【経歴】
2008年、双葉社入社。第二営業部配属。
書店営業部員として北海道・東北地区担当、東海地区担当を経て2013年より関西地区担当。
京都府担当として、シリーズ累計100万部を突破した『京都寺町三条のホームズ』(原作/望月麻衣)シリーズのヒットに大きく貢献する。
――第二営業部の仕事について教えて下さい
第二営業部は取次営業を担当する書籍課と、書店営業を担当する販売促進課に分かれています。私は販売促進課なので、書店さんへの営業が主な仕事です。新刊や売れ行き良好本のご案内や補充注文の受注、店頭拡材(POPなど)の作成、サイン会の開催など様々です。また、担当編集者と書籍の表紙や帯なども打ち合わせをし、期待作のプロモーションを手伝ったりもします。
作家さんと担当編集者が書籍に込めた熱意を書店員さんを通じて店頭に反映し、多くの方に手にとって読んでもらうことが、営業部の仕事だと思っています。
――『京都寺町三条のホームズ』の展開は具体的にどのようなことをしましたか?
まずは地元から盛り上げよう!ということで、1巻目の発売時より京都の書店さんと連動して店頭の目立つところでの展開やサイン会の実施などで部数を積み重ねてきました。初版部数は2万部でしたが、売上が好調で何度も重版をし、シリーズ累計100万部を突破!お陰様で第4回京都本大賞も受賞することができました。
アニメ化の際はJリーグの京都サンガF.C.様や大丸京都店様とのコラボやグッズ作成、大垣書店様とのコラボカフェの実施、著者である望月麻衣先生の様々な媒体への露出の段取りなど、普段の営業以外のお仕事もさせてもらいました。
――他にもご自身が主体で企画したフェアを教えて下さい
大手書店チェーンのTSUTAYA様と組んで「復刊プロデュース文庫」という企画を立ち上げました。すでに絶版となり手に入らなくなった文庫を全国のTSUTAYAさんの書店員さんに選定してもらい、双葉社で復刊を行うプロジェクトです。書店員さんへ復刊希望のタイトルの募集をかけた際は、色々な出版社さんの文庫130タイトルほど集まりましたが、そこから様々な観点から吟味し4作品に絞りました。
その第1弾目として復刊発売したのが松尾由美先生の『九月の恋と出会うまで』でした。カバーイラストを以前発売していたものから一新し、今まで手に取ったことがないお客さんにこの本を知ってもらうきっかけとなりました。現在この作品は累計20万部を越え、今年映画にもなりました。
――書店さんとの付き合いにおいて、大切にしていることは何ですか?
営業はどうしても、売れてる本、売りたい本を書店さんに置いてもらうために頑張ってしまいますが、大きなくくりとして書店さんといっても立地だったり、客層などばらばらです。例えばですが、駅の中にある店舗では時代小説、警察小説など少し男性向けな書籍が、ファッションビルの中にある書店さんではモデルさんのスタイルブックや実用書などお洒落な書籍がよく売れます。
ちゃんとお話をしてその書店さんにあった商品をご提案するように気をつけているつもりですが…。頑張りたいです。
――営業の仕事で一番やりがいを感じたことを教えて下さい
入社して初めての仕事が、湊かなえ先生の『告白』のゲラ(印刷所で刷られた試し刷り)を大量にコピーすることでした。書店員さんに発売前に読んでもらい、お力添えを頂くためです。コピーをしながら読んでいたのですが、こんなに面白い小説が発売になるのか!と衝撃を受けた覚えがあります。
そこから書店さんでの大展開、大ヒット。書店員さんに支持され本屋大賞を受賞、映画化と様々な経験をさせてもらいました。この時期に入社して『告白』を売ることに携われたことは運がよかったですし、とてもやりがいがある仕事でした。
――双葉社のイメージを教えてください
自社のことを褒めると少し胡散臭く感じられるかもしれませんが、本当に風通しの良い会社です。私、双葉社大好きなんです(笑)。
先ほども言いましたが『京都寺町三条のホームズ』で京都の様々な企業様とコラボしたり、『九月の恋と出会うまで』など他社作品の復刊企画など、双葉社以外ではなかなか実現ができないような提案を皆が応援してくれます。自分はこうしたいんだ!という気持ちを強く持っていれば、まわりの人が支えてくれ、実現できる会社です。
――学生時代の経験で、社会人生活において役に立っていることを教えてください
寺社仏閣が好きなのでよく一人旅で京都に行っていたのですが、営業で京都担当になった現在、京都在住の方よりも京都が詳しく、話がよく通じます。よく住んでるのではと疑われます(笑)。経験はいずれ何かしらに繋がるもんですね。
――未来の新入社員に一言アドバイスをください
本が好きというのは前提としてありますが、「この分野は入社希望者の誰よりも知っている!」という強みや、「双葉社でこういうジャンルを立ち上げたい!」という熱い気持ちを持っている方、ぜひ一緒に働きましょう!