悪虐皇帝と卒業パーティー
三月それは一種の区切りの月である。三月と言えば卒業式が学生の間では真っ先に出てくる話題だろう。
ここ風見学園も例に漏れず校舎内では卒業式ムード一色である、しかし、天下の風見学園がただ卒業式をやって終わりでは無い。
イベントの宝庫である風見学園では卒業式後には卒業パーティーが行われる、風見学園では春季体育祭と秋季体育祭そして秋季体育祭の後に文化祭が、そしてその二ヶ月後にはクリスマスパーティ。通称クリパが開催される。
この様にイベントが目白押しな風見学園で最後のイベントとになるのが卒パである、しかし、今年の卒パは例年とは異なる盛り上がりを見せている。
「しかし、相変わらずここの学園生はイベントが好きだな」
クラスメイトたちを眺めながら俺は一人呟いた、まあ。非公式新聞部に所属している俺としてはやりがいもあるというものだが。
「おいおい、ルルーシュ。お前もぼぉーとしてないで手伝えよ」
「俺は今回裏方だからな、表の作業はお前に一任しているからな。余計な手伝いはしないことにしている。」
「まあ、お前は裏で色々考えてるんだろしな。そこんとこはよろしく頼むぜルルーシュ。」
「いや〜しっかしよ。もう今回のイベントはよ俺たち付属二年一組の勝ちは揺るがねぇよな!!」
「学園のアイドル白河に、杉並や杏も認める頭脳の持ち主であるルルーシュがいるんだからなぁ〜。」
「ぐへへ、杏や杉並たちが悔しがる姿を見るのが今から楽しみだぜぇ〜」
渉はそう言うと作業に戻って行った、さて。今回の卒業パーティーは異例の盛り上がりを見せている。その理由は今から三日前に行われた全校朝礼にあった。
現生徒会長である磯鷲 涼芽(イソワシ スズメ)が今回の卒業パーティーを盛り上げる為、売り上げ一位のクラスには豪華賞品を贈呈すると言ったのだ。同じ生徒会の役員にも内緒で会費を捻出したそうだ。
恐らくこんな凶行に走った理由は十中八九今期の卒業生の中に前生徒会長である宮代会長がいるからであろう、磯鷲涼芽は異様な程宮代前会長に懐いていたからな。
そんなことがあって俺たちが黙っているはずは無い、俺たち一組は渉の提案した白河 ななかディナーショーを。杏率いる二組は女子生徒がパジャマ姿で接客するパジャマ喫茶これに渉は素早く食い付いていた。
そして、杉並や義之と小恋の三組だが当日の破壊工作の為俺や杉並はクラスの出し物にはあまり積極的に参加していない。その為三組の出し物は委員長である沢井 麻耶(サワイ マヤ)主導の下無難なフランクフルト屋となっていた。
その後出店を焼きおにぎりに変更していたが、何故焼きおにぎり何だろうか?何故か渉は何か理解した様な様子だったが。
そんな事はさておき、今回の卒業パーティーは各クラスが豪華賞品を目指して頑張って準備をしている。しかし、今回俺たちはもう一つ事を静かにそしてひっそりと起こしている。
表向きには豪華賞品を目指して、そしてその裏で俺たちは豪華賞品目的では無く別の目的の為に動いている。ちなみにこの事は渉は勿論、杏や茜も知らない。
知っているのは俺と杉並ともう一人の協力者のみだ。上手く立ち回らなければならない。まあ、俺なら問題無いわけだが。
そうこうしている内に時間はあっという間に流れ卒業式は滞りなく終了した、念の為だろうか生徒会メンバーが警戒に当たっていた。
だが、今回は俺も杉並も卒パに専念する為卒業式はパスである。つまり本番はこれからということだ。
そして俺も今クラスで開店前の最終確認を行っていた、最も朝にあらかたチェックしたのですぐに終わった。なので俺は裏の計画の打ち合わせをするとしよう。
俺はクラスの男子が集まっている場所に足を運ぶ、その中心にもう一人の協力者である女子生徒がいた。
「白河ちょっといいか?」
「あっ、ルルーシュ君。どうしたの?」
人懐こそうな笑顔を浮かべながら俺の名前を呼んだこの女子生徒の名前は白河 ななか。学園のアイドルと称されており男子生徒からは絶大な人気を誇っている。
クラスメイトとなった当初は接点は無かったが、中間テストや期末テスト時に渉に泣きつかれた際に一緒に面倒を見る事になりそこから接点が出来た。
白河はやたらとボディタッチが多い、それで勘違いし白河に告白し玉砕した男子生徒は多くいる。中には振られたを逆恨みして白河に強く当たったりする男子生徒もいる。
そういったことが多々ある為俺や渉、そして幼少の頃からの親友である小恋からも注意を受けている。しかし、それでも止まない為俺たちは頭を悩ませている。
そんな事はさて置いて、そろそろ本題に入りたい。白河も周りにいた男子生徒に断りを入れてから俺の所に来た。
「何かな?ルルーシュ君。もしかして愛の告白とか?」
その手の冗談もあまり得意でないくせに自ら墓穴にハマりに来るのはどうなんだ?まあ、時間が惜しい手早く済ませよう。
「冗談は置いておいて、例の件について少し話がしたいんだが?」
「もぉ〜、ルルーシュ君ノリ悪いよ〜。」
「時間が惜しいからな、階段の踊り場で良いな?」
「は〜い、了解です。」
そう言って俺たちは教室を出る、その光景にクラス内が若干騒がしくなったが気にしないでおこう。
しかし、教室を出る際にちゃっかりと白河は俺の腕に自分の腕を絡めて来た。こういうのを辞めろと何度も小恋や渉からも言われているだろうに。
「うーん、やっぱり聞こえない。なんでだろ?」
「うん?何か言ったか?」
「ううん、何でもないよ。ほら早く行こ?」
白河はそう言って何事も無かったかの様に歩き出した、白河はいつも俺に触れると何か呟いた後スッ、と俺から離れる、まあ、いいか。
思考を切り替えて人の波を抜けて踊り場まで来ると事についての簡単な最終確認を行う。
「えーっと、私は結局ルルーシュ君の言った通りにすればいいのかな?」
「ああ、以前言った計画と相違は無い。後は杉並が上手くやる」
「あはは、私もついに問題児デビューかな?」
「安心しろ、白河にとって今回の事はノーリスクな上にハイリターンが約束されている。」
「お前の評価が下がる事はないだろう。」
「ほーんと、ルルーシュ君って頭良いよね。こんな事思い付くなんて。なんか生徒会の人とかが苦労するのがわかる気がする。」
「褒め言葉として受け取っておこう」
さて、そろそろ時間なため、俺たちは教室に戻る事にした。戻った際に男子たちから白河と何の話をしていたかと質問責めにあった。
白河の人気の高さが伺える、さて卒業式が終われば遂に本番とも言える卒業パーティーだ。さて、今年の卒業パーティーはどうなることか楽しみだ。
新しい小説を投稿しようかしまいか迷ってます。