【経歴】
2017年入社。営業局第一営業部雑誌課に配属。漫画アクション、月刊アクション、JOUR、まんがタウンなど、主に漫画雑誌の部数決定を担当する。
2019年に編集局JOUR編集部に異動。『JOUR』『月刊まんがタウン』等を担当(刊行)する。
――Jour編集部の仕事について教えてください
女性向け月刊漫画雑誌『JOUR』とその増刊号、4コマ漫画雑誌『月刊まんがタウン』、他にも電子オリジナルの作品を制作しています。
JOURは『風のペンション』シリーズや『マダム・ジョーカー』などの大人女性に人気のロングヒット作品をはじめ、『セフレの品格』『うらめしや』など電子書籍でも人気の作品、『夜明けの図書館』などお仕事がテーマの作品などを幅広く連載している雑誌です。
まんがタウンは『新クレヨンしんちゃん』『かりあげクン』『鎌倉ものがたり』など世代を超えて愛されるロングシリーズと、『新婚のいろはさん』『恋するヤンキーガール』などの若い読者にも人気な作品が同居するファミリー4コマ雑誌です。
一見真逆のジャンルの雑誌を2つ作るので、配属当初は驚きました。
――ご自身の仕事について教えてください
『JOUR』『まんがタウン』『webアクション』『JOUR Sister』にそれぞれ担当作品があり、その編集が主な仕事です。他にも雑誌のホームページ更新やSNSの更新、読者プレゼントの発送、記事ページ「しんちゃん通信」の制作など、作品と雑誌に関わる様々な業務を担当します。
また、雑誌で連載した作品を単行本化するのも大きな仕事です。どのような表紙にするかを漫画家さん・デザイナーさんと相談したり、ネット書店の詳細欄に表示されるあらすじ文章を考えたり、社内で通すための企画書を作ったり、書店店頭での宣伝物なども作ります。漫画家さんと企画を考えるところから、単行本を読者に届ける部分までトータルで関わります。
――仕事をする上で大変なことと、必要とされる能力は?
ありきたりに聞こえるかもしれませんが、コミュニケーション能力と、行動力だと思います。
・コミュニケーションについて
実は私が担当している作家さんは一番下が20代、一番上が70代です。商業誌経験がない新人さんから大ベテランまで、幅広く担当させていただいています。
また年齢だけではなく、性別、住んでいる地域、経歴も皆さん本当に様々です。そんな自分と一切共通点がない初対面の相手に漫画を描いてもらうなんて、不可能じゃないかと最初は思いました(笑)。
しかしながら、“漫画が好き” “面白い作品を作りたい”という部分だけは共通しているので、対話を重ねて相手の内面を掘り下げるようなコミュニケーションが取れれば、そこから仕事は始まると思います。加えて、遠方にお住まいの作家さんも多いので、やりとりは基本的にメールか電話です。ミスリードがないように、メールや電話での言葉選びは以前よりずっと慎重になりました。
・行動力について
漫画の編集は、待っていても誰かが仕事を割り振ってくれるわけではありません。自分でアイディアを出し、漫画家さんと納得できる企画を作り、その企画を社内で通すまで自分がリーダーになって物事を進めなくてはなりません。そのための行動力がないと、作品を世に出すことはできません。何でも判断を他人任せにするタイプの人には向いていないかもしれません。
編集部に入ってから一番力を振り絞ったのは、Twitterのメッセージ1つで連載の依頼をしたことでしょうか…。自分でも「えいっ」って感じで送信ボタンをクリックしました。
結果的に連載に繋がったので、勇気を出してよかったと思っています!
――Web作品を担当するにあたって、意識していることはありますか?
Web作品のメリットは誰でも気軽に読めることですが、だからといって何でもアリというわけではありません。Web向きの企画とそうではない企画があり、コンセプトの分かりやすさ、タイトルやイラストのキャッチーさなどは、紙雑誌での連載以上に求められると思います。読者層も若いですし、流行の移り変わりも激しいので、常にアンテナを張るように努めています。全然追いつけていない自覚が自分でもあるので、まだまだ勉強中です。
――営業部から編集部に異動されましたが、営業部での経験が役立っていると感じるのはどんなときですか?
どんな作品が売れているか、常にチェックする癖が営業部時代についたと思います。企画を立てる際に、あらかじめ売れ筋や読者層がイメージできていると企画も立てやすいです。また、どういう読者にこの作品は刺さるだろうか、という目線で企画を考えられるようになったのは大きいです。
もう1つは、社内の人脈ができたことですね。雑誌課の仕事では、新入社員でも各雑誌の編集長と雑誌の方向性を対等に話し合う機会が多くありました。色々な編集部と仕事ができたので、何か迷った時に相談できる相手が社内にたくさんできたのは心強いです。
担当している作品に『意味がわかると怖い4コマ』(著:湖西晶)という作品があるのですが、当初、湖西晶先生からアイディアを頂いた時、「面白いと思うけれど、どこで掲載して、どういった売り方をしたらいいか分からない」というお返事をしました。
悩んでいる時に「いっそ怖い話が好きな子供向けにしちゃえば?」というアドバイスをくれたのが、営業部時代に一緒に仕事をした元・漫画アクションの編集長でした。
この言葉がなかったら、この作品を立ち上げることはできなかったと今でも思います。
――学生時代の経験で、社会人生活において役立ったことはありますか?
アルバイトやインターンを興味があるもの片っ端からやってみたことですかね。
大学3年の時、とあるローカルフリーペーパーを作っている広告代理店に、飛び込みでインターンとして働かせてもらえないかお願いしに行ったことがあります。ご厚意で2ヶ月間ど素人の大学生の私に記事制作を教えて下さり、取材の方法から写真の撮り方、社会人のマナーまで叩き込んでくれた方がいました。
他にも、スーツ屋さんでのアルバイトの経験があることがきっかけで、スーツ屋さんの漫画『テラモリ アンコール』(著:iko)を担当させて頂けたりと、当時は予想もつかなかった方向で経験が生きています。
――未来の新入社員に一言
双葉社は出版社で言うと中規模の会社です。それなりに小回りがきいて、それなりに人数がいるからこそできる事業があります。また、サラリーマン企業ということもあり、誰でも自由にやりたいことにチャレンジできたり意見を言える風通しの良さがあると思います。勝算があれば、例え新入社員でもやりたい企画や事業を提案できます。
実はこの新卒採用ページも、総務部長から任されて第一弾は当時入社2年目だった私がインタビューページを作りました。そのくらい自由な会社なので、やりたいことがある人、面白い作品を作りたい人のご応募お待ちしています。
最後になりますが、コロナ禍での就職活動、想像がつかないことだらけで大変だと思います。ご自身が納得して働ける場所が見つけられるよう、祈っております。