初音島の悪虐皇帝   作:帰ってきた

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リアルが忙しく11月中に更新が出来ませんでした。


悪虐皇帝と一悶着

卒業パーティーが始まり既に俺たち付属二年一組教室の前には長蛇の列が出来上がっていた、やはり白河の人気は侮れないな。

 

 

それと同時に俺たち調理班や接客班も忙しくなっていった、ディナーショウと言っているので軽食も用意してある。飲み物も可能な限り種類を用意している。

 

 

最初のステージまで時間が差し迫る中クラスの男子生徒が慌てた様子で俺の元にやって来た。

 

 

「ルルーシュ、ちょっと来てくれ。」

 

 

「んっ?どうした?」

 

 

「あー、実は白河がさ・・・。」

 

 

「ふむ、わかった。今白河は?」

 

 

「ああ、今はステージ裏で待機してもらってる」

 

 

「ステージ裏だな?すまないが戻るまでここを頼む」

 

 

そう言って俺は教室に作られた簡易ステージの裏に行く、そこには不機嫌な様子で渉をジト目で見る白河、そしてそんな白河にペコペコと効果音が付きそうな位に頭を下げ続けていた。

 

 

そんな光景を見ていると白河と目線が合う、すると白河がこちらにやって来ると。

 

 

「ねぇ、ルルーシュ君聞いてよ。板橋君ってば私に嘘ついてたんだよ。」

 

 

「だっ、だってよ〜。」

 

 

「まあ、落ち着け。まずどういうことなのか説明してくれ」

 

 

俺の言葉で少し落ち着いたのか、白河が話し始める。どうやら白河は卒パでは裏方に徹する予定だったが渉のお願いで表に変わったそうだ。

 

 

しかし、問題なのが今回の出し物で。白河は渉からトークショー的なものだと聞いていたが。

 

 

いざ本番当日になるとトークショーでは無くディナーショーで、ステージで歌うという事で聞いていた内容と違うという事でステージ裏で揉めていたそうだ。

 

 

「板橋君私が人前で歌うの苦手だって知ってたでしょ?」

 

 

「そうだけどよ、ステージに立つのは白河だけじゃねぇんだしよ。」

 

 

「俺らもさ一緒にステージに立つんだしよ、それで勘弁してくれねぇかな?」

 

 

「そういう問題じゃないの、私は人前で歌うのは苦手なの。」

 

 

「そこをなんとか頼む白河!」

 

 

「無理なものは無理!」

 

 

「はぁ、二人ともそこまでだ。」

 

 

二人の間に入る、まあ、側から聞いていても悪いのは渉だしな。このまま渉が変に意地を張って白河の機嫌を悪くさせると俺の計画にも響く。

 

 

「話しは聞かせてもらったが、100パーセント渉。お前に非がある。」

 

 

「うぇ。」

 

 

「勝負に勝つためとはいえ相手の意思を無視するのは悪手だ。ここは最初に言ったようにトークショーにすべきだろう。」

 

 

「白河もトークショーなら文句は無いんだろう?」

 

 

「えっ、う、うん。文句は無いけど」

 

 

「本人もこう言っているんだ、トークショーに今から変更すべきだろう。」

 

 

俺の言い分に渉は顔を下げていたがすぐに顔を上げる。

 

 

「へへっ、そうだな。せっかくの祭りだってのによ嫌々やらせるのは駄目だよな!」

 

 

渉なりに切り替えたのだろう、その後は白河に謝罪すると。

 

 

「なぁ、ルルーシュ。トークショーって具体的には何やればいいんだ?」

 

 

「あっ、それ私も思った。私一人が延々と話し続けるのは流石に無理だよ?」

 

 

二人の言葉に頭を抱えそうになる、片やディナーショーをするつもりで動いていたからトークショーについてはノーマークだったんだろうが。

 

 

提案していた白河自身がトークショーについて全く知らなかったとは、まあ、やることはそう難しく無いしな。

 

 

さて。トークショーとは芸能人などといった著名人が気のおけない、おしゃべりを主体とした番組内容のことを指すことが多い。

 

 

テレビで見るバライティー番組などを参考にしたら分かりやすいだろう。

 

 

そうなると先程白河が言ったように一人でトークをするというのは素人には出来ないだろう。

 

 

なので相方が必要となってくるわけだが、こういうことに一番適している人材といえば。

 

 

「渉、お前が白河と一緒にステージに出て司会進行をしろ。やる予定だった演奏も無くなってやることもないんだろ?」

 

 

「へっ、いや、まあ、そうだけど。」

 

 

「それに、白河と付き合いがこのクラスの中では長い。気のおける人が一緒の方が白河も気を張らずに済むだろう?」

 

 

白河の方に顔を向けて言う。

 

 

「うーん、確かに板橋君は気の知れた相手だし・・・うん、私は良いよ。」

 

 

本人からの許しも出たわけだしこれなら大丈夫だろう。

 

 

「うっし、それじゃディナーショー改めトークショー頑張ろうぜ!!」

 

 

「おおっー!」

 

 

どうやら解決したようだ、さて俺も持ち場に戻るとしよう。

 

 

俺は二人に一言二言言葉を交わした後にステージ裏を後にする、ステージを後にする際渉から特等席にいるお一人様の男子生徒に特上のサービスをしてやれと言われた。

 

 

なので、調理場に戻った後特等席にいる一人だけの男子生徒を探すと。

 

 

「早速偵察か?精が出るな義之」

 

 

「ルルーシュか」

 

 

「渉からのサービスだ、料金はあいつ持ちだ」

 

 

「太っ腹だな、そんなに自信があるんだな」

 

 

「そうだな、贔屓目に見ても見応えのあるものになってると思うぞ。」

 

 

「へぇ、ルルーシュがそこまで言うくらいだから期待できそうだな」

 

 

「ああ、存分に楽しんで行ってくれ」

 

 

俺はそう言って品物を義之のテーブルに置き俺は調理場に戻る、そこからしばらくすると渉と白河によるトークショーが始まった。

 

 

側から聞いていても中々に好評で盛り上がっていた、やはり渉のトーク力や場を盛り上げることに関しては才能といっても過言ではないだろう。

 

 

更には渉と交流のある白河も渉の扱いというのをわかっているためか二人の掛け合いも大いに受けた。

 

 

これで売り上げもバッチリと言えるだろう、俺たちの計画のためといえ途中でトークショーを中止に追いやるというのは中々に罪悪感が込み上げてくるな。

 

 

だが賽は投げられた、後は計画通りに進めるために頑張るだけだ。




ダンガンロンパV3を予約しました、特典の2.5が楽しみです。

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