初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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お久しぶりです、私生活が忙しく更新ができずにいました。

なお、D.C.4はクリアしました。今からファンディスクが出るのを待っている作者です。


悪虐皇帝と留学生

今朝方生徒会の面々とのあれこれがあったが特に何かあるわけでもなく平穏無事な学園生活を送っている。

 

 

まあ、その平穏無事な学園生活を自ら壊そうと今しているわけだが。

 

 

少々大袈裟に言っているが要するに生徒会に喧嘩を売りに行くわけだ。

 

 

非公式新聞部の情報網によってある情報を入手したのだ、その情報自体はもう随分前から入手していたんだが。

 

 

その情報というのが海外から留学生が来るという話だ、しかもただの留学生ではなく王女であるらしい。

 

 

何故どこぞの国の王女様がわざわざ日本の小さな島の学園に留学してくるのかはわからないがどういった人物なのかこの目で見せてもらうとしよう。

 

 

生徒会の巡回ルートは頭に入っている、恐らく朝倉先輩と高坂先輩と案内ついでに校内を回っているだろう。

 

 

二人を探して校内を歩いていると。

 

 

「ーー君ーー紹ーーする」

 

 

「留学ーーエリーーサキーーんーよ」

 

 

 

少し離れた所から聞き慣れた声が聞こえて来た、聞こえてきた言葉から推測するにどうやら誰かと話をしている様だ。

 

 

声の方に向かって歩いていると予想通り朝倉先輩と高坂先輩がいた、そしてその後ろに件の留学生エリカ・ムラサキがいた。

 

 

 

金髪ロングに凛とした佇まい、後ろ姿からでもわかる隠しきれないオーラというやつなのだろう、上に立つ者のとしてのカリスマ性も感じる。

 

 

これはもしかすると中々良い人材か生徒会に入ったのかもしれない、まあ、負けるつもりはさらさらないがな。

 

 

後ろから様子を伺っていると不意に。

 

 

「あっ、」

 

 

「んっ。」

 

 

顔を背けたエリカ・ムラサキと視線がぶつかる、ムラサキの声に反応して朝倉先輩と高坂先輩が顔を後ろに向ける。

 

 

その際義之の顔が見えた、どうやら先ほどの会話は義之としていたようだ。

 

 

そんな事はさておき、俺の姿を捉えた朝倉先輩と高坂先輩の表情が変わった、和かな笑みを浮かべているが何処か凄味を感じる笑みを浮かべている朝倉先輩、獰猛な笑みを浮かべて獲物を狙うかのような目をした高坂先輩。

 

 

そんな二人が俺の方に歩いてきた、そんな二人の様子を見て何かを感じたのかムラサキも後に続いて近づいて来た、ついでに言うと義之もおずおずと付いてきた。

 

 

「おんやぁ〜、こんなところでなぁにしてるのかなぁ〜。ルルーシュ?」

 

 

「なに、生徒会に新戦力が加入したと聞き及んだので。一応偵察を」

 

 

「ふーん、まあ、いいか。丁度いいと言えば丁度いいか。エリカちょっと来て」

 

 

「は、はい。」

 

 

高坂先輩に呼ばれムラサキが高坂先輩の隣まで来る。

 

 

「エリカちゃん、この人が生徒会のブラックリストに載っている最要注意人物のルルーシュ・ランペルージ君よ」

 

 

「っ!つまり私たちの敵という事でよろしいんですね?」

 

 

朝倉先輩の言葉にムラサキは好戦的な目を俺に向けてきた、高坂先輩と同類か。いやこれは少々気合いが入り過ぎているな。

 

 

真面目なのはいい事だがどこか猪突猛進なイメージだ、勇のは結構だが俺たちを相手するのはまだ経験不足だな。

 

 

まあ。有益な情報は得た。今日の所はこの辺で失礼するとしよう。

 

 

「時間もない事ですしそろそろお暇させていただきます、では。」

 

 

