所では、
たくさんの湧水を集めて勢いよく谷を下って流れる蓮根川のことを
「ドンドン川」と呼んでいたそうです。

さてそれではいざ現地に!
起点付近、若木の谷を歩いてみます。
いやー急峻な崖にたくさんの路地や坂道があって、とても面白いです。
Img_7543

Img_7544

現地では、
こりゃ暗渠仲間の猫またぎさんが来たらきっと喜ぶだろうなと思ってたんですが、
さすがもうすでに来ていて記事にされていました。
そればかりか谷戸ラブさんも。名所なんですね…。

ここまでの前置きが長くなってしまったので、
水源から川を辿るのは次回にして、
今回はこの水源付近の谷の景観をご紹介することに専念しようと思います。

崖下と崖上は何本かの道(坂と階段)が通じていますが、
殆どが細い路地のようなところ。
こんなふうです。左側の手すりの向こうは当然のように崖です。
排水パイプ、存在感ありすぎですね。
Img_7547

おおー、ここはなんとも心もとない階段で崖下路地に接続していますね。
Img_7548

ところどころこんなふうに小さな公園も点在しています。
まあ公園というにはあまりにタイニイ(べつに「谷」に掛けているシャレではなく)なスペースなんですがね。
まるで坂の途中の休憩所、みたいな。
Img_7551

実はこのエリアにはもともと崖にびっしり家が建っていたのですが、
これは防災対策上よくないんじゃないの、と行政が移転を促進し、
その跡地を公園にしたためこのような状況になっているのだそうです。

ずいぶん登ってきました。いい眺めです。
Img_7553

こういう家の土台にははっとしますね。
暗渠に見られる護岸によく似ています。
Img_7554

なかなかドボク的にも見どころが多いんじゃないでしょうか。
Img_7561

法面工法のうちのひとつ(たぶん)。
Img_7563

赤い壁や赤い塀には、なんだか反応してしまうんですよねー…。
Img_7572

細かな敷地をカスケード状に結ぶ公園。
エリア内ではここが一番「大きい」んではないでしょうか。
Img_7576

さて、そんでは次回はいよいよ本題である蓮根川へ!

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2070 ・・・その他水系」カテゴリの記事

コメント

ご紹介ありがとうございます。
私がこの界隈に興味を持ったきっかけは、富田均さんという方の著書「私を愛した東京~名東京水景紀行」の中で
若木の暗渠歩行を綴った記録に接してからでした。

当時は暗渠という用語も頻繁に目にするものでは無かったですし、ネットも無い時代でしたので、それはそれは想像を掻き立てられましたよ~。(蓮根川という川名も言及されていなかった記憶が。)

少し曇りがちなお天気がいい雰囲気出しています~。赤い壁?もより映えるような。
狭隘な坂道に囲まれて、猫気分で拝見しました。

続きを楽しみに待っています!

あと、前の方の馬込の記事で、馬込関係者の方々に「周りに坂とか無かった?」って聴取してしまうの、しみじみ良かったです~。愛すべき異常行動です^^

投稿: 谷戸ラブ | 2013年3月 5日 (火) 08時51分

谷戸ラブさん
ども!異常行動者ですw
おもしろそうな本ですね、これは入手しなければ!というかこの記事書く前に読んでおくべきでしたw 
谷戸ラブさんもずっとまえからこの界隈を歩いてらっしゃるんですね。
実は、予約投稿済みの次回記事では元若葉小辺りも取り上げているんですが、谷戸ラブさんが蓮根川上流でご覧になったと書かれている蓋暗渠ってそのへんにあったのかなあとも触れています。あとで、ご指摘くださいね。

投稿: lotus62 | 2013年3月 5日 (火) 14時09分

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