口頭で約束した不動産売買契約を売主から契約解除した場合の損害賠償責任

公開日: 相談日:2016年09月29日
  • 3弁護士
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売却依頼をしていた不動産会社の仲介で、別の不動産会社にマンションを売却することを口頭で約束しました。契約書はまだ取りかわしていません。手附金も振り込み前です。売り手からの解除をした場合、損害賠償責任はありますか?

489433さんの相談

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    一般に売買契約は口頭でも成立するといいますが、不動産売買の場合は違うかも知れません。不動産のように高額な売買物件で、場合によっては境界の画定などの準備行為、下見、周辺の検索、手付金の授受、代金の授受、登記、引渡などの準備・履行行為を伴う契約ですから、口頭で成立している軽々しく言えるか疑問があります。その辺をふまえて弁護士に相談ください。一概に解除とか損害賠償責任とかをいえないと思います。

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    口約束でも契約ですので,理論上は,契約を破棄したことにより先方に損害が生じれば損害賠償責任を負います(民法415条)。

    もっとも,「損害」が発生したこととその額については,損害賠償を請求する側が立証しなければなりません。

    詳しい事情は分かりませんが,口頭で約束した後,短い期間で解除を申し入れたのであれば,果たして「損害」が発生しているか微妙です。

  • 鎌田 智 弁護士

    注力分野
    不動産・建築
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    > 売却依頼をしていた不動産会社の仲介で、別の不動産会社にマンションを売却することを口頭で約束しました。契約書はまだ取りかわしていません。手附金も振り込み前です。売り手からの解除をした場合、損害賠償責任はありますか?

    不動産の売買契約は高額の取引ですので,通常は,売買契約書を締結した時点で契約が成立すると認められる場合が多いと考えらます。

    条件をさらに詰めていかなければならない段階では,まだ売買の確定的な意思の合致があるとは言えないからです。

    実際にどの段階で売買契約が成立するかは具体的な事実関係によります。

    売買契約が成立していなければ基本的には損害賠償の責任は生じません。

    もっとも契約締結に向けた交渉が最終段階まですすみ,双方が,契約が成立するものと期待して当然という場合には,契約が成立していないとしても,信義則上,相手の被った損害を賠償する責任が生じる場合があります。

    口頭で売るといってもすぐ撤回するのであれば相手には何ら損害は発生していないという場合もあるでしょう。

  • 相談者 489433さん

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    3名の先生方の迅速な回答に感謝いたします。先生方の回答の中に、今必要な情報が全て盛り込まれていました。早速、仲介の不動産会社に売却を撤回したい旨を理由(家族のプライベートな事情)とともに真摯にお話したところ、こちらの事情をよく理解してくださり、納得の上、買主の不動産会社に説明していただいて、撤回を了承いただきました。先生方のご回答のお蔭で、頭の中が整理されて、落ち着いて話をすることができました。本当にありがとうございました‼︎

この投稿は、2016年09月時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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