生徒会の面々の視線を尻目に俺はその場を後にする、生徒会の面々の鋭い視線そして義之の恨めしそうな視線を感じながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今朝も思ったけどあいつのあの余裕の表情ムカつくわね〜、いつか必ず悔しさに歪ましてやる」

 

 

「うーん、やっぱり手強いわねルルーシュ君は今回も彼の動向から目を離さないようにしないと。」

 

 

俺の目の前で音姉とまゆき先輩がルルーシュに対する対策やら話し合いが行われている、これを見るとやっぱルルーシュって凄いやつなんだな、と実感する。

 

 

そんな風にぼっとしていると不意に腕を引かれる。

 

 

「うお?!」

 

 

いきなりの事で驚いて体制を崩そうになるもなんとか堪える、俺の腕を引いた犯人を見る。そこには・・・。

 

 

「ム、ムラサキ?」

 

 

出会い頭にやらかしてしまった相手ムラサキであった。

 

 

「本当は貴方に聞くのはとても不本意なんですけど、朝倉先輩や高坂先輩の手を煩わせる訳にもいきませんから貴方に尋ねます。」

 

 

「な、何をだ?」

 

 

ムラサキは咳払いをひとつすると。

 

 

「あのルルーシュという男はその、貴族かそれに連なる家系の人物なのですか?」

 

 

「へっ?」

 

 

予想斜め上の質問に思わず間抜けな声が出る、ルルーシュが貴族?いや、確かにあいつの言葉遣いや立ち振る舞いはどこか品があった。

 

 

改めて考えるともしかしたらそうなのかも、と思ってしまう。だがしかし。

 

 

「いや、ルルーシュの両親はごくごく普通の一般人だぞ。でもなんでそんな事聞くんだ?」

 

 

「そうね、その話私たちも興味あるわね」

 

 

「うお!?」

 

 

いきなり後ろから声をかけられ為声を荒げてしまう、後ろを見ると案の定というかそこには音姉とまゆき先輩がいた。

 

 

そんな二人の視線にムラサキはぽつりぽつりと語り出した。

 

 

「その、彼の所作や立ち振舞いが見慣れたものでしたので」

 

 

「見慣れた?って」

 

 

「はい、あれは私達と同じ王族や貴族に連なる者のとしての振る舞いや所作が染み付いていました」

 

 

「染み付くか・・・まあ、エリカが言いたい事はわかったわ。」

 

 

ムラサキの言葉を理解したのかまゆき先輩は納得した様に頷いていた、それに対して俺と音姉は首を傾げていた。染みつくってどういう事だ?

 

 

そんな俺たち二人の様子を見てまゆき先輩は。

 

 

「あー、弟君や音姫にはわかりにくいか。ほら、私陸上やってるでしょ?」

 

 

まゆき先輩の問いに俺と音姉は頷く。

 

 

「まあ、陸上に限らずスポーツなんかやってると分かるんだよね。雰囲気というか、一目見ただけで相当走りこんでる、とか。」

 

 

「うーん、御免うまく言葉で説明できないや」

 

 

たはは、と笑うまゆき先輩であったがなんとなくまゆき先輩の言いたい事はわかった。要するに同じ分野の一流の人同士ならわかる感覚みたいなやつだろう。

 

 

となるとますますわからないのがルルーシュである、本物の王女様であるムラサキが認めた。それはつまりそういう事になるんだろう。

 

 

けれど俺は知っている、ルルーシュの家族や出生の事も。けどそれが逆に自体の混乱を招いている。

 

 

杉並の様に徹底的なまでの秘密主義者であれば一応の納得はできる、けどルルーシュは違う。あいつはある程度個人情報があるからこそこの違和感は無視できない。

 

 

だけど結局、色々考えてみたが答えは出ず。予鈴が鳴り音姉たちと別れ俺は自分のクラスに戻った。

 

 

ルルーシュ、杉並では無いがこいつにはなにかとんでもない秘密を抱えているのかもしれない。

 

 




投稿した後に気付きましたが、何気に令和初投稿です。

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