初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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ギリギリ投稿できた、中々時間が取れず更新できずにいました。こんな不定期更新の作品ですが新年もよらしくお願いします。


悪虐皇帝と幕引き

現在俺たちは体育館に整列していた、卒パも滞りなく終了し体育館には全校生徒が集っていた。

 

 

因みに白河ななかディナーショー改めルルーシュ・ランペルージディナーショーは大成功を収めた。

 

 

最初は白河目当ての男子生徒たちから不満の声が上がったがそれを帳消しにするぐらいの結果を残した。

 

 

杏や杉並たちからの妨害も殆どなく万事問題無く終えることが出来た、そして今学園長や先生方の挨拶などが行われている。

 

 

「いや〜、後少しで結果発表だな。まあ、当然一位は俺たちがいただきだろうけどな」

 

 

「途中で白河がいなくなったからな、その遅れを取り返せていたら可能性は多いにあるだろう」

 

 

「にっししし、俺たちが一位を取って杏や茜に杉並が悔しがる様が眼に浮かぶぜ!」

 

 

「あらあら、何処かの誰かが妄言を吐いていると思えば上客の渉じゃない」

 

 

「ねぇ〜、私たちのお店で沢山お金を使ってたのはどこの誰だったかな〜?」

 

 

聞き慣れた声が二つ聞こえそのまま声のする方を向くと杏と茜が笑みを浮かべながら立っていた。

 

 

後渉は茜の言葉にグゥの音も出ないのかバツの悪そうな顔をしながら目を逸らしていた。

 

 

「渉、幾ら出したんだ?」

 

 

「えっ、いや〜、その〜。そ、そこそこ?」

 

 

「ふふっ、そうね。そこそこ落としてくれたわね渉は。」

 

 

「ねぇ〜、あんなにたくさ・・・じゃ無くてそこそこのお金を落としてくれたよね〜」

 

 

杏と茜の表情が生き生きしているのとは対照的に渉の顔色はどんどん悪くなっていっていた、こいつはまったく。これ程まで動揺するという事は相当な額をパジャマパーティーに落としているなこいつは。

 

 

周りを少し見渡すと俺たちのクラスの男子生徒たちの内数名が俺と視線が合うと目を逸らしたり、顔を伏せたりしていた。

 

 

これが俗に言う男の悲しい性というやつなのだろう、いくら行くなと言われても情報というのは本人の意思関係なく入ってくるものだ。

 

 

それを完全にシャットダウンする事はほぼ不可能だ、別にそれを責める事はしないし、そもそも責めるのは御門違いというものだ。

 

 

「ふっふふ、盛り上がっているところ済まないが、一位は俺たちに決まっているではないか。なあ?同士桜内?」

 

 

唐突に現れて俺たちの会話に参加してきたのは杉並と、その後ろには微妙な表情を浮かべている義之と困った笑みを浮かべている小恋がいた。

 

 

「いや、まあ、結構な手応えはあったけど。どうだろうな?」

 

 

「でも、勝つためとはいっても杉並君他のお店の商品を買っちゃ駄目だって言って他のお店周れなかったんだよね。」

 

 

「ああ、事前にチェックしていこうと思ってた店結構あったんだけどな」

 

 

「ふっはははっ!勝つ為だすまんな。許せ。」

 

 

流石杉並と言ったところか、徹底しているな。まあ、付き合わされたクラスメイト達には同情するが。

 

 

昼ごはんも自分たちが作った焼きおにぎりだけだったそうだ、義之の買い置きの和菓子があってなんとか耐えられたそうだ。

 

 

毎度思うが義之の買い置きしている和菓子は何故か包みなどに梱包されておらずそのままの状態である事が多々ある、何故わざわざ包みから出すのだろうか謎である。

 

 

一度その事について訪ねた事があるが、はぐらかされた。まあ、義之の場合答え辛い話題を振られると茶を濁して逃げる事が大半だからな。

 

 

今回の和菓子の事もどうやらその類のものだったみたいだ。和菓子の事を何故はぐらかすのがわからないがな。

 

 

「おっ、音姫先輩たちが出てきたぞ」

 

 

そうこうしているうちに壇上の上に生徒会の面々が現れた、それに伴い周りの生徒たちも自然と談笑をやめ壇上に注目していた。

 

 

お決まりと言っても過言ではない堅苦しい話から始まった。しかし、大多数の生徒の関心はやはり磯鷲生徒会の言っていた豪華賞品だろう。

 

 

かと言う俺たちもその話が出るのを今か今かと待っているのだから、そして遂にその時がやってきた。

 

 

「えーっ、ではこれより模擬店の売り上げ金の順位を発表致します。勿論一位を獲得したクラスには豪華賞品が贈られます!」

 

 

ようやく、今回の卒パのメインイベントの時間の様だ。

 

 

「それでは発表の方は朝倉、高坂。よろしくね」

 

 

「「はい!」」

 

 

「それでは、時間も惜しいのでちゃっちゃと発表します。それではまず第三位本校三年一組」

 

 

発表と同時に歓声と疑問を持った声が出た、隣にいる渉からも「あり?」と言った声が聞こえてきた。

 

 

「続いて第二位は付属一年一組です。」

 

 

この発表に周りの生徒たちも騒めき始めた、優勝候補と言われていた俺たち付属二年がここまで呼ばれていない事に何事かと騒ぎ始めた。

 

 

渉や杏に茜、そして義之や小恋と何故か義之たちのクラス委員長である沢井麻耶(さわいまや)も慌てている様子だ。

 

 

あの様子では杉並に焚き付けられたな。沢井は煽られて我慢できる性格でもないか。

 

 

そして、最後のクラス。つまり一位のクラスが発表される。

 

 

「それではいよいよ第一位のクラスの発表です。」

 

 

「第一位は・・・二年一組!!」

 

 

発表の直後、義之たちのクラスから割れんばかりの歓声が上がる。クラスメイト同士お互いの健闘を讃え合っている。

 

 

だが。

 

 

「もう、音姫きちんと発表しないとダメでしょ?」

 

 

壇上から聞こえてきたこの言葉に生徒全員が押し黙る。

 

 

「え〜、改めまして第一位は本科二年一組!!」

 

 

この発表に再び体育館中の生徒たちが騒めきだす、それもそのはず優勝候補であった俺たち付属二年が一クラスも呼ばれなかったのだから。

 

 

そしてそれに追い討ちをかけるような言葉が告げられる。

 

 

「えーっ、ちなみに驚異的な売り上げを叩き出した付属二年の一組、二組、三組ですが・・・。」

 

 

「他クラスへの妨害行為、学生の本分を著しく逸脱した公序良俗に反する出展内容などの理由から。協議の結果失格となりました!!」

 

 

失格か・・・、まあ、予想通りの結果だな。

 

 

「問題児たちは反省する様に」

 

 

「残念でしたね、皆さん。しっかり反省してくださいね。」

 

 

朝倉 音姫が笑顔でそう言い放つ。笑顔で中々キツイことを言う、この結果を聞いて俺たち付属二年の生徒からは大なり小なり苦情や不満が上がる。

 

 

「静かに!この決定に不満があるなら店の売り上げ金も全額没収する事にもなりますが」

 

 

この鶴の一言により治った、こうして卒業パーティーは幕を降ろした。付属二年の生徒の大多数がガックリと肩を落としている中俺は人知れず笑みをこぼしていた。

 

 

すまないがこの勝負俺たちの勝ちだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜、なんかどっと疲れたな」

 

 

「それはこっちのセリフですよ。私結局最後まで手伝わされたんですよ?」

 

 

「まあ、弟くんもこれに懲りたらもう問題行動は起こさないことね」

 

 

「いや、妨害工作は杉並がやったことですからね。」

 

 

「いや、兄さんも妨害してきた人たちかなり危ない感じで追い返してましたよね」

 

 

卒業パーティーが終わり、俺、桜内義之は妹分の朝倉由夢【あさくらゆめ】と音姉こと朝倉音姫と音姉の親友である、高坂まゆき先輩と帰路についていた。

 

 

話題は勿論さっきまで行われていた卒業パーティーについてだ、俺たち付属二年の話題が主だった。

 

 

まあ、基本まゆき先輩の俺たち付属二年の愚痴ばかりだったけど。

 

 

そこでふと気付いた音姉が終始無言で何か考えるかのように手を顎に当てていることに。まゆき先輩と由夢もそれに気付き音姉に話し掛けた。

 

 

「どうしたの音姫、考え込んで何かあったの?」

 

 

「お姉ちゃん?」

 

 

「うん、あのね。本当にあれで終わりだったのかなって?」

 

 

「???」

 

 

「ルルーシュ君のことよ、ルルーシュ君今回杉並君みたいに妨害工作を行うこともなかったでしょ?」

 

 

「もしかしたら裏で何かしてたんじゃないかなって思うの」

 

 

音姉の言葉にまゆき先輩が押し黙る、ルルーシュ・ランペルージ。風見学園入学前から数々の伝説を作り、初音島に限り同年代であいつの名前を知らない奴は居なかった。

 

 

噂話に疎い俺でも一度や二度その名前を耳にした、風見学園に入学する前まではなんか凄いやつという印象しかなかったが。

 

 

実際目で見てみるとなんか言葉では言い表せない何かを感じた、あれがカリスマ性というやつなのかもしれない。

 

 

「んー、でもあいつずっと自分のクラスの出し物にかかりっきりだったらしいし。」

 

 

「それに、後半はルルーシュ先輩いなくなった白河先輩に変わってトークショーやってましたし・・・お姉ちゃんの考えすぎじゃない?」

 

 

まあ、音姉の考えも分からなくもない。ルルーシュはいつも杉並と騒動を起こす時俺たちでは考えも及ばない策をいくつも講じてきた、それに音姉たち生徒会の面々は煮え湯を飲まさせてきた故のことなのかも知れない。

 

 

「うーん、そうだといいんだけど・・・。」

 

 

結局音姉の考えすぎだということでこの話はここで終わった、しかし、俺は後日音姉の考えが正しかったこと知ることとなる。




ちなみに。ルルーシュと義之のヒロインは決まっています。関係ないですけどFGOの第二部楽しみですね。後福袋ガチャ。

